Web Masterの日記



高野連の横暴

2007年01月11日(木)

フジテレビが1月6日に放送した「めちゃイケ!」の特番の内容を巡って、
高野連が激怒しているようだ。
番組は紅白の司会を務めることになったSMAPの中居正広を応援しようという企画。
例の全国を弾丸ツアーで回りながら、徹底的に中居をコケにするヤツだけど、
毎回面白くて好きだな。
問題とされているシーンは、早稲田実業が
この夏の甲子園大会で宿泊した旅館を舞台に
収録されたもので、同校の選手達が食べた食事や
ハンカチ王子こと斉藤投手が期間中に使ったとされる
通称ベッカムカプセルをネタにしたもの。
特に中居がこのカプセルに入る際、
ナイナイの岡村が密室状態にいる中居に対して
何発もおならをカマすシーンと、
その後に旅館関係者を登場させて「ハンカチ王子」ならぬ
「オナラ王子」と書いたサインをせがむ、
という流れが関係者の逆鱗に触れている。

この件を協議するために高野連は1月10日に理事会を開き
「教育の一環として行われている高校野球の目的から
著しく逸脱する番組構成で、誠に遺憾」とする抗議文を作成し、
製作したフジテレビにこれを送ることを決めている。
一方のフジテレビ側は「抗議文が届き次第、主旨を確認して
正式なコメントを出したい」と今後についての明言を避けているが、
当惑している印象がありありという状況になっている。

高野連の田名部和裕参事いわく
「高校生が一心不乱に活動したことを面白おかしく扱い、
高校野球を著しく踏みにじる構成。笑いのネタにしても遺憾な内容」と
抗議に至る理由を説明し、さらに早稲田実業に承諾もなく
番組の制作に協力した旅館に対しても
「宿泊者の生活を明かすなど信義にも劣る」とし、
高野連の指定宿舎からこの旅館の名を外す措置を決め、
近くこれを関係者に通達することも明らかにしている。

この話は、ものすごくおかしな理屈で展開されているのではないだろうか。
高校野球に対する報道は、今や地方大会の段階から有力校の中に
カメラが入ることが当り前のように行われている。
その取材対象には、選手達がはしゃいだり、ふざけているといった
野球に関係のないシーンももちろん含まれる。
個人名が出るのはもちろん、出身中学などのデータが
平気で新聞などに掲載されてもいる。
有名高校球児のプライバシー保護は、そういう意味で昔からお座なりになっている。
練習に真面目に取り組み、勝利に賭ける執念をカメラが追うのはOKで、
なぜ笑いのネタにされるのがダメなのか。
その点をまず説明してもらいたいものだ。
しかも斉藤投手本人を題材にしたわけではなく、
そのシチュエーションだけを借りただけなのにも関わらず…。
こんなものは有名税で片づけるしかない話ではないのか?

しかも、ベッカムカプセルにしろ「敵に勝つ」のビフテキ&とんかつの食事にしろ、
夏の段階で大きく報道されているネタである。
それを今更、宿泊者の生活を明かす行為だ何だと
難癖つける高野連の神経が信じられない。
こんなことを今頃言い出すなら、まず加熱した報道合戦が展開された時点で
釘を刺しておくべきではないだろうか。
旅館関係者も、あれだけの騒ぎで全てが晒されたことを受けて、
早稲田実業ナインの様子を明かすことに問題はないと判断したと
誰でも推測できる話である。
正直、こんなもの高野連のいいがかりだとしか言えないわけで、
指定宿舎から外すといった措置は、単純にこの旅館が
スケープゴートにされたとしか見ることができない。
早稲田実業に事前の連絡がなかったことを責めるなら、
それは旅館ではなくフジテレビに対して行うべきである。
決して旅館側が売り込んだわけではないのだから。

実際、自分もあの番組を最初から観ていた。
確かに岡村のおなら攻撃はしつこさもあり、苦笑だったが、
特に高校野球を侮辱しているとは思えなかった。
視聴率も20%近くをマークしているが、それだけの人が観ていながら、
高野連のような抗議を視聴者が行ったというニュースは流れていない。
つまり、高野連の感覚が一般の考えと著しくズレていることを、
これらのことが物語っているように思われる。

では、単純に高野連のお歴々の観点が狂っているのか?と言えばそうではない。
この動きの根底には、アマ野球界のドル箱である斉藤投手を守るという
意識が働いているということが容易に伺える。
その結論があって、無理矢理に理由をくっつけている。
だからこうしてツッコみどころが満載の決定となっているのだろう。
仮に、もしこれが駒大苫小牧の田中投手をモチーフに製作されていたら、
同じ対応を高野連はとっただろうか?

何にしても、斉藤投手が使っていた青いハンカチを、その人気に便乗して
売り出そうという動きの方が高校球児の商品化という意味で問題があったはず。
なのに注目度を上げるものであればお咎めなしだったわけだ。
今回の抗議の一件と合わせ、高野連がどういうシロモノなのかだけは
強く認識させられたように思われる。

高野連よ、今の高校野球に「教育の一環として行われている高校野球」なんて
昔の感覚はとっくに破綻してるのだよ。
確かに多少の行き過ぎがあったかもしれないが、所詮テレビなんて低俗なもの。
正月のバカ騒ぎバラエティに目くじらたてるほどのものでもなかろうし、
事情を訊くこともなくいきなり「指定宿舎」を除外するなど横暴だろう。
もう高校野球を神聖化するのはいいかげんに止めてもらいたい。
高校野球は大好きだが、神聖化することの弊害がどれだけ醜悪か
時代の流れとともに、そろそろ気づいてほしいね。


ちなみに「めちゃイケ」は過去に様々な問題を起こしながらも
長年続いているフジテレビのドル箱番組で
昨年に10周年を迎えた。
このまま、土曜20時枠の長者番組となるのだろうか。
「土曜20時と言えば!」の番組の放送期間を確認してみた。

2年8ヶ月「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」(1990年10月〜1993年6月)
3年6ヶ月「マジカル頭脳パワー!」(1990年10月〜1994年3月→枠移動)
6年2ヶ月「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」(1986年1月〜1992年3月)
8年5ヶ月「オレたちひょうきん族」(1981年5月〜1989年10月)
10年2ヶ月「めちゃめちゃイケてるッ!」(1996年10月〜)
16年   「8時だョ! 全員集合」(1969年10月〜1985年9月)

「8時だョ!全員集合」の偉大さを再認識する一方で、
あと5年10ヶ月で、その「8時だョ!全員集合」を抜くところまできている
「めちゃイケ」の強さにも偉大さを感じる。
とはいっても、抜くのは2012年の10月。
果たして今回の件でフジテレビはどのような措置をとるのか、
その記録を超えられるのか注目していきたいものだ。

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