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2007年01月09日(火)
昨夜のブログの続きのようになるが、 数々の歴史的建造物が取り壊されている東京だが、 日本の道路の原点にもなっている「日本橋」について 昨年末に、とても気になる記事を見つけた。 それは「屋根なし日本橋」が映画で実現されるという。
昨年度の映画コンクールなど映画賞を席巻した 「ALWAYS 三丁目の夕日」の続編になる 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」の製作が決定し、 昭和33年(1958年)の1年間を描いた前作から 4ヶ月後の昭和34年が舞台となるという。 1作目では建設途中の東京タワーが象徴的に登場したが、 今回は東京の日本橋をコンセプトのメインに据えるという。
日本橋の上には東京オリンピックに併せて1963年に首都高が建設され、 現在は見通しの悪い状態で度々問題になっている。 2001年に当時の扇千景国土交通相が景観の再生を提言し、 石原慎太郎都知事も2016年の五輪誘致に備えて首都高の移設を唱えた。 一昨年12月には小泉首相(当時)が具体的な検討を指示し、 有識者が議論を重ねている最中である。 「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のエグゼクティブ・プロデューサーは 「今話題になっている高速道路のない日本橋を、先に映像で 見せてしまおうという気持ちがあった」と説明。 監督も「当時の日本橋の写真を見たらすごくきれいだった。 空が広い日本橋を再現したい」と意欲満々。
昭和34年は天皇皇后両陛下がご成婚し、東京五輪の開催が決定した年だ。 劇中では前年に米国から完全に返還された羽田空港や、 開通したばかりの東海道本線電車特急「こだま」なども CG技術を駆使して描かれるという。ちなみに今年11月の公開だそうだ。
だけど、日本橋について政府が率先して動いているように思えるが、 石原都知事は今年1月の会見では、首相の高架移転案に対し、 「つまらん金をかけるより橋そのものを他所の川にでも移した方がいい」と 発言していた。
橋は自然?高速道路は不自然? 実際、自分も「高速道路移転」には反対かな。 そもそも橋って、人間が都合で作った「人工物」である。 「高速道路」も「今の日本橋」も、架かってるのが 横か縦かの違いと上か下かの違いだけで、 どっちも車が排気ガスを撒き散らしている「ただの橋」だ。 日本橋の歴史を調べたら、今まで19回も焼けた末に、 明治末期に今の橋が架けられ、その上をずっと都電が走っていたわけで、 今も他の道路同様に、白いペンキで線が醜く引かれた あの「情緒溢れる江戸時代の日本橋」とは程遠い姿だ。 それに…そもそも「日本橋川」だって「人工の運河」なのだ。
「日本橋川に空を取り戻す」と言うのなら、 「日本橋」や「日本橋川」という人工物も撤去したほうが美しいし、 自然なんじゃないの?と思ってしまった。 そして日本中の「醜い車道」は全部地下に埋めちゃえばいいって話になる。 そんなことは絶対に無理な話だけど。
高速道路が架かってないほうが美しいという「気分」は確かに理解出来る。 でも、それは1963年に高速道路を作った当時の人々の失策を認めるということ。 ならば、このような失策を繰り返さないよう、高速道路が老朽化するまで 見届けるのが、その「醜い高速道路」を作った時代の人間の 果たすべき責任なのではないだろうか。 「作ったけど失敗でした。はい壊しましょう」では無責任すぎる。 というか、その高速作った当時、小泉前首相の父親も、 自民党の中枢に居たはずだけどね。
その一方で「違法駐車対策(スムーズ東京21の一環)」という人間の都合で、 交差点を血色に塗って景観を激しく損ねていることは誰も指摘しないのが不思議だ。 交差点周辺の道路を、まるで血の色のように醜い色で塗って 景観を損ねている場所が多すぎる。 日本橋の景観のことを言うなら、これに関しても指摘してもいいんじゃないのかな。
日本橋に空が戻ったという「経済効果」にしたって、 本来、銀座やディズニーランドで落とすはずだった金が、 一時的に日本橋に落ちるようになるだけの話。 表面づらだけ綺麗にした「ハリボテ日本橋」なんて、 今の日本政府にはお似合いだけどねヾ(^-^;) そんなに東京にシンボルを作りたいだけなら、 「江戸城」でも再建したほうが派手で良いんじゃないの?
だいたい、隅田川の両岸は遊歩道になってるし、 神田川は屋根の無い日本橋川状態だけど、 川自体が人を惹きつけてるようには見えない。 総予算5000億円(予定)かけてノスタルジックな感傷で 「なんちゃって江戸村」を作るくらいなら、 今消されようとしている「本物の歴史的建造物」を 大事に残したほうがいいんじゃないのかな。
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