私季彩々
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通りの雪も大分消えてきたので、我が車を見に行った。11月30日をもって長い眠りについていた我が車も、そろそろ春の眠りから覚めてもいいものかと思ったのだ。
私は車を2km離れた友人の家に置かせてもらっている。近所で借りれば月12000円なのだが、そこは唯なのだ。冬タイヤに履き替えるタイミングを失った私は、そのまま雪をガレージにして冬を越させてしまったのだ。 しかしながら、そこは住宅街の真中。日当たりも悪く除雪車も入らなかったその場所は、道路は数十センチ盛り上がっており、車は片屋根だけをだしてまだまだ冬衣を厚くまとっていた。 どうせ脱出できるはずもないのだが、不憫に思い除雪を開始。徐々に現れる姿は、昨年走ったときと同じ美しさで、こすった傷もいとおしいい。車が熱伝導体になっていたのか、車周囲はことの他やわらかく、除雪は意外と早く進んだ。
わずかにしか開かないドア開けて中に入る。ほったらかしにしたテントや寝袋が散らばる室内。まったく駄目な持ち主だ。で、エンジン始動。 キュルルルルルル・・・・・、キュルキュル・・・・ルルルルル、ブォォン。 4ヶ月間の眠りから覚めたバッテリーは、多少ご機嫌斜めであったがきちんとかかった。エンジンは明らかにオイルが滞っていたようで、しばらくはノッキングを起こしているように不規則な音を出していたが、数分たつと昔の調子を取り戻してくれた。
除雪の最中、多くの人が私と車を見ていった。多分、このご近所の方々はこの車に感心があったことだろう。いつ動くのか賭けていた人だっているかもしれない。近所の保険会社のおばちゃんがたまりかねず声をかけて来て、「ようやく動きますか」と笑って言ってくれた。いえ、とてもまだ動かせる状態ではありませぬ。ほほほ。
この車が動き出せば春かも。月末にできれば乗りたいと思っているのだが、その時までにやらないといけないことがある。 桜咲く季節に卒業を迎える内地と比べ、雪解け水を気にしながら暖かな春風を感じるのが北海道の卒業シーズンだ。そんな華やいだ季節のなかで、私は暗澹の決断をしなくてはならない。それもまた区切りの春であろう。
氷の壁を取り払われた車に乗って、私も動き出さなくてはならない。それまでの時間はもうわずかもないのである。
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