なべて世はこともなし
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2008年01月23日(水) ある朝、目覚めると床が水浸しだったというお話

土曜日の朝。


この日は土曜出勤もなく、お休み。なのに、どうやら風邪をひいたらしく、やたらと重い体を起こしたのが午前8時過ぎ。昨夜床に放り投げた服を拾い上げると…濡れている。


はい?


Snigelアホな32歳ながらも、お漏らしはしません。まして、上着には。昨夜の記憶だってしっかりある。別に出かけたわけでもなければ、家で乱痴気騒ぎをした覚えもない。つまり、服が濡れる要素などないのだ。


で、裸足のまま足を進めると…床が、濡れている





この写真じゃよくわからないだろうけど、写真の上半分右から左方向にかけて川ができている。上半分のカーペットはびしょびしょ


風邪でいまいち働いていない脳ミソをフル稼働。何が起こったか知らないが、こりゃ大変な事態に違いない。


まず、私が疑ったことは、数日前に開けた水道の元栓。あれを開けすぎたので、水道管に必要以上の圧力がかかり、床下の水道管が破裂したのではないかと疑ったわけ。それで、床下を這っていると思った水道管に沿って川ができているのではないかと。慌てて、ドライバー持参で元栓を閉める。


しかし、考えてみると、いくらアイルランドでも、水道の元栓を開いただけで、水道が破裂するとは考えられない。一体全体何が起きたんだ?


全く状況がつかめないまま、ボイラー室を確認。うわっ。絶句。





ボイラー室水浸し。


再び写真でいまいち深刻さが伝わらないのがもどかしいけど、ボイラー室のカーペットは完全に水没。慌てて、物置代わりにしていた(するなよ)ボイラー室内部の物を外に避難させる。箱に詰めてあった本二箱は水没。その他カバンも水没。何だか知らんが被害甚大。どうやら、ボイラー室からあふれた水が壁の下を通じて自分の寝室の床に伝ったらしい(それもおかしな話だが)。


私がまず案じたことは、階下への水漏れ。階下に水漏れしたとなると、誰が払うかは知らんが莫大な賠償金を請求されるぞ。ほら、海外のホテルで風呂の水を出しっぱなしにして水浸しにして莫大な額を請求されたとか、いかにも聞いたことがありそうな話でしょ?というわけで、まず、アパートのセキュリティに連絡。


警備:「ああ?水漏れ?そりゃ大家に言うんだね」


…言っていることはもっともだが、こっちは階下への浸水を心配してるんだ。ともあれ、ケンカしてる暇はないのでここはおとなしく退却。ついで、大家がわりの管理会社の担当者に連絡。


担当者:「ただいま、電話に出ることができません。ピーっという音の後に…」


留守電かよ。そりゃそうだ。どこの莫迦が土曜日の朝の8時過ぎから仕事をしてるもんか。


次いで、最後の望みは、数日前に来てくれた水道業者。彼がなにかしでかした可能性だって捨てきれないわけ。が、電話、出やしねえ。そりゃそうだ。私だったら土曜日の朝の8時過ぎにかかってくる電話なんて無視するわ。


かくして、当然の帰結と言えばそうだけど、土曜日の朝に緊急事態に対処してくれる人は誰もいない。


荷物をどけた後でボイラー室の確認。水漏れの原因が分かった。





写真中央の管から水漏れしてる。管と管との間に隙間があり、そこから間欠泉のように5秒おきくらいに水が勢いよく流れてきてる。結果、壁のペンキははがれ、なんだか情けないことになっている。


この管。入居してからずっと変だ変だと思っていた。なぜだか知らんが、ちょろちょろ程度ながら、ずっと水が流れ続けているのだ。これって資源の無駄だなあと思い続けていたものの、そういうもんなんだろうと思って放置。が、例の水道業者が何かしたのか、そこに多量の水が流れるようになって、ここから水が溢れるようになったわけ。


そうはわかったものの、対処のしようがない。開き直った私は…


私:「朝飯だ!朝飯!」


というわけで、かわいそうに土曜日の朝にこの騒動でたたき起こされたうちの住人全員(と言っても私を入れて3人ですが)で朝食。ちなみに、私は朝ご飯など食べない人です(それが良くないということは重々承知してますが)。少なくとも、私のやるべきことはやった。あとは知らん!


朝ごはんを食べながら、いろいろ考える。そもそも、上水道の元栓を閉めたって、ボイラー室に来ている水は中水道だから関係がなかった気がする。だとすれば、一体全体なにゆえ水道業者が来て水が溢れたんだ?さらに、いつも水がちょろちょろ流れていたというのはおかしい気がする。


午前10時半。ケータイが鳴る。


私:「もしもしー」
相手:「あんた誰?」



どーゆーシツレーなやつなんだ?お前が電話をかけてきたんだろ?が、よくよく聞いてみると、例の水道業者。半睡眠状態のまま、逃した電話にかけなおしてきてくれたらしい。あとで様子を見に来てくれるとのこと。


かくして昼過ぎに妖怪半ケツオヤジはやってきた。…おっと、妖怪半ケツオヤジとか言ってはいけない。土曜日に来てくれたんだから。妖怪半ケツオヤジ改め水道業者様はボイラー室を見て…


水道業者:「この部品が壊れてて水が止まらなくなってたんだね。ほら」





と言って見せてくれた写真がこれ。なんとまあ、このタンクの上にはただフタがしてあっただけ。で、その蓋を開けるとこうなっている。なんのこたーない、トイレのタンクと一緒の構造。つまり、タンクに水がたまると、浮きが上がって水が止まる仕組み。


なのに、この浮きの一部分が壊れていて、水が止まらなくなっていたらしいのだ。で、そこに、例の水道業者が中水道の元栓に触ったらしく、避難路として用意されていた管に今までちょろちょろと溢れていた水が勢いよく流れるようになりあふれ出したというのが真相らしい。本題から外れるけど、このタンク、以前の日記で考察したように全部お湯じゃなかったんだ。


もう少し問題を整理すると、問題点は3つあると思われる。


(1) 水道業者が元栓を開いた。これって、問題のようで問題じゃない。だって、水道の栓を開いたってタンクからフツー水はあふれないだろ。


(2) タンクの浮きが壊れていた。これが本質的な問題。常時水が溢れていたことに私は気がつくべきだった。…とはいえ、私に責任はないけどね。


(3) オーバーフローした水が漏れ出るようにになっていた構造。



先ほどの写真にみられるように、管と管の間に隙間があり、そこから水が溢れてきてたわけ。そんなのシロートにだってわかるよ。こんなとこに隙間があればそりゃ水も漏れるさ。こーゆーのを構造欠陥と言います。このアパート、見かけは悪くないけど、もしかすると裏ではこんな手抜きばかりなのかもしれない。


水道業者は、交換した部品を含め、125ユーロを請求。そのほとんどが部品代だったからやっぱり安くついたといえる。で、交換した部品を見せてもらったのだが…





おいこれ、ホントに2年前は新品だったのか?


このアパートはまだ築浅と言ってよく、建ててから2年は経っていない。なのに、2年で金属がこんなに劣化するかね?意地悪な見方をすると、どっかの中古の部品を使って手抜き工事をしたのではないかという疑いすら持ちたくなる。


かくして、最悪の土曜日となった一日が過ぎ、ついでに日曜日も過ぎ、月曜日。管理会社に改めて連絡すると


管理会社:「ノープロブレム。かかった費用を払うから請求書をこっちに回して」


…気楽だわ。アイルランド。ついでに言うと、階下からの苦情もないので大丈夫だったんでしょう。ホントに結果オーライな素晴らしい国だと思います。




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