「いつもにこにこ・みけんにしわなし」
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モックンがミーを泣かせた。
私に謝っといでといわれて、謝りにいったが、 ふざけてるとしか思えない謝りかたで、余計にミーを泣かせる。
そのとたん、ミーの隣りでゲームボーイアドバンスをしていたヒゲ君が、 いきなりモックンの胸倉をつかんで怒鳴りあげた。
「お前はぁ!それであやまっとるつもりなんかぁ!オらぁっ!」
コワ。 子供相手に、やくざのような言葉づかいだ。
服をわしづかみにして、7歳児をがくがくゆすり、 突然の災難にびびっているモックンの頭に平手がはいった。
「ぎゃーん!」
モックンが泣き出した。 ミーは固まっている。 マルは台所まで逃げてきて壁の陰からうかがっている。
「謝るんやったら、もっとちゃんと謝れっ!泣くなっ!」 「うひーん!ごめ、ごめ、ごめんなさいーっ!」 「・・・・・ゆるしたらん。」応えるミーも泣きっ面。
「ふんっ!」って、おいおい、ひげ君、おさめずにGBAに戻っちゃダメだようぅ。 私の視線に気がついて、もいちどGBAを置き、 モックンに怖い顔で向き直って、 「仲直りの握手せいっ!」
・・・・・・・・・・。 二人ともとーちゃんの剣幕に押されて動けない。
「できんのかあっ!」 暴走特急ヒゲ号!ポッポー!
「だ。」 モックンが口を開く。 「だ?」 「だって、おとーちゃん!こわいもんっ!」 「ぐ。」 「こわい〜〜〜うあ〜ん!ひーん!おおう、おおうおうおう〜!」
台所を離れてモックンとミーの間にしゃがむ。 「どした。」 「おとーちゃんがこわい〜!」 「せやけどなぁ。モックン、おとーちゃんまちごうたこと叱ってへんでぇ。」 「うひぃん!」おかーちゃん味方ちゃうんやぁ! 「おかーちゃんもいつもいうやろ。謝るときは気持ちをこめて謝らなかんて。 相手に許してもらえるように気ぃ入れて謝らなあかんでって。 アンタがいい加減にせんから、おとーちゃん怒らはったんやん。 おとーちゃん、まちごうてへんで。アンタがイカンの。」 「う、うう、で、でも、おとーちゃんごわいー。」 「いろんな叱り方があるから怖いのもありや。」
向き直る。 「ミーもイカンよ。 かまってもらってて、痛い目見たからって、モックンのせいだけにしたらアカンわ。 自分もしてほしかったんやん。 自分だけがかわいそうなんと違うやん。」 「……うん。」
「ヒゲ君。」 「ハイ。」 「ヒゲ君、間違ってないけど、モックン胸倉つかまれたときに、 あなたの爪でえぐられて、こんなミミズばれできてる。これは謝ってやって。」 目をむくヒゲ君。 だけどミミズばれは本当なのでぐぅとつまる。
「ごめんなさい。」 「ごめんなさい。」
子供たちはちゃんとごめんなさいが言えたのに、 ヒゲ君だけ言えない。
困ったやつは、だ〜れだ?
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