Web Masterの日記



ヒロシマ・ナガサキ

2009年10月13日(火)

広島市と長崎市が2020年の夏季五輪の招致を検討する合同委員会を設置、
世界で2ヶ所しかない被爆地として「平和の祭典」が開催できれば、
核兵器廃絶運動への弾みになるとの狙いがあるようだ。
核兵器の廃絶については、オバマ米大統領に
ノーベル平和賞が贈られることが決まり、世界中の関心が高まっている。
世界の約3000都市がメンバーである「平和市長会議」では、
2020年までに核兵器廃絶を目指している。
その年に被爆地である広島と長崎で五輪が開催できれば素晴らしいことである。

しかし…冷静に考えれば99%無理なのではないだろうか。
まずIOCは「1ヶ国が1都市に絞って推薦」することを求めているわけで、
最初から約300キロも離れた広島と長崎が共催立候補と言う段階でありえない。
さらに最近のオリンピックに対しIOCはコンパクト化を求めていて、
その点から言っても厳しいというか無理だろう。
確かにオリンピックの当初の理想からしたら、
反戦・平和を求める運動を謳うのには非常に理想的な都市と言える。
例えばこれが「広島オリンピック」に立候補し、一部競技を
長崎市で開催するならまだしも、共催は厳しい。
さらに言えば、長崎市には新たな競技施設を作るような場所が無いと思う。
海のすぐ側まで山が迫っていて、そのため市街地が
山肌に張り付くように作られた街。
どこに新たな競技施設を作れるのか?
オリンピックなので国体用の施設じゃ間に合わないだろうし。
だいたい長崎は金も無い。
V・ファーレン長崎がJリーグに加盟申請した時にも、
求められるホームグラウンドが無いことがネックとなり却下された。
Jリーグが求めるレベルの施設すら簡単に作れない街が、
どうやってオリンピック施設建設の金をひねり出すのか疑問だ。

一方の広島はアジア大会を開催した過去もあり、
もしかしたらオリンピック用の施設は、その施設をリニューアルするような形で
何とかなるのかもしれないが、そのアジア大会で抱えた多額の負債に
苦しんだ過去があり、いまで借金を抱えたままである。

それに、はっきり言うと今のオリンピック、特に夏季大会は
地方都市でやれるような大会ではなくなっているような気がする。
2016年に立候補したのも、マドリード、リオデジャネイロ、東京、シカゴと
いずれも首都クラスの大都市である。
2012年のロンドン、2008年の北京、2004年のアテネ、2000年シドニーと
その国を代表する大都市ばかりでの開催だ。
それだけ金がかかるということでもある。
そう考えると、広島では財政的にも相当に厳しいだろう。
もちろん「平和を訴える」「核廃絶を訴える」という、
東京にはなかった開催意義や理念は世界中にも訴えるものがある。
しかし、現実問題で考えると、やはり無理だと思うな。

どうしても日本で五輪を開催したいなら、
やはり開催可能都市は東京しかないかじゃないかな。
あとは無理すれば大阪か名古屋か横浜くらい。
開催だけでなく招致にも莫大な金が必要となるし、
もし開催できたとしても大会のための選手村や宿泊施設を
その後に転用できるだけの力がある街と言うと、やはり東京しか考えられない。
なので日本で開催したいなら、せっかく2016年を戦った東京は2020年に向け、
さらにコンパクト&エコロジーそして、そこにどう平和を加えるか、
そんな方向性で進んで立候補すればいいと思う。
東京都民に理解が得られるかどうかは分からないけどね。

広島と長崎が立候補したい気持ちはスゴク分かるが、
冷静に考えれば、今の日本の現状だと開催地に選ばれるかどうかは不明だが、
東京しか無理じゃないかな。

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