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2007年11月14日(水)
今年も銀盤の女王たちの季節がやってきたが、 次期オリンピックで金メダル最有力、日本が誇る浅田真央だが、 今シーズンは、かなり苦戦しそうな予感がする。
なぜなら、まずトリプルアクセル(以下3A)。 グランプリシリーズのカナダ大会では3Aを回避したが、 ショートプログラムの点数が出なかったからではなく、 跳べる状態になかったというのが本当の理由ではないだろうか。 なので、このまま跳べないことが続けば得点は伸びずに危うい。
次にトリプルルッツ(3Lz)。 昨年までは同じプログラムで2回入れていたが、今年は1回にしていた。 実はこれは大きなマイナスである。 理由は今大会からルール改正となった踏み切りエッジの厳格化。 今の跳び方では必ず減点の対象になってしまうのだ。 事実、カナダ大会ではショート/フリーともに減点されている。 無理に直しておかしくなるのは避けて、今シーズンは減点覚悟で望むのが ほぼ確定しているので、これに伴い、もう1回のジャンプを減点のないものの 得点の低いジャンプ(トリプルループ)の選択にシフトせざるを得なくなった。 これで普通に演技できても1.5点のdownは必至なのだ。
また、元々グランプリシリーズ出場者なら全員可能なトリプルサウコウ(3S)が なぜかジャンプの天才である浅田真央だけが出来ないという欠点も持っている。 その代わりにダブルアクセル(2A)に変更しているものの、 これに伴う踏み切りエッジの厳格化による得点downも1点あるのだ。
よって、昨年のような200点超えは厳しい状況である。 逆に、踏み切りエッジの厳格化で得するのは真央と同い年、韓国のキムヨナだ。 女子では世界一踏み切りエッジが基本に忠実とされるだけに ルール改正に伴う影響は皆無で、この両者の明暗が 今後は出てくるのではないだろうか。 しかし、この逆境でも浅田真央が勝てば、それこそ本物の天才だと言える。 今後の大会も注目したい。
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