Web Masterの日記



アイドル

2023年05月10日(水)

最近、アニメ「推しの子」の主題歌、YOASOBIの「アイドル」をヘビーローテーション。
ほんと何度聴いてもスゴイ曲だ。
もちろん「推しの子」も毎週、観ている。
てか、ヤンジャン連載も読んでいる。
YOASOBIの「アイドル」はオリコンの週間デジタルシングルランキング、
週間ストリーミングランキングで1位の二冠を達成し、YouTubeでは
わずか10日ほどで4000万再生のまさにお化け曲だ。
自分は昔からアイドルオタであり、様々なアイドルソングを聴いてきたが、
おそらく既存のアイドルソングを簡単にぶち壊した曲でもある。
いや、アイドルソングにしてアイドルソングにあらず。
「シン・アイドルソング」「超アイドルソング」だ。

まず1番はスターアイドル・星野アイの姿を歌っている。
表のAメロでは「今日、何を食べた?好きな本は?遊びに行くならどこ?」
握手会などでおこなわれるアイドルとファンの日常的なやりとりが描かれる。
Bメロでは、アイドルという仮面をかぶっているアイのしたたかな本音がチラリ。
まぁ、ここまでは普通のアイドルソングなんだろう。
昔の小泉今日子「なんてたってアイドル」的な感じ。
ところが2番で曲は完全に闇落ちする。
次に描かれるのは、アイの引き立て役になっているメンバーたちの「怨念」だ。
その他アイドルたちの嫉妬、や妬み、憎しみなど。ここのパートはゾクゾクする。
そして3番ではスターアイドル・星野アイが深掘りされる。
実はアイにはアクアマリンとルビーという双子の子供がいる。
アイは生まれ育った事情で誰かを愛することができない。
アイドルをやっているのは、自分が「愛してる」と言えばファンが喜んでくれるから。
なのでアイの心の中は空っぽだ。
アイはいつか心の底から「愛してる」と誰かに言える時を待ち望んでいる。
そして、その瞬間がやって来たのはアイの20年の人生が終わる時。

楽曲の分析。
曲の構成は
・1番 ラップ→Aメロ→Bメロ→サビ
・2番 ラップ→サビ
・3番 ラップ→Bメロ→サビ
アイドルソングとして実に大胆な構成だ。
Bメロからサビに移る過程では転調していてメチャクチャ盛り上がる。
1番のBメロと3番のBメロのラストは違っていて、特に3番の転調
(「ない」の所で変わる)は大いに盛り上がる仕掛けになっている。
さらにラップパートも面白い。
1番と3番は、すべて「ア」で韻を踏んでいる一方で2番は「イ」で韻を踏んでいる。
これは1番と3番がスターアイドル・星野アイを描いているパートで、
2番は引き立て役のアイドルの怨念を描いているパートだからだろうか?
あるいは、「ヒーカップ唱法」にも関連しているのだろうか?
いずれにしても、このラップパートが曲のアクセントをつけているし、この起伏が面白い。

この曲が「超アイドルソング」である理由は以下の点にある。
まず1番と3番のラップパート。
歌詞の語尾を跳ね上げて歌う「ヒーカップ唱法」という唱法が取られている。
この歌い方をすると可愛く聞こえるのだ。
たとえば松田聖子の「青い珊瑚礁」
♪あ〜あ、わたしの恋はぁ♪風に乗って走るのぉ♪なんかがそうだ。
あと松浦亜弥の「桃色片想い」なんかにもこの歌い方が取られていた。
次に2番のBメロは「PPPH」の合いの手を入れられる仕掛け。
「PPPH」とは「パン・パパン・ハイ!パン・パパン・ハイ!」という合いの手。
アイドルソングでは欠かせないパートだ。
これをこの曲でもやっていて実際に合いの手が入っている。
だけどAKB48で一気に有名になったMIX
「よっしゃー!いくぞー!」「タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!
ダイバー!バイバー!ジャージャー!」が入る隙はない。
歌詞が終わった曲終わりあたりに入りそうだが、入りそうな瞬間にぶち切られ、
暗いトーンのコーラスで終わる……。
なぜ、こうなるのかはアニメ第1話のラスト、アイがファンに刺されて命を落とすからだ。

というわけで、YOASOBIの「アイドル」は過去のアイドルソングをリスペクトし、
そして否定した超アイドルソングだと思う。
この曲を作ったYOASOBIのAyaseは天才だと思う。
しかし、それよりも、この曲をアイになり切って歌いこなすボーカル・Ikuraがもっとスゴイ。
YOASOBIの曲って、どの曲もボーカロイドが歌うような難しい曲ばかりなのに
Ikura(幾田りら)が完璧に歌いこなしているのが一番スゴイと思う。


アイドル
TVアニメ『推しの子』オープニング主題歌
作詞 Ayase
作曲 Ayase
歌唱  YOASOBI

無敵の笑顔で荒らすメディア
知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
完璧で嘘つきな君は
天才的なアイドル様

今日何食べた?
好きな本は?
遊びに行くならどこに行くの?
何も食べてない
それは内緒
何を聞かれても
のらりくらり

そう淡々と
だけど燦々と
見えそうで見えない秘密は蜜の味
あれもないないない
これもないないない
好きなタイプは?
相手は?
さあ答えて

「誰かを好きになることなんて私分からなくてさ」
嘘か本当か知り得ない
そんな言葉にまた一人堕ちる
また好きにさせる

誰もが目を奪われていく
君は完璧で究極のアイドル
金輪際現れない
一番星の生まれ変わり
その笑顔で愛してるで
誰も彼も虜にしていく
その瞳がその言葉が
嘘でもそれは完全なアイ

はいはいあの子は特別です
我々はハナからおまけです
お星様の引き立て役Bです
全てがあの子のお陰なわけない
洒落臭い
妬み嫉妬なんてないわけがない
これはネタじゃない
からこそ許せない
完璧じゃない君じゃ許せない
自分を許せない
誰よりも強い君以外は認めない

誰もが信じ崇めてる
まさに最強で無敵のアイドル
弱点なんて見当たらない
一番星を宿している
弱いとこなんて見せちゃダメダメ
知りたくないとこは見せずに
唯一無二じゃなくちゃイヤイヤ
それこそ本物のアイ

得意の笑顔で沸かすメディア
隠しきるこの秘密だけは
愛してるって嘘で積むキャリア
これこそ私なりの愛だ
流れる汗も綺麗なアクア
ルビーを隠したこの瞼
歌い踊り舞う私はマリア
そう嘘はとびきりの愛だ

誰かに愛されたことも
誰かのこと愛したこともない
そんな私の嘘がいつか本当になること
信じてる

いつかきっと全部手に入れる
私はそう欲張りなアイドル
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
それでもまだ
君と君にだけは言えずにいたけど
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる

 < 過去  INDEX  未来 >


Web Master