なべて世はこともなし
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2002年12月10日(火) ダブの英語とインド人と間違えられる英語

今週は、コールセンターからオーバーフローしてきたコールをピックアップしつつノーマルなタスクもこなしています。ああ、カタカナばかりだとなんでこんなに反感を買うんだろう。


この日記を書きつつ、いつも上のような必要以上にカタカナを使わないよう心がけています。実際、英語圏に住んでいる、あるいはガイコクに住んでいるものの日記としてはカタカナを使った方が楽な時が多いのですが、そこをなんとか頑張って日本語で表記するようにしています。はい。それでもカタカナ交じりの表現が多いことは承知しておりますが。


いつだったか日本で政治家の討論番組を見ていました。すると誰だか忘れましたが参加者のひとりがこんなことを言ったのです。


「この問題についてはアズスーンアズポッシブルに対応しなければならない」


…うーん、ここまで来たか。と正直思いました。未だにカタカナを使った方が賢く見えると思っている人がいるのでしょうか。そういう目で見ると話題になっていた「道路民営化推進委員会」の最終報告「アライアンス」だの「インハウス」だのよーわからんカタカナ英語が並んでいます。


…最初から話がそれましたが、そうそう、私、今週は通常業務兼電話番(と漢字ばかりでもあまり良くないなあ)という役割分担です。前にも書いたとおり、電話はスーパーのレジと同様に波があり、ある瞬間にどっとまとまった数の電話が来てその後しばらく来なくなる…ということの繰り返しです。どっと来た電話に私が対応しているわけです。


それにしても世の中にはPA(パーキングエリアではなくパーソナルアシスタント=つまりは秘書ね)というお仕事がありますが、このPAもピンからキリまでです。たった今も、「このPAを雇っている人はさぞ大変だろうなあ」ととことん同情してしまいました。何せ話が通じない。人が何回同じことを言っても同じことを聞いてくる。私も同じことを別の角度で何度も説明したのにまだわかってくれない。具体的に書くのもあほらしいので省略しますが、まあ、一を聞いて十を知る人と十を聞いて一を知る人の両方がいますね。かく言う私もたぶん後者なのですが。


で、私のはす向かいに座る女性。年齢不祥ながら推定30代前半。地元、このオフィスのすぐ近所の出身、生っ粋のダブです。…つまりどういうことかというと、


彼女の言っていること、私、未だに半分もわかりません。


とりあえず、ふたこと目にはf**king・f**kingと言っているわけですが、それ以外の話のポイントをつかむのに私は未だに相当苦労しています。で、電話に出ても超強いダブリンアクセントでなんだかああだこうだ言ってます。


そんな彼女が電話を取りました。しばらくして…


彼女:「Snigel、OOがXXして##だというお客さんが電話してきてる。電話代わってもらっていい?」

「OOがXXして##」と表現していますが、実はこれ、内容を書くのが面倒くさいのみならず、いまいち何を言っているのか分からない…というのも実は隠された意味に含まれていたりします。で、私が電話に出るというと


彼女:「彼、英語をあまりよく話さないから気をつけてね」


ほいほい。英語がネィティブではない人もしょっちゅう電話をかけてくる。それ自体驚くには値しないし、彼女もいちいちそんなこと言わなくてもいいのにと思いつつ電話に出ると…


電話の向こうのお客さん:「あー、もしもし、OOがXXして##なんだけど…」


ん?なんじゃい?実にきれいな英語を話すじゃん。確かにドイツ訛りがあるけど、私の英語なんかより100倍はきれい。


この事実から推察できること。この電話の向こうの彼、同僚の彼女の英語に四苦八苦してたんだろうなあ。