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2003年09月10日(水)
さて、さくら組とおとめ組である。 一般世間的には5期メンバー加入あたりから以降は 具体的かつ明確に何が起きているか把握されていないだろう 複雑怪奇・支離滅裂な細胞分裂と進化と改革を経て産み落とされた、 波乱万丈のモーニング娘。史の中でも闇雲な本体の無謀にも思える分割企画。 ただでさえ、度重なるモーニング娘。&ハロプロの拡散と水増しが 浮動支持層離れはおろか、コアファンの食傷を招いてもおかしくない 中、低迷が囁かれるとはいえモーニング娘。本体を割ってまで 話題性と一過性のインパクトを安易に提供していいのか 心配にすらなってしまうわけで…。 さくら・おとめに限らず、話題性と刺激の維持が 優先されてるんではないかと感じるのは、 最近のUFAの、こうした企画・プロジェクトが全て空手形のように 前倒しで発表されていて、未来のある時点までの興味・関心を なんとか惹きつけておこうという意図がもろ分かってしまうため。 保田圭卒業発表の時から顕著になったこうした企画アナウンスと 実際の企画実施のタイムラグは、ビジネス戦略としては無論ありなのだが ファン視点からすると「何かぶちあげておけ」という場当たり的かつ 適当に思える姿勢が邪推できてしまいそうなのが微妙。 言うまでもなく強引なほどの「破壊無くして創造無し」の姿勢のおかげで アイドルとしては驚異の耐久年数を誇っているのがUFAアイドルの 特徴だけど、その副作用として上記のような乱発傾向がある諸施策に対する 倦怠感・感覚麻痺があって危険。というのも、肝心の音楽とそれを構成する 魅力に辿り着く前に色々なフィルターを通すことで正確に伝わらない、 感じれない可能性もある。 とりわけ音楽的に肥大化し、お約束事が増えてきて 冒険が少なくなってきたモーニング娘。本体の本来のダイナミズムを 復古させる千載一隅の機会とも言えるモーニング娘。分割ユニットには 曇りのない観点が欲しかったりする。 というわけで、問題のさくら組・おとめ組のシングル曲を どちらもネット流失した音源で試聴した。 かく言う自分も、当初は、この分割ユニットをコップの中の嵐の 典型的なプロジェクトだなと感じて、実際、「モーニング娘。分割」という リスクを張ったものにしては 通常シャッフルユニットとの違いが見受けられない 予定調和に終始しているジャケット写真を見ただけで 半分はわかった気になってしまっていた。
ところが半信半疑で聴いた肝心の曲が良かった。 両方とも爆発的に売れる曲ではないかもしれないけども、 ユニット別に音楽性が明確に差別化され焦点が絞られてる分、研ぎ澄まされた。 さくら組の「晴れ 雨 のち スキ」は、 何の飛び道具もない真っ向勝負のバラード。 「LOVEマシーン」以降のモーニング娘。本体にはなかなか無かったタイプの潔さ。 何よりも初期モーニング娘。を彷彿とさせるハーモニーが聴けた。 途中で無闇にアップテンポになることもなく ピアノ音ベースのシンプルな構成も心地よく響く。 変なカケ声も一切なくメンバーが交互にパートを丁寧に唄で紡ぎ、 ジックリ聴かせてくるものになっていて、それだけでも○。 中でも、矢口、加護、高橋のファルセットボイスが印象的。 「IWISH」や「でっかい宇宙に愛がある」や「卒業旅行」は 最終的にはポップスに昇華されたけど「晴れ 雨 のち スキ」は 正真正銘の叙情的なバラードになっている。 この地に足のついた感じは確かに懐かしいモーニング娘。節の匂いだ。
おとめ組の「愛の園〜Touch My Heart!」は、 冒頭のフェイザー処理されたギターが渋くていきなり惹き込まれる。 ワンクッションおいて怒涛のスラップベースが炸裂する 哀愁レトロディスコ調ファンキーグルーヴが疾走しだす。 個人的な嗜好もあるだろうけどモーニング娘。本体の曲でも 違和感の無い黄金のダンス☆マンサウンドの系譜にある曲で大好きだ。 正統ディスコ調にソウルフルでパワフルなバックコーラスと 跳ねまくるベースに乗る勇ましくも切ない唄メロが心地よい。 藤本のパンチのある声がまたしても印象に残り、 小川&辻も捨て難い存在感を放つ。 しかし何と言っても短いフレーズに込められた迫力が凄かった飯田が 強烈に耳に残った。 確かに音楽的には「恋愛レヴォリューション21」で 完成形に至ったモーニング娘。の黄金定番サウンドの延長上で 革新性は無いかもしれないけど、 これはこれで水戸黄門の印籠のように効くかもしれない。
両曲に共通しているのは、小細工が少なく、 つんく♂特有の臭みが薄いということ。 具体的には、スクラッチとかSE音とか「ア、イェ〜!」等の つんく♂印の飛び道具音が聴こえてこない。 今までも曲は良いのに、こうした過剰なアレンジで 魅力を半減させられた例は枚挙に暇がないけど、 今回はそれは回避されたようで安心。 楽曲とアレンジに不足は無いので、残る課題は どのようにプレゼンテーションをするか。 残念ながらジャケットから判断する限り、さくら組・おとめ組共に、 例によって音楽性をカモフラージュしてしまいかねない コテコテな衣装であるみたいなので、 見た目の色物感は拭えない恐れがある。 イメージとコンセプトのミスリーディングで埋没してしまうのは惜しい。 対世間的な部分ではここを解決しないことにはどうしようもないだろう。 そして一番大事なのが音楽性を考慮した上での モーニング娘。分割ユニットの意義。 現時点では、それぞれさくら組がモーニング娘。ブレイク前、 おとめ組がモーニング娘。ブレイク後の魅力と雰囲気を わかり易く忠実に再現することに成功していて、 結果としてアリではないかと思う。 肥大化して音楽性すら散漫になってしまったモーニング娘。を もう一度再構築できるかも。 それには今後のさくら組・おとめ組の音楽性に 今回振り分けられた個性と色が継続して反映される必要がある。 話題先行の典型で企画倒れが懸念されそうな、さくら&おとめだったけど 思ったよりも音楽性が優れているので楽しみになってきた。 明日はプロモーションビデオを観ての感想でも書こうかな。
体調…一進一退。(^_^;)
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