亮輔は小さい頃からお兄ちゃんお姉ちゃんに優しくされていた。
幼稚園の頃亮輔はとても泣き虫だった。
入園式では最初から最後まで泣きとおしだったし、通園が始ってからは1週間以上ずっと毎日毎日 朝の通園バスで泣きじゃくっていた。
そんなときいつも同じマンションから通う2つ上のお兄ちゃんお姉ちゃんたちが優しく手を引いて くれた。
幼稚園でもマンションでも、いつもそのお兄ちゃんお姉ちゃんたちに囲まれていた。
その頃亮輔はお腹が弱く
体調が悪くなるとすぐにお腹にきてしまって。 トイレに間に合わないこともよくあった。 ある日通園バスの中で不覚にもうんちをちびってしまい・・・ かなり匂っていたと思う(^-^;
けれど隣に座っていたお姉ちゃんは優しくしてくれて。 幼稚園に着くと先生のところまで連れてって くれた。
そしてその頃亮輔は車酔いもひどかった
通園バスはあちこち周って行くものだから、幼稚園にもなかなかたどり着かなくて 気持ちが悪くなることもよくあって。
ある日通園バスの中でゲボッ!と吐いてしまったらしい。
それが隣に座っていたまた別のお姉ちゃんの制服にかかり・・・
それでもお姉ちゃんは騒ぎもせず、幼稚園に着くとやっぱり先生のところまで連れてってくれた。
小学校にあがると集団登校が始った。
2月の末生まれの上に特別小さな亮輔はランドセルがでっかく見えた。
通学路はなかなか険しく坂あり階段ありの1年生には酷な道のり。
頑張ってついてく亮輔を見かねて、班長さんがランドセルを持ってくれた。
そうやって亮輔は幼少期を過ごしてきたのだ。
だからきっと、亮輔自身小さな子たちに優しくできるのだと思う。
そういえば、亮輔が1年生になってすぐに仲良しになって。 それから数年とてもとても可愛がって くれたお兄ちゃんがいる。
彼はなぜか亮輔のことを気に入って、毎日教室まで遊びにきてくれた。
当時外遊びが苦手でお絵描きばかりしていた亮輔の隣に座り、一緒に絵を描いたりお話したり。
真っ黒に日焼けした彼は本当はとても活発で少しやんちゃで・・・
なのに、なぜかいつも大人しい亮輔に付きあって静かに相手をしてくれていた。
毎日亮輔のもとに現れるこの少年を当時の担任の先生は 「 亮輔くんのお兄ちゃん 」 と勘違い したほどだった。
少年の名前は 藤○くん。 明日は彼のお話です。
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