川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
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2005年05月10日(火) 舞台は生ものだなと。

 今日も今日とて、歌舞伎座通い。
 朝のワイドショーでは、獅童&結子の「結婚を前提にしたお付き合い宣言」について報じられてた。
 ふ〜む。

 今日は昼夜二等席で通し。
 一階の後方は二等席になっているのだが、
 ここがなかなか居心地がよい席で、
 特に今月のような両花道(普段の花道の他に仮花道の設置される)で、
 昼の部の芝居前のように、そこをフルに使って、長時間台詞が交わされるような場合、
 へたな一等席(花道外のドブとか)よりは、全体が見渡せて、かなり良いと思われる。

 車引。
 こうして地上に降りてきて見てみると、
 三階よりも迫力があって、違って見える。
 勘太郎の力一杯が、変わらず清々しい。
 勘太郎七之助兄弟が並んで、台詞がハモったり、極まったりすると、
 幼い頃の密着映像が脳内によみがえり、微笑ましい。
 海老蔵は、先月よりもさらに顔がでかくなった気がするんだが・・・。
 拵えのせいならよいが・・・。
 醍醐寺ではきりりとしてたから大丈夫か。
 それにしても、どーしてこう目線がキョロキョロする癖がなおらないのか。
 勘太郎を見てご覧、あんなに目を寄せたまま、微動だにしないじゃないか。
 とかブツブツ心の中で思いつつ、それでも舞台にみなぎる若々しさを堪能。

 友達の分のチケットを幕間に受付に預けに行くと、
 何やら外が凄いことになってる。
 テレビでお馴染みのレポーターが何人も。
 カメラもいっぱい。
 獅童囲み取材でもあるのだろうか?
 チケット手続きをしていると、ゾロゾロ報道陣が劇場内へ。
 そして、そんなとこに扉があったんだ〜と知らなかった入り口から、
 奥へ消えていった。
 
 いよいよ「芝居前」。
 初日は声のみ聞いて、雰囲気を楽しんだが、
 今日はその全貌が明らかに!
 いや〜豪華ごうか。
 眼福至極。
 ずら〜りと両方の花道に居並ぶ、男伊達姿のみなさんと、女伊達姿の姐さんを見てると、
 わ〜っとアドレナリンが噴出して、
 基礎代謝があがりそうな、心地よい高揚感。
 東桟敷で見たという友人が話してくれたことには、
 「すぐ目の前は女形の後姿だったけど、
  その隙間から本花道のメンズが見えて不思議な眺めだった。
  玉三郎さんと菊ちゃん
  この二人は何故にひときわ若々しく瑞々しく見えるんだろう?と思ってたんだけど、
  ケツが若い!ということに気が付いたよ。」
 とのこと。
 思わず、菊ちゃんのケツに目がいってしまう私。
 (いや、中央を向いているのでケツは見えないんだけどもさ)
 それにしても、こうして同じ衣装で同じ姿勢でズラーリと並ばれると、
 各々の役者さんの、オーラも個性も持ち味も、かなりクッキリする気がする。
 そして海老蔵の男伊達姿は、やっぱり一際きれいだなあと思うのだった。

 髪結新三。
 勘三郎新三が、ワルの表情が冴えていい感じに思えた。
 初日は、いい人っぽさや愛嬌みたいなのが抜けきらず、
 江戸のワルの匂いがうすい?と思ったのだったが、
 今日は、ぴりっとして見えた。

 さて、夜の部。
 義経千本桜。

 これが、とーっても良かった!
 初日の菊五郎さんは、ちょっと動きもにぶい感じで、う〜んと思ったところもあったが、
 今日はずっとキレがあった。
 そしてやはり哀れみを誘う狐ぶり。
 海老菊の義経・静が、またいい!
 今までの「四の切」の義経・静って、私が未熟すぎたせいもあるのだろうけど、
 お飾りっぽい、いるだけの役みたいな印象でしかなくて、
 だから出ないと思ってた五月も海老蔵が出ると知り、
 え〜義経なんてやるなら出ないでくれれば、お財布が助かるのに〜と思ったのだったが、
 それは撤回します。あやまります。
 2人の義経・静は、情も深くて、悲哀もふくみ、
 これまでの物語をしっかり感じさせてくれて、
 そして2人の間の空気がまた素敵。
 美しい舞台で、哀れみ深い物語で、格調高くて、まさに歌舞伎そのもの。
 ああ〜、いい歌舞伎を観たな〜と満足な気持ちで満たされる。

