Web Masterの日記



地に堕ちた国技

2007年09月27日(木)

朝青龍不在の大相撲秋場所で一番話題になったのは
女性は土俵に上がれないという1400年の伝統をぶち壊した
頭のイカれた変なおばさんの土俵乱入だったなどと
盛り上がらずに秋場所が終わったが、
朝青龍のすったもんだの次は序ノ口力士の時太山が急死した問題が
ここにきて浮上し、愛知県警は傷害致死事件として時津風親方と
部屋の兄弟子ら数人を立件する方針を固めた。
相撲協会は「警察に任せるしかない」とサラッって流してるが、
そもそも3ヶ月前の事件が今頃になって明らかにされた事が異常だ。
被害者が受けたリンチの状況を見れば、
どう考えても過失致死じゃなくて殺人である。

最近は暴力的指導は否定的な風潮だが、大相撲に限らず
どのスポーツでも強くなるためには、ある程度の“しごき”は必要かもしれない。
実際、自分が若い頃はどのスポーツでも多少なりとも存在していたし、
それによって上下関係や精神も鍛えられ、
ある意味で必要悪だったのかもしれない。
しかし、この件は親方がビール瓶で頭を殴っていたとか、
親方自らが「かわいがってやれ」などと、まるでやくざまがいの指示を出し、
兄弟子たちが取り囲んで金属バットで殴打したとか…。
はっきり言って、これは“しごき”ではなくて暴力である。

遺体の顔は腫れあがり、全身にあざ、肋骨も折れていて、
太ももにはタバコを押し当てたような痕まで残っていたという。
いくら荒稽古でも、ここまでヒドイ状態にはならないだろう。
だいたい、時津風部屋の中で誰一人も、そんな暴力が「おかしい」と
思わなかったんだろうか?それとも兄弟子や親方が怖くて
何も言えなかったのか?
何か言えば、自分も同じようにされてしまうと感じていたのかもしれない。

それって学校の“いじめ”と同じ構図である。
だが学校と違う点は、監督者である親方自らが率先して
「いじめ=殺人」につながる暴力を振るっていたというところだ。

時津風部屋の廃止&部屋中の人逮捕&親方は実刑でもいいだろう。
当然、相撲協会の北の湖理事長も辞任だ。
相撲協会は特殊法人で税金も優遇されている団体だが、
ただでさえ理不尽とも思える昔のしきたりがまかり通る閉鎖的な世界、
そこで、こんな陰湿な事件があったのでは、
もう優遇は取り消してもいいのでは?
今後、犯人探しや死亡原因ばかりでなく、相撲協会全体の責任として
そういう議論をしなくてはいけないくらいの事件だと思う。
しかし、こんなんじゃ新弟子検査に誰も来ないのは当然だし、
八百長だなんだと騒がれたって文句なんか言えるわけないな。
日本の国技は地に堕ちたものだ。
大相撲の長い歴史に泥を塗った関係者は恥を知れ!

ほんと遺族の方は無念だろうな…。
わずか17歳で命を絶たれた時太山関のご冥福をお祈りします。

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