これぞ正しくお役所仕事の真髄・・・長野編 - 2005年07月13日(水) 今回の出張の目的でもある役所回り。保健所と市役所の関連部署へ訪問し、設備絡みの許認可の確認と将来的に問題が発生するかもしれない点に於いてのリスク等を調べることを目的とした。予定ではメインのクライアントとの打ち合わせが終わってから各役所を廻ることにしていたのだが、長野駅まで迎えに来て頂き、篠ノ井の現地まで向かう途中に保健所があったので急遽予定を変更し申請業務等の確認と図面上の指導を先に受けることにした。 普段はこういう役所回りは殆どしない。何故しないかというと、どうもお役所は横柄であり、たらい回しが当たり前の世界。そして言っていることにつじつまが合わないお決まりのパターン。そういうのを目の前にすると腹が立ってしまい納得いくまで相手に食って掛かることになる。しかし、向こうは許認可権を盾に意地を張る。意地を張られて認可が下りなければ営業出来ないので、そこでぐっと堪えなければならないもどかしさ。そうなることが分かりきっているので保健所関係は直接クライアントに出向いてもらい、建築や消防関連は施工業者さんにお任せしている。 今回は私の方で廻ることになるのだが、前日に電話にて概略の説明と確認をしておき、アポもしっかりと取った上での訪問である。保健所での確認事項は開業に当っての必要設備の確認と申請に当っての注意事項を知る為の打ち合わせ。保健所は条例によって内容が結構違いが出るので良く確認しないと大変なことになる。都内と神奈川でも結構違いがあるし、長野での飲食店は初めてなのでとにかく想定できる問題点や疑問点をしっかりと確認させて貰った。 第一章 <長野市保健所・生活衛生課> 懸念していた問題点はあっさりとクリアしたが、住居の一部を店舗に切り替える際に住居と店舗の区画をどう取らなければならないのか?それによって何処の部屋を店舗として使うかが決まってくることになる。そういう意味ではクライアントとの打ち合わせの前に先に確認出来たのは幸いであった。しかし、本来はしっかりと区画を取らないと不味いんじゃないのかなと心配だったのだが、保健所としては厨房以外は一切ノータッチとのこと。但し、台所を厨房として使うので業務として使うものと家庭用として使うものの区別をしっかりとして欲しいとのことだった。何と何をそうしなければならないのか?それは冷蔵庫とまな板とのことであった。理由は家庭用の冷蔵庫に保管しているものが腐ったり、または家庭用のまな板に雑菌が繁殖しても店舗用と分けていればお店に影響を及ぼさないということだったが、言っていることは分からんでもないがちょっとおかしいような気もするのだが・・・。そんなもん、家庭用のもので不備が発生するようなところは業務用でも同じことを起こしちゃうよね。打ち合わせ中に他にも笑っちゃうようなことが沢山出て来たが、ホントお役所仕事でしたね。例えば客席に関してだが、店内は問題ないにしても外に席を設けて食べさせるに当っては保健所では感知しないということらしい。でも、これこそ保健所の管轄だろうに・・・。 また、グリストラップという油分を一旦受けて、下水等に流れないようにする受け皿みたいなものを設置するのだが、これは保健所の管轄ではないそうである。都内では保健所からの指導として説明があるのだが、長野では市役所の環境課という部署の扱いになるとのこと。これは前日に電話にて確認していたことなのだが、念の為に保健所ではどういう指導ということなのかを確認しようとしたらこれまたノータッチ。自分に責任や被害が及ぶかもしれない事に関しては一切ノータッチ。お見事です! 第二章 <長野市環境部・環境第二課> クライアントとシェフとの打ち合わせが終り、シェフと一緒に残りの役所回りをすることにした。今度は市役所の環境課という部署に於いての打合せである。下水が完備されていない地域なので本来は浄化槽というものを設置しなければならないのだが、これは店の規模とかによって大きさも変わってくるし、本来予定している規模のお店では300万以上の投資が必要とされてしまう。しかし、強制力はなく簡易水洗の汲み取り式でも問題はないとの見解である。これも前日に電話にて確認済みのことではあるが、後から実は必要だったいうことのないようにきちんと確認し、書式等でその事実を明確にする為に行ったのだが、設置に関しての強制力はないので「必要ありません」ということを網羅した書面はないということである。 