Web Masterの日記



自分が嫌いな子供たち

2006年05月23日(火)

「麻布台学校教育研究所」が実施した「今子供たちの心の中では」と
題した小中学生の意識調査の結果が昨年に発表されていたが、
その中でも注目なのが
中学生の半数以上が「自分が好きではない」ととらえ、
小中学生の七割近くが疲労感を感じ、
さらに五割近くが「自分はいつかキレるかもしれない」
と感じていること。

「自分が好きではない」と解答
小学生男子23% 同女子31%
中学生男子50% 同女子63%

「疲れる」と解答
小学生男子67% 同女子70%
中学生男子66% 同女子87%

「自分はいつかキレてしまうかも」と解答
小学生男子50% 同女子54%
中学生男子36% 同女子54%

女子小学生で「疲れる」と「キレるかも」と答えた児童の内
「とても疲れる」と答えた子供の70%が「キレるかも」と解答。

自己肯定感と、その他の回答との関係では
小中学生共通して、自分を肯定的にとらえている子供ほど
そうでない子供に比べ「目標を持っている」
「自分には良いところがある」「自分はクラスの中で役に立っている」
「家庭内で助け合っている」などの質問への回答が高い傾向だそうだ。

考察をある一定の方向へ誘導するのが最近の報道の姿勢なので、
鵜呑みにするつもりはないが、あながち全くの情報操作でもない気がする。
この発表があってから気になっていろいろと考えていたが、
確かに、最近の子供達は疲れる生活だと思う。
週休2日制が導入され「ゆとり教育」という話だが、
実際は土曜日も休みのために、短時間での積め込み作業的な
授業が行われている現状。
休みになった土曜には当然、塾通い。
これのどこが「ゆとり」なのかと首を傾げてしまう。
かと言って、教師や学校を糾弾したところで、
それらも結局は御上の指令に忠実なだけなので無意味。

また家庭では住宅ローンを抱えた共働きの親が多いので、
家族全員で過ごす時間が昔より極端に減少している。
とはいえ、今の時代は親にしてみれば生活・学費・住居費などのために
必死なので子供との時間までもが惜しいという。
子供を老後の保険替りと考える親が少なくなって来ているこの時代、
年金も当てにならないので老後資金のためにも本当に必死で働いているのかも。
子供の孤食、家族との関わりの希薄化を問題視されていても
どうにも出来ないのが今の日本の現状なのだろう。

他者との関わりによって、自分の存在価値や
自己評価が下されていくのだと思う。
しかし、他者との関係が希薄化している現在、
それが難しくなっているのではないだろうか。

自分には子供がいないので、はっきりと分からないが
親が子に対して叱る時、主眼においているのは何なのだろう。
どこまでが子供の将来を懸念しての叱責なのか、
どこからが子供の言動によって被る
「親としての責を負うこと」に対する倦怠感なのか…。

叱る項目は目に付きやすく、頑張った部分をおざなりに褒める程度。
これでは、いくら子供とはいえ自己評価も自尊感情もあったものではないだろう。
これではストレスも溜まり、キレやすくなってしまうだろう。
かと言って、古き良き時代に戻ることは不可能。
今さら学校教育を昔に戻せとか、教師の資質を昔のレベルに戻せ、
なんて、そんな要望は罷り通らない。
今できることといえば、せめて親だけは
家庭で忙しい手をほんの10分だけでも止めて、子供の目を見て
話に全神経を注いで頷くことが一番大事なのかもしれない。
そんな普通のことが普通にできない世の中だからこそ
感受性の豊かな子供たちはストレスを溜め、キレてしまうのかもしれない。
この意識調査の結果は、すべて親の責任ではないだろうか。

子を持つ親からしてみれば「子供を育てたこともないのに何が分かるんだ」と
怒られてしまいそうだが、逆に子供のいない自分だからこそ
客観的に見て、そう強く感じてしまったのは確かである。

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