久々の講義 - 2004年02月17日(火) 今日は横浜市の蕎麦組合からの依頼で朝9時から夕方4時まで講義の仕事があった。休憩時間を除くと6時間もの長丁場で、実は前夜まで何を話そうか決めかねていた。講義議題としては「日本蕎麦店に於ける機能的な店舗設計」というタイトルを決められており、ベースとしてはそれに則って話さなければならないのだが、相手は設計を勉強しようとしている学生でもないし、蕎麦屋を開業しようとしている人でもない中で一体何を話せばいいんだろう?本当に悩み抜いた挙句、幾つかの項目を挙げて構成を考えてみることにしてそれがまとまったのが前日の深夜。 講義の依頼があったときに受講生の状況を聞き、専門的な話をしても無理があるし、設計という枠に捉われない幅広い見方の店づくりとそれぞれのポイントについて分かり易く話したいという要望を出した。それで考えたのが以下のような内容で、まず設計というものをもっと身近に感じてもらい、そこから核心に入って行くという方法をとることにした。 1「設計」って何? ■決して難しいものではなく、身近に存在するもの ■料理にも「設計」というものが存在する ■誰にでも出来るものでもあり、専門的なものでもある 2「レイアウト」と「デザイン」の関連性 ■レイアウト・・・配置、機能性、効率、現実的 ■デザイン・・・・意匠、雰囲気、印象、視覚性 ■空間演出・・・・照明計画、色彩計画、装飾計画 3 店づくりの全体像をまとめる ■業態を考える・・・立ち喰いから蕎麦懐石まで ■立地条件と客層の関連性と矛盾 ■蕎麦屋の将来性と昔ながらの粋な店、粋な楽しみ方 4 客席のレイアウト ■効率の良いレイアウトとは ■厨房の生産性と席数のバランス ■素材について・・・予算との戦い! 5 厨房のレイアウト ■効率の良いレイアウトとは ■それぞれの機能性と設備投資のバランス ■「ドライ」と「ウエット」「オープン」と「クローズ」 6 パントリー機能の重要性 ■厨房と客席の中間地点としての機能 ■ドリンクサービスとしての機能 ■「作り手」「食べ手」そして「共し手」の三位一体 7 設備設計 ■空調計画・・・客席、厨房、手打場、それぞれ機能が異なる ■給排気計画・・・空気の流れは自然で素直 ■その他 8その他と質疑応答 結果はこの通りには中々進まずかなり脱線したり、これ以外のことに関しての話しに時間を費やしたりと様々だったが楽しくやらせてもらうことが出来た。中央の演台に立って話すのは私は嫌いなので横の机で受講生の方と同じ目線で話させてもらったが、私は講義をする際は先生ではなく、あくまでもプランナー、デザイナーとしてやらせて頂いているので、以前やっていたとあるところでの講義も生徒さん達と同じテーブルで同じ目線で話をしていたし、そうでなければ本当に私の伝えたいことは伝わらないと思っているからである。 -
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