Web Masterの日記



クライマックスシリーズを斬る

2007年10月30日(火)

昨年と同じカードでプロ野球の日本シリーズが行われているが、
今日はセ・パ両リーグで行われていたクライマックスシリーズの
是非について、自分なりの記述してみたいと思う。

今年からペナントレースでの優勝は「リーグ優勝」と位置づけて、
クライマックスシリーズは「日本シリーズ進出権」をかけた戦いだったわけだが、
昨年までパリーグ「プレーオフ」という名目で行われていて、
プレーオフの勝者が「リーグ優勝」になっていた。
それが今年からセリーグでもポストシーズン制度が導入されて、
名前も「クライマックスシリーズ」に変わったのだが、
いろいろ掘り下げてみると、オーナー連中の
エゴで開かれた試合という気がしてならない。

ある新聞の記事で、自分の考えとよく似た記事があったので全文引用。

◆アドバンテージなしの泣き笑い
パは04年から3年間、上位3チームによるプレーオフでリーグ優勝を争ったが、昨年はレギュラーシーズン1位チームに1勝のアドバンテージを与えた。今回、CSにはリーグ優勝チームに1勝のアドバンテージをつけなかった。1試合でも多くゲームを行って収益を増やすためだ。
この恩恵を受けたのが日本ハムで、ロッテとの第2ステージは第5戦までもつれこみ、すべて札幌ドームの収容上限である4万2222人の大観衆を集めた。アドバンテージがあれば、日本ハムが2勝目を挙げた第3戦で終わっていた。藤井純一球団社長は「チームを応援する身としては3連勝が良かったが、営業的には大変に有難かった」と語る。
逆にセの第2Sは中日の3連勝と最短で終わり、主催権のあった巨人はCSの「うま味」を十分には味わえなかった。巨人は1勝もできなかったためアドバンテージの有無は関係ないが、「アドバンテージ不要」を最も強く主張していたのが巨人だったのは皮肉だ。

◆重なった日程
パの第2Sと、セの第1S(13、14日)、第2S第1戦(18日)の日程が重なった。特にパのCS優勝が決まる第2S第5戦と、セの同第1戦が同じ日に行われたことには、ロッテのバレンタイン監督が「球界首脳は思慮が足りないのでは」と苦言を呈した。
ビデオリサーチの調べでは、18日の関東地区での視聴率はパが8.3%だったのに対し、セは13.8%。バレンタイン監督の不満を数字が裏付けた格好だが、日本ハムの本拠地・札幌地区に限っては34.3%の高率を記録し、地元密着の取り組みの成果を挙げた。
CSの導入が決まった際、テレビ局からセ、パ両リーグに「試合を交互で開催してほしい」との希望が寄せられたという。パのCS第1戦が行われた翌日にセのCS第1戦、その翌日はパの第2戦……と行うやり方だ。
視聴率の食い合いはなく、興味の分散も防げる。しかし、日程が長くなるため、「ポストシーズンの日数に余裕がない現状では無理」(セ・リーグ関係者)という。ペナントレース、セ・パ交流戦、アジアシリーズなどの国際試合を含めた年間スケジュール全体にかかわる問題だが、CS盛り上げのためには再考すべきだろう。

◆営業の難しさ
パのCSにはヨドバシカメラが冠スポンサーに付いた。パの6球団による共同出資会社「パシフィックリーグマーケティング」(PLM)が探したスポンサーだ。一方、セは大手広告代理店が営業を行ったが、特別協賛にNTTドコモが付いたものの、冠スポンサーはなかった。
CSは、どこのチームが勝ち上がるかシーズン終盤までわからない。セの関係者の一人は「失礼ながら、パはどんな組み合わせでも商品価値にあまり違いはない。しかし、セの第2ステージが巨人−阪神か、それ以外のカードかでは違いが出る」と話す。
しかも、セがポストシーズンゲームを行うのは初めて。観客動員や視聴率など参考になる過去の実績がない。企業としてはスポンサー価値の見極めに慎重にならざるを得ず、それが冠スポンサー不在につながったとみられる。
冠スポンサー探しだけではない。テレビ局への売り込み、ファンへの情報提供など、セ、パが別々に行うのではなく、球界が一体となって取り組む方が効率的、効果的なのは自明の理だ。せっかくのCS。より盛り上げるためには、リーグの垣根を越えた営業努力が求められる。

◆優勝の価値
巨人の敗退で、50年の2リーグ分立後初めてリーグ優勝チームが日本シリーズに出場できなくなった。中日の落合監督はCS優勝直後、「あくまでもセ・リーグ優勝は巨人」と話し、胴上げもしなかった。
144試合のペナントレース1位をリーグ優勝とするのは一つの見識だが、1リーグに6球団しかないのに、上位3チームがCSに進出できるのは無理がある。前後期制や地区別制の導入によるプレーオフも検討されたが、CSの主目的は、Aクラス争いを激化させて消化試合を減らすこと。前後期制や地区別制では消化試合は減らない、と早々に却下された。日本シリーズの価値よりも、営業面の思惑が重視されたわけだ。
今季のセの9月の1試合平均観客数は対前年比9.5%の大幅増。白熱した優勝争いの影響が大きいが、一定の「CS効果」はあったといえる。しかし1年目から優勝チーム以外が日本シリーズに進出したことで、改めて「日本一とは何か」の論議も起きるだろう。(毎日新聞より全文引用)


