私季彩々
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| 2001年10月16日(火) |
古下宿 かつてあふれた下駄箱も今は靴なく母は老いたり |
寝不足で仕事を終えて途中にある友人の家にトイレを借りによった。ついでにちょと一休みと思ってベットに横たわったら、そのまま3時間寝ていた。なんて迷惑な奴なのでしょう。それでもほっといてくれたあなたに感謝です。
その友人は今では珍しい古下宿にすんでいる。6畳一間が連なる二階建て。一間9000円と格安だ。そいつは2間ぶち抜きに住んでいるので18000円だそうだ。 部屋の数は14部屋くらいはあるのだが、住んでいるのは管理人と友人しかいない。今時こんな下宿に住む学生はほとんどいないのだ。と、思うと部屋にはすべて名札がかかっている。 話によるとすべて誰かが借りているらしい。物置などとして利用しているそうだ。確かに9000円なら利用法も多様に考えられるだろう。
かつては若い学生で溢れたであろう廊下もいまはただ薄暗い。下駄箱には靴もなく部屋は主はあっても鍵は閉められたまま。かつては陽気だったかもしれないおばあちゃんも笑顔がない。そんな中店子として住んでいる彼は学生を終えて長くなる。
階段を上るときにはきしむ音が廊下中に響く。ドタバタ走っても気兼ねのなかった頃は20年は以前の話。今ではおそるおそる登るが、きしみは決して消えない。 かつてはこの音で来客に気がついたのかもしれない。コンクリートの階段にはないドラマがあったりしたのだろうか、などというのは考えすぎか。
私がはじめて札幌にきた頃にはまだ学生下宿は健在だった。いくつかのなかには多くの友人がいた。そのほとんどが取り壊されてこぎれいなワンルームマンションになっている。 世には10000円で暮らせるなら暮らしたいという人もいる。そのためにも古い建物も是非残してもらいたい。東京ならば夢をおいつつ古長屋に暮らす若者もいるだろう。けれど地方ではそんな環境もなくなりつつある。確かにこんな部屋に住もうなどという人は随分少なくなっている。 廊下には人はなく冷たい。きしむ音が反響する。これから冬になればさらに厳しくなるであろう。必要なのは人の温かさなのだけれども。
古階段 きしむ音色で飯を盛る 賑やかなりし下宿屋の朝
古廊下 ドッタン賑やか2号室 ミシリとか細い音は5号の子
古下宿 かつてあふれた下駄箱も今は靴なく母は老いたり
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