それから次に別の方から汲み取りに関しての申請の説明を受けたのだが、これを担当した若い女性が全く要領を得ない。もっとハキハキきちんと日本語を話せよ!って言いたくなる位にトロくさいのである。もうこういうのってイライラモード全開になってくるんだよね。 最後に前日の電話にての打合せでグリストラップは必ず設置して欲しいとのことを言われていたので、それに関しての詳細を確認しようとしたら部署が違うのでそちらへ行って欲しいとのこと。 出た!出た!お役所お得意のたらい回し! まさか保健所じゃないよね?午前中にうちは関係ありませんと言われたばかりだけど、お互いに擦り付け合うのもお役所仕事の真髄であるし、何処の部署かと思ったらナント「建築指導課」とのこと。えっ?グリストラップの設置に関しての指導が建築指導課なの?こんなの初めて聞くよ。担当者が申し訳なさそうに「縦割り社会ですいません・・・」と言ってきたのだが、分かっているならなんとかしろよ!同じフロアですかと聞くと建物は別棟とのこと。でも隣接しているところで良かったよね。これが離れているところだったら激怒していたよね。だって昨日の電話で設置して下さいと言って来たのは環境課の貴方ですよ! 第三章 <長野市建設部・建築指導課> 事前に連絡を入れておいて頂いた建築指導課へ行き、設置に関しての詳細を聞くととんでもない答えが返ってきたのである。今回は用途変更も確認申請業務も不要ということで確認を取っているので建築絡みでの申請は一切発生しないことになる。そうするとグリストラップに関しても建築絡みの申請がない以上は何も言えませんとのこと。それじゃ設置しなくてもいいんですか?と聞くと法的にはそうなりますとである。設置しなければ油や残飯がそのまま外へ流れてしまうことになるし、そうなれば当然の如く近隣へ迷惑を及ぼすことになる。それを指導監督するのが建築指導課では建築申請がなければ一切感知出来ないことになる。これこそ可笑しな理不尽な決まりごとである。保健所の管轄にすれば飲食店の開店には必ず検査を受けなければならないし、そうなれば当然グリストラップの設置に関しての指導や徹底が出来るというもの。だから殆どの地域はそういう管轄の扱いになっているはず。 これが建築指導課では建築に関連した申請がなければなにも手も口も出せないという全く持って可笑しな状況になってしまう。これじゃ違法というか普通に工事をやる際にグリストラップを設置しないで飲食店を造ることが出来ちゃうことになる。規模にもよるが小さなお店でも本体と設置工事費で20万は下らない。大きなお店になれば数10万にも及び、設置しない場合の近隣への悪影響も計り知れないものとなる。いくらお役所とは言えこういう理解不可能な縦割り管理社会は民間人の私には全く理解出来ない。 この部署も担当した人が要領を得ない話し方。もうホントにイライラする。名刺を頂こうとしたらないとのこと。今日廻ったところでは全て頂いてきたが、何故そうするかというと後々そんなことは言っていないとか、誰と話したが分からないと丸め込まれてしまう可能性があるからきちんと名刺交換をするようにしている。で、名刺がないと言ってきたのだが誰かの名刺に貴方の名前と部署を書いたものを下さいとお願いした。本当はしっかりと会話を録音することも考えたが地方都市でそんなことをいきなりやるのもどうかと思ってやめておいたが、結構こういうことでの言った言わないというトラブルって多いのである。 それから今回の打ち合わせにしても電話でアポを取った際には何処も忙しくて駄目と言われたのである。横浜から行くし、クライアントと打ち合わせも変更出来ないのでという旨を言ったらOKになった。なんだかなぁ・・・必要以上の仕事はやりたくないということなのだろうか?お役所はノルマなんてないし、出来る限り楽をして一日を終えたいというお役所体質が染み込んでいるのであろう。打ち合わせが終りシェフと共に「俺達にはこういう生活は出来ないね」と思いは一致した。 まあ、そういう生活を求めている人がなる職業だろうし、私には到底理解も納得も出来ないことだけど、人それぞれ、様々だしね。 でも、都会と違って大らかというか、ある意味親切であり、横柄な態度を取る人はいなかったのがせめてもの救いであった。 その後、日記上では前後逆になるのだが、サラリーマン時代に担当したお店へと向かったのである。 -
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