なべて世はこともなし
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2004年03月30日(火) 郵便局がスト。じわじわと影響が...

木曜日から始まったダブリンの一部郵便局員のストライキ。その影響がうちの会社にもボディブローのように効いてきてます。


まず、到着する郵便物が激減。速達や書留、また郵便局以外の宅配便で到着する郵便物があるものの、普通郵便での到着はほとんどなくなってしまいました。これがないと私の仕事にも少なからず影響が出てきます。


で、逆に集荷もないので、会社には人が入れそうなくらい巨大な麻袋5つ分の郵便物があふれています(なぜか麻袋には「Royal Mail」と大書きしてある)。うちの会社、ほかの会社でもそうなように、「フランクマシーン」と呼ばれる機械があります。要は切手じゃなくて封筒に直接金額分のハンコを押す機械。これで金額分のハンコを押してその封筒を麻袋に入れておくと午後3時過ぎに郵便局員さんが集荷にきてくれるのですが、木曜日以来、来てくれてません。それで麻袋5つ分の郵便物が壁際に積み上げられているわけ。


これ、けっこうゆゆしき事態です。お客さんの側からすれば、うちの会社からの郵便物が来ない。中にはこの郵便物を待っている人もいるわけです。で、一部業務について言えば、この郵便が生命線ともいえるのです。その生命線がぷっつり絶たれると当然業務に影響が出ます。


で、お上からこんなお達しが出ました。


今日の午前中は、郵便の集荷作業を手伝うこと。


うちの会社、郵便の仕分け作業のためだけに数人の人を雇ってます(それだけ郵便が業務の中で重要なウェイトを占めているわけです)。その人の手伝いいったいなんだろうと思って聞いてみると、


係:「このハンコを押した郵便物を封筒から出して、こっちの新しい封筒に入れ直して」


私は麻袋の山を見ながら何のためかと聞くと、


係:「とりあえず、アイルランドの郵便局からは返金してもらって、新しく詰めた封筒を北アイルランドに持っていって、北アイルランドから投函するのよ」


考えましたね。確かに、北アイルランドから投函すれば普通どおり郵便は届くはず。アイルランド以外は。


でもさあ、そんな作業をさせるの?わしら、かなり忙しいのに。


ぶつぶつ文句をいいながら、古い窓付き封筒から郵便物を取り出して、新しい窓付き封筒に入れ替えるという単純作業をはじめる。始めてみるとこれが結構面白い。いつもコンピュータに向かって眉間にしわを寄せているような仕事だったのに、急に隣の同僚と無駄話をしながら手だけを動かすという作業になり、いつもと違う作業が結構新鮮に感じられる。…郵便局がストさえしなけりゃ必要がなかった全く無駄な作業という事実を忘れれば。


で、作業をしながらふっと気がついた。


あっ!この前麻袋に突っ込んだ私信はどうなる?


そういえば「指さし」が売れて、この前、麻袋に突っ込んだぞ。あと、他にも某航空会社に送った私信がある。会社の金(郵便料金)を使って私的なもんを送ったのがばれたら怒られるぞ。


慌てて同僚の机を見て回るが、ない。同僚に見つかる分にはかまわないけど、冗談の通じない某スーパーバイザーに見つかるとやばい。探すけど見つからない。


まあいいや、怒られたら怒られたで…と開き直って、1時間後、再び新しい封筒に入れられて集められた郵便物の山のところに行ってみると、おお、あった、私の私信。どうやら、手書きで窓なしの封筒に住所を書いてある郵便は別の山になって、手つかずで保管されていた次第。数はそんなに多くないけど、いちいち住所を書き直すのが面倒なので敬遠されていた模様。


私が私信を回収しようとしていると、なんたるバッドタイミング、例の冗談の通じないスーパーバイザーがやってきて、


「Snigel君。ちょうどいいや。その山も入れ直しといて」


…住所を書き直して詰めなおせというんですか。あんた、人が忙しいの知ってて言ってるでしょ。


反抗できるほど立場の強くない私は、泣く泣く住所の書き換えも始めたのでした。言うまでもなく、私の私信もどさくさ紛れにつめ直して送りました。かくして、指さしを注文された方、北アイルランドから届きますのであしからず。


掲示板によれば、アイルランドで郵便局のストが5ヶ月続いたことがあるそうな。…下手したら連鎖倒産とか起こるんじゃないだろうか。うちの会社ですらこんだけ迷惑を被ってるんだから。


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