なべて世はこともなし
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2006年03月23日(木) あえて言う。ざけんな、このハゲ

Snigel宅の給湯システムおよび、暖房システムはオイルです。庭に、1000リットルは余裕で入ろうかという巨大なタンクがあり、タイマーでお湯を沸かしたり、家の暖房をつけたりしてるわけ。


で、この原油価格高騰の折、前回オイルを買ったときには、「次に買うまでにはきっとオイルの値段も下がるだろう」と踏んで、タンクをいっぱいにしませんでした。この判断が、思いきり裏目に出ました。


昨日の朝、お湯が、出なくなったのです。


Snigel宅、朝には定石となっている動きがあります。君の瞳は星だらけのおなじみフランス人(未だに彼女募集中。希望者は作者までメールを)。こいつが一番早く家を出るものだからまずシャワーを浴び、そしてそのあと私が浴び、ひでかすは夜シャワーを浴びる人なので、そのあと顔を洗うというのが定石。ちなみにもう一人のドイツ人はシフトワークにつき時間は不規則。以下の話をわかってもらうためにこの流れを理解しておいてください。


星だらけフランス人→私→ひでかす(洗顔のみ)


で、昨日の朝に話は戻ります。朝の6時30分に星だらけフランス人が血相を変えて人の部屋に駆け込んできたのです。繰り返します。朝の6時30分です。


星フラ:「Snigel、お湯が、出ない!」(半泣き)
私:「ああん?そりゃオイルがなくなったんだよ」
星フラ:「どうしよう」
私:「あとで大家に電話してオイルを手配してもらうよ」



家庭の事情で恐縮ですが(って今日の日記自体が家庭の事情以外の何物でもないのですが)、うちではオイルは大家が手配することになってます。言うまでもなく、金を払うのは私たちですが。


で、午後、大家に電話。出ない。


もう一度電話。出ない。


今まで大家に電話をしたら、一度たりとも電話に出ないということがなかったのでこれは非常に意外な事態といえます。


で、夜、三度電話。


大家:(死にそうな声で)「もしもしー」
私:「どしたの?」
大家、「卒中でぶっ倒れて、今退院したとこ」
私:「はあ…そりゃお大事に」



今退院したばかりのオッサンにオイルをどうこうしろなどということはさすがの私でも言えませんでした。蛇足ながら大家さん、あなた、いかにも発作でぶっ倒れそうな感じですぞ。これを機会に少しは体に気を配ってください。


そんでもって自分でオイルを手配したのはいいですが、当然のごとく、オイルで暖房ができなきゃ、お湯も沸きません。こういう臨時でお湯がいるときのために、Snigel宅では電気温水器も設置されてます。…なんていうとかっこいいですが、この電気温水器、実に使えない代物タイマーがついてません。温度調節もできません。つまり、オン・オフの機能しかないのです。


つまり、これを使おうと思ったら、オンにして、頃合いを見計らって自分でオフにする必要があります。もしオンにしてそのまま忘れるとえんえんつきっぱなしで莫大な電気代がかかるという罠(これ、ESB(電力会社)の謀略じゃないかと密かに私はかんぐってます)。こんなふざけたシステムですが、アイルランドの家庭の多くは未だにこんな感じなのです。ちなみに、日本でも流行の「オール電化」の家にすると、もう少しマシなシステムだという噂ですが。


というわけで、オイルでお湯が沸かせないということは、もし朝シャワーを浴びたいなら、朝早く起きてわざわざタイマーをオンにして小一時間待たなければいけないというわけ。私の場合、朝の5時に起きてタイマーを入れるという作業が必要なわけで。


私は、うすうす気がついていましたが、この星だらけフランス人は、妖怪シャワー魔人でした。というのも、お湯が出ないとわかるや、近所の(と言ってもバスで移動しなければいけない)友人宅に、昨日の夜、なんとシャワーを借りに出かけて行ったのです。


男のくせに、ありえねー。


こういうことを言うのもなんですが、彼、決して自分の見てくれに人並み以上に気を配っているとはとても思えないのです。着てる服はいつもくたびれてるし、ぶっちゃけた話、ママン(フランス語のつもり)がいないと何もできない感じだし。


まあ、ともあれ、昨日の夜に、この星だらけフランス人はわざわざシャワーを借りに行ったということを頭に入れておいてください。ほんで、今朝。私は労を厭わずに朝の5時に起きて電気温水器のスイッチを入れました。で、二度寝。夢うつつに、星だらけフランス人が起きてきてシャワールームに入っていくのを聞きます。で、出て来ない。


このハゲ、シャワーを浴びてるな!


はいはいはい。人の身体的特徴をあげつらってどうこういうのは反則です。だけど、彼がハゲであるという事実は、この日記を成立させる上で非常に重要な構成要件なのです。私、ハゲって別に悪いことだとは決して思ってません。


ともあれ正味の話、別に昨夜、わざわざ友達の家まで行ってシャワーを浴びたからといって、今朝、シャワーを浴びちゃいけないということにはなりませんよ。だけどさ、


なんで、男のくせにシャワーを30分も浴びれるのよ?


はい。ここで彼がハゲであるということが問題になってきます。彼、ハゲです。つまり(当たり前ですが)髪がありません。ゆえに、髪を洗う必要がありません。長髪の女の子なんかは、髪を洗うのに時間がかかって、シャワーに時間がかかるというのは分かります。だけどさ、ハゲのくせして(つまり髪を洗う必要がなくて)なんで30分もシャワールームに立てこもるんだ?お前は?まさかと思うが、映画、「アメリカンビューティー」の主人公みたいなことしてんじゃないだろうな。


なんでこんなふうに私が口角泡を飛ばして怒っているかというと、この星だらけフランス人がシャワーから出てきたとき、このアホタレはすでにお湯を使い切っており、私はお湯なしの水シャワーを浴びる羽目になったわけ。


朝の5時におきた私の苦労を無にして自分だけシャワーを浴びたこのアホタレとはしばらく口をききません(結構、粘着な性格してます。私)。いつもこの件では腹を立ててましたが、今回はかなり本気で怒ってます。つまらんことで怒るなとお思いの方、確かにその通りですが...。




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