私季彩々
DiaryINDEXpastwill


2001年08月13日(月) 十勝岳いってきました(2)

 当初の予定を富良野岳から十勝岳へ変更した。スタートの混んだ駐車場で場所を開けてくれたおじさんが三段山のコースが険しくて面白いといっていたからだ。その言葉通りスタートから急登が続き富良野の風景が美しい。富良野は夕張山地と十勝連峰に囲まれた盆地であって中央に位置する富良野市は水田が広がっている。山腹から望むと高く上った日の光を受けて四角い水面の反射光が個々の彩りを魅せた。
 途中にある三段山のピークを越えると急に荒々しい風景となる。山は深い谷を刻み緑の山腹は一転して茶褐色の火山と化した。ほとんど垂直に見える崩落した岩壁にうっすらと登山道の踏み跡が見えた。ここでであった旭川から来た夫婦はその険しさに帰還を考えていた。
 急登はかなり険しくペンキを塗った岩の目印を一時見失ったがなんとかなった。一息つくと急激に霞が上がってきた。山の天気は変わりやすい。雲の中に入ったのだ。上昇気流にはいった我々は山腹を駆け上がる霧が頂上で溜まっている。残念だが山頂部での絶景は望めなくなった。峰を挟んで富良野側には雲が溜まっていて十勝側は少ない。山が天気を分けている事が良くわかった。
 ここからはほとんど尾根沿いなので登りは穏やかだ。十勝岳まではすぐだった。山頂は賑やかでほんの一瞬少しだけ晴れた。残雪が残る山腹と高層湿原が美しい。帰還は上ホロカメットク経由。活火山の尾根は強い風と貧弱な砂礫の土壌だがイワギキョウが美しい。高山植物の美しさはこのような荒地にあってこそかな、とか思ってしまう。上ホロの避難小屋には青年が一人。ここからトムラウシを抜けて天人峡へ抜ける3泊のコースとのことだ。うらやましい。私は単独行は滅多にしないのだが縦走となると尚更気が引ける。
 ここからは苦もない下山道。ミヤマリンドウが咲き乱れ思いの他見事なお花畑だった。

 途中寄ってみた吹き上げ温泉はなかなか見事な無料露天風呂だった。”北の国から”で宮沢りえと田中邦衛が入っていたお風呂だが観光地化してしまっているのが痛い。はいるなら誰もいない早朝か。けれどそれでも誰かいそうな感じだ。近くの有料の温泉に入ることとした。ふもとは快晴。見上げる山頂は雲が晴れていた。

 カメラもなしにやってきたがなかなか良い山旅だった。久々のテント泊もとてもうれしかった。同行したのはこういうことをしたことのない後輩だったのだが貧乏旅行の楽しみもわかってくれたかと思う。しかしながら年相応の旅の仕方も大事なのかな、との一言。確かにそれはある。一緒に話した人はキャンプ場を根城にしてにんじん工場に働きに行っているそうだ。俗に言う風来坊で確かに憧れもあるのだが30歳も半ばくらい。
 それだっていい。だけどそれがその場しのぎなのか。どこか帰る場所を見つけられるのか。そうして自分を見つけた人もいる。そうなればいいのですけれど。

 歳をとると方向転換が難しい。けれど私にはその気持ちもわかる。いい旅してもらいたい。私もそろそろそのお年。かなり浮世離れをしているけれどがんばってみたいわん。でも山はかわらず質素に通いたい。古傷の膝がおよしなさいというまでは。

 青揚がる峰に鳴るのは虫の声重なる蝉音秋夏伴侶
Home&Photo


とんと |MAILHomePageBBS

My追加