 鷺娘。
 今日もやっぱり素敵!の一言。
 孤高のプリマドンナみたいだったよ玉さん。
 すごい世界だわ。
 真っ白な純白の花嫁衣装から、真っ赤な町娘の衣装への引き抜き。
 こんな鮮やかな引き抜きを、見たことなかった。
 ギリギリまで、ま〜っしろのまま、チラリとも紅をみせることもなく、
 ささっと本当に一瞬で赤に変わるわけですよ。
 素晴らしいっす。
 後見の守若さん玉雪さんが、また無駄のない動きで美しいのよ。
 玉さんの気持ちが、舞台の隅々までいっぱいに行き届いてるという感じ。
 (先月の勘三郎の道成寺では、何度見ても、引き抜きの次の衣装の振り袖が丸出しで、
  毎回ああ〜勿体ないと思ったことだったよ。
  あの道成寺、私は好きだったけど、やっぱりこういうところ、
  比べてみてしまうよね)
 初日に見たとき、こういう人の贔屓になったら大変だろうなあ〜と思ったけれども、
 今日ふと、私、もしかして踊りがこんなに好き?みたいなプチ発見をし、
 来月は玉さん、京都で舞踊公演だったわ・・・などと考えている自分に気が付き、
 いや〜やめてやめて!そっちの道は行ってはいけない!
 玉道は、高く険しいのよ、ダメダメ駄目〜!とオノレを引き留めた次第。

 研辰の討たれ。
 こうして一階で観ていて、
 クスリとも笑わないお嬢さん(苦々しく思ってる派)やら、
 はじめて野田版研辰体験かと思われる、びっくりおばさまや、
 あらゆる場面で笑わすにはいられない「アルタの客」みたいな、笑わしてくれモードの人や、
 そういう色々な思いが、どちらにしても熱く満ちてるのが感じられる。
 舞台がとてもこなれてきて、
 初日には無かった雰囲気を醸し出してるし、
 いつしか「これは歌舞伎か?」とか、
 「そのお笑いネタはどうよ?」とか、
 贔屓とか、アンチとか、そういうことが頭から消え去って、
 とても引きこまれて観ていた。
 そして、やっぱり舞台っていいなあ〜と思うわけで。
 可笑しさだけじゃなく、切なかったり輝いてたり、
 色々な溢れてるもの目一杯、楽しめた。
 幕切れの美しい紅葉の場面、好きだな。
 胡弓、さらには琴と尺八も加わって奏でられるきれいな旋律は、
 カヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲なのだそうだ。

 そんなこんなで、淀川さん風味で「いや〜舞台ってほんっとにいいですね」といった気持ち。
 そうそう、研辰で勘三郎の独白シーン、
 「くそー結婚する奴もいるのにー」とか言っていて、
 おや?結婚前提にお付き合いじゃなかったのか?本決まり?と思ったのだが、
 帰ってヤフーのトピックスで、結子さん妊娠を公表と知り、
 あの報道陣の成果(?)を知る。
 カーテンコールでは、獅童の手を引いて中央へ。
 拍手が大きくなってた。おめでとう。

 あとは、西桟敷二番のボックスにデヴィ夫人。
 レースの付いた帽子とスーツ姿。
 傍らには異国の年下の恋人が。
 この2人一際目をひいてた。

 そうそう、初日にロビーでニザさんのお孫ちん、「まーくん」を見かけた。
 相変わらずの可愛い笑顔で、
 ほっぺたとかツネツネしたくなる感じ。
 うふふ。
 髪を切って、ちょっと男の子っぽくなってた。


 






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