川底を流れる小石のように。  〜番外編〜  海老蔵への道!
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2005年05月03日(火) いや〜観た見た。皐月カンザブ祭り初日。

 ヘンな時間に長目の昼寝をしたせいか、なかなか眠れず。
 空が白みかけた頃に、ようやく。
 GWに浮かれて、あっという間に夜型になっちゃったからなあ。

 今日は勘三郎襲名五月大歌舞伎の初日。
 昼夜とも三階から、初日の雰囲気を楽しむつもり。

 朝一番の演目は、「車引」
 勘太郎・七之助・海老蔵が三つ子の兄弟で、
 だけども仕える主が違うので、敵と味方にわかれて・・・みたいなお話。
 勘太郎の梅王丸は、目一杯力んで懸命に勤めてます!という感じは好感が持てたが、
 こういう赤い隈取りいっぱい元気いっぱい、力いっぱいな役だと、
 細すぎて軽さが目立って、
 力んだ自分の力で、吹っ飛んでしまいそうだった。
 七之助の桜丸は、見た目はいい感じだったけど、
 もう一つ物足りない。
 でも、兄弟こうしてキリリと並んでる姿は、やっぱりいいなあ。
 海老蔵の松王丸は、得意分野という感じで、大きくて強そうだったけど、
 なんかぎろぎろしすぎて、梅・桜とはバランスが難しかったか。
 でも、二本キッチリ描かれた赤い隈取り、似合ってた。
 大活躍の子役で、私ですら名前を知ってる清水大希君(10歳)が
 今月から中村屋さんの部屋子になって、中村鶴松としての舞台。
 杉王丸が、きびきびしていてよかった。
 部屋子というのは、師匠と同じ楽屋で鏡台を並べて修業するらしく、
 可愛がってもらえよ〜、
 良い役者さんになってくれよ〜と思う。

 三津五郎さんの芋掘り長者。
 こういうの楽しくて好き。
 お姫様@亀治郎も、可愛かったな。
 おっとりぼーっとしてて、踊りが好きなお姫様が、似合ってた。

 いよいよ「芝居前」。
 はじまる前からワクワクしてる。
 今月は口上がないかわりに、この芝居前という出し物で、オールスター勢揃い。
 座元の勘三郎の小屋へ、大勢の男伊達&女伊達姿の役者さんがやってくる。
 しかも両花道をフルに使って、ずら〜り。
 左の本花道が菊五郎さんを筆頭に男伊達。
 右の仮花道に玉三郎さんを筆頭に女伊達。
 で、でも〜。
 これって三階からだと本当に何にも見えない。
 私は最前列だったので、玉さん菊五郎さん、は大丈夫だったけど、
 五番目か六番目くらいに並んでる、海老蔵と菊ちゃんは、
 一瞬だけ身を乗り出すと、ちらっと見える程度。
 声だけ聞いて、あ、誰それさんだねーとか言いあって、
 それでも豪華で華やかで、ウキウキする演目だった。
 この場で中村鶴松くんもお披露目。
 勘太郎七之助と並んで、堂々としてきっちりしてて、たいしたもんだ。
 ようやく本舞台に全員ゾロゾロ集合するものの、それはホンの一時で、
 ご贔屓さんがいる場合は、
 あ、あ、ようやく見られた〜!きれい〜とか言ってる間に、
 どんどん奥の芝居小屋へ入ってしまうのだった。チョン!

 髪結い新三って、こういう話だったのか。
 三津五郎さんと勘三郎の掛け合いも小気味よく、楽しめた。
 染五郎や菊ちゃんも、もうちょっとこなれてくると、
 全体にもっといい感じになりそうだ。
 勘三郎が髪を結う場面はさすが。
 こういうの本当にいいよなあ。

 そんなわけで、みっちり楽しんだ昼の部終了。
 夜の部へ。


 義経千本桜から。
 海老蔵は義経。菊ちゃんは静御前。
 2人がこうして並ぶのは1月以来なので、
 なんかそれを見ただけで、嬉しくなってしまう。
 光の君と朧月夜、助六と揚巻、与三郎とお富、
 半九郎とおそめ、六助とお園、一年で、こんなに色々とペアを組んできたのだ。
 三ヶ月も2人のペアが見られないと、寂しいもんだよ。
 狐忠信は、過去に勘九郎さんのと猿之助さんのを見てる。
 なので菊五郎さんの忠信は、ちょっと動きがゆっくりとして、
 ケレン味は少な目。
 でもその分、親狐への愛情はじっくり感じられたかな。

 この幕間に、若い女の子が
 「じゃあ獅童の忠信はなんだったんだろうね〜。
  なんか全然別の芝居かと思っちゃった」と言いあっていて、
 どこがどう違ったのか、聞いてみて〜よ、と思った。

 「鷺娘」
 うわ〜〜〜!凄い。
 なんかもう、玉三郎さんのストイックで真摯に美を追究してる姿が
 そのまんま鷺の姿に形をかえて現れたというか、
 引きこまれて、固まってしまう。
 海老蔵の贔屓もしんどいけど、
 玉さんみたいな人を好きになると、それも大変そうだなあ〜などと思ってみる。
 二階の照明室(?)からは、勘三郎も食い入るように見てた。
 (それはそれで、気になってしまうが)

 「野田版 研辰の討たれ」
 私は初研辰だったので、どんなんだろう?こんなかな?あんなかな?とは思ってた。
 だけど、思っていた以上にそれは野田版で、
 いやはや、よくこれを歌舞伎座でやったなあ〜と驚くし、
 それをまた、こうして襲名演目に選ぶのも凄いことだと思った。
 野田っぽい台詞満載で、舞台装置もモダンで、衣装も奇抜。
 お芝居としては面白かったけど、歌舞伎かな?と考えるとわからない。
 鷺娘で帰っちゃった人も、やっぱりいたし。

 でも、染五郎や勘太郎、獅童や七之助は、
 生き生きと楽しそうに見えたなあ。
 例えば、朝一の梅王丸の勘太郎を見ても、ふ〜んと思う女の子が、
 研辰の才次郎の勘太郎を見たら、きゃ〜かっこいい!とおもうであろう感じ。

 以下ネタバレだが、
 七之助は映画ヤジさんキタさんの金髪姿で、一瞬登場してた。
 勘三郎のアドリブっぽい暴露(?)話で、
 染五郎は「こんなちっちゃい頃、誰に教わってるの?って聞いたら、
 おばあちゃまに〜とか答えてたくせに〜」とからかわれ、
 勘太郎は「震度3の地震でも彼女に大丈夫?とか電話するくせに」と
 いじめられ、
 2人とも焦ってた。うはは。
 最後は幕が閉まっても場内の電気は点かず。
 幕が開いて、メインキャスト再登場。
 野田さんも、舞台に呼ばれて、挨拶。
 拍手、というかんじ。


 以上ざっとおおまかに。
 あとはこれが、日にちを重ねてどんな風になってゆくのか、
 また、席が一階で観ると、どう違うのか、
 そのあたりが、楽しみ。


 






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