私季彩々
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会社を出ようとすると雨が降っていた。出鼻をくじかれて泊まって行こうかとも思ったが、後輩のロッカーをあさってビニル傘を手に入れた。 自転車を置いていかなくてはならないから、ちょと気分が悪かったけれど、傘に当たる雨音で回復。私はこの音が好きなのだ。 開けたばかりのビニル傘には、まず大きな雫が乗る。いくつかの大きな雫が傘の曲面に点々と星座のような図を描き出す。歩みが慎重になる。 やがて流れ星が現れる。細かな雫がくっつく。国道を流れる車は天の川。移り変わる信号はエキセントリックな満月とでもいえようか。
歩くにつれて、雫は細かい霧状となる。星座の姿はわからなくなった。傘の骨組みは8つ。天空十二宮とはいわないが雨傘にも宮殿は8つあるということで。 そんな中、ホテルの明かり、点滅する灯り、流れる車、高層ホテルの窓明かり、公営住宅の明かりetc...。天傘8宮にもそれぞれ主がいらっしゃるようで。
堤防上の道には誰も歩いていない。雨に沈むアスファルトは暗い。堤防を降りると枯葉がひとひら。いつもはただ地面に落ちるのみだが、濡れた傘にはぴたりと張り付いて離れない。
そんななか裏通りに小さな一輪の薔薇が落ちていた。
なんか絵になるハードボイルドな上映終了となった雨の夜でした。 ---------------------------------------------------------
ビニル傘 雫の星座 流れ星 プラネタリウム雨天上映
ビニル傘にドームの街宇宙(まちぞら)広がれり 骨組み分けるネオン八宮
一人歩む 傘に貼り添う 落ち葉かな
濡れそぼるアスファルト地に残る薔薇 彼の足跡も彼女の香もなし
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