興行面がマイナスになることを考えて、1位チームにアドバンテージを
与えなかったり、セとパで試合日程がバラバラだったり、
プレーオフの時についていなかった冠スポンサーがついていたりと、
これらの事を引っ張り出しただけでも、
利益目当てで行われただけとしか思えない。
選手達の間にも違和感があったようで、セリーグ代表として
日本シリーズに進出したドラゴンズの選手の中には
「正直、素直に喜べない」と言ったコメントが聞かれ、
パリーグで惜しくも最終戦で敗れて日本シリーズ進出がならなかった
マリーンズの選手からも「リーグ優勝ではなく日本シリーズ進出権だったので、
今ひとつ気持ちが乗らなかった」と言ったコメントも出ていた。
選手達にしたら、余計な試合が増えただけという気持ちしかないのかもね。

アメリカのポストシーズン制度の場合だが、
アメリカは広大な土地で球団数も多く3地区に分けられている。
3地区に分けているので日本と違って各カードの対戦数もバラつきがあり、
その為のポストシーズン制度であるだ。
一方の日本はどうか?
1リーグ6球団しかないのに、なぜ半分の3球団で争うのか?
一昨年、パリーグ3位だったライオンズはペナントシーズンは負け越しだった。
もし、ライオンズが一昨年のプレーオフで制してリーグ優勝していたら
負け越しのチームが優勝という異常事態というか歪みが出ていた。

それと何で1位のチームは待たされるのか?という問題。
ジャイアンツが3連敗した要因として「試合勘が鈍った」という意見もあるが、
この意見は正しくもなければ間違ってもいないと思う。
何週間も試合がないとテンションも下がるだろうし、体もなまるはず。
2004〜2005年のホークスの悲劇も考えると、
何だか1位チームに不利に働く制度のような気もしてしまう。
ジャイアンツとは対照的にパリーグ優勝チームのファイターズは
第2ステージを制したわけだが、もし4戦と5戦に間の休みがなく
セ同様に5連戦だったら逆にマリーンズが勝っていたかもしれない。

まだまだ書きたいことが沢山あるが、これ以上書くと愚痴になってしまうかも。
なので、ここでストップしておこうと思うが、
今年のクライマックスシリーズは、初めてということもあるが
選手もファンも、なんかスッキリしない制度だったということを踏まえ、
来年以降に修正してもらいたいと思う。

さて、ジャイアンツがクライマックスシリーズで負けて
日本シリーズへ進出できなかった時に、多くの野球ファンの間から
「あの男が何か言い出すんじゃないか」なんて話題になっていたが、
やっぱり期待通りに話題を振りまいてくれたね。
ジャイアンツをおかしくした張本人が、よく自分の過去の過ちを認めないで
そのような減らず口が叩けるなと、怒りを通り越して呆れてしまう。
ましてや「補強せずにいられるか」なんて発言すら…。(-o-;)
「いられるか」ってどういう意味だよ?
監督や選手を使い捨て商品としか見ていないのだろうね、この爺さんは。
あと以下の発言も人間性を疑ってしまうな。
「これを教訓にして反省して、来年に生かさねえようなら
巨人はおしまいだな。だけど(巨人が)おしまいになるなら、
野球が全部つぶれるから」
プロ野球が存在する限り、巨人も野球もおしまいになりませんから(-o-;)
安心して冥土にでも逝って下さい。

メジャーリーグのワールドシリーズはレッドソックスが4連勝で
3年ぶり7度目の優勝を決めた。
ワイルドカードから初めてワールドシリーズに進出したロッキーズだったが、
レッドソックスの強さにはかなわなかった。
まぁ、ロッキーズは勢いだけで来た感じがしたし、順当だと思うが
まさか4連勝とはね。
短期決戦なので勢いだけで勝てる場合もあるが、今回は相手が悪かったのかも。
だけど松井稼頭央は頑張ったと思う。

しかし、ワールドシリーズで日本人同士が対決なんてスゴイことだ。
松坂は第3戦で日本人投手として初先発し5回1/3を3安打2失点に抑え
見事に勝利投手にもなった。
大事なところで負けないところは高校時代から変わらず。
本当に松坂という投手は実力以上に強運を持っているのかもしれない。
運を呼び込んだということでレッドソックスの120億の買い物は
世界一にも貢献したので高くなかったはずだ。

ところで、レッドソックスは3年前に「バンビーノの呪い」から解き放たれたが、
まだ呪いから解き放たれないチームが日本に存在する。
そう、今日は打線が爆発して日本一に近づいた中日ドラゴンズ。
何と52年もの間、日本シリーズを制覇していないが、
はたして「バンビーノの呪い」ならぬ「板東英二の呪い」から
解き放たれる日は来るのだろうか?

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