私季彩々
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締め切りに追われつつ書けない放送作家がいる。ドラマの回を進むが脚本はいよいよ差し迫る。ついに作家は主役を殺してしまうがあと2回がつなげない。急場しのぎで幽霊をつくりだして残りをつなぐ。作品は全然納得行くものではないが視聴率はとてもいい。その矛盾に悩む。 そんな中、ある詐欺師がその作家の名前を語って無銭宿泊を繰り返していると警察から連絡が入る。宿で一日中脚本を書いているという。そしてその放送を見て嘆いているという。 倉本聡氏の”玩具の時代”。NHKで最近再放送されたから見た人も多いでしょう。特に1回目が秀作だ。あとは少々説教めいたところもある。
どこかで誰かが自分と同じ事をしている。付け焼刃の仕事をして日々をのらりくらりと過ごす。”こんなのじゃ駄目だ!”と叫びたくても子供ではいられない。そんな中どこかで誰かが自分と同じことをしている。そしてひっそりと私にため息をつく。自分と共有する不可思議な光景がどこかで静かに繰る広げられている。 自分の歩幅で歩きたいのに歩けない。そんな中どこかで同じ様につまづいている人がいると聞けば親しみを覚えてしまう。それは詐欺師や浮浪者や娼婦。どこか世間と斜めに向かう人々を想定して歯車となっている自分を遠くから蔑んでみたり慰めてみたりする。それは本当に勝手。でもいつか会ったときにだらしない自分のことを何の気負いもなく聞ける存在のような気がしてくる。
どこかにそんな人がいるかもしれないと当てもなく空へ風船を上げてみたくなる。
さて、あなたは? 素敵な詐欺師? 華麗な娼婦? 徹夜開けの漫画家? 桃源郷の仙人?
どなたにしろ風船を受け取ってしまったならご愁傷様。 いつか会ったときには私と一緒にベンチに座ってお話しましょうね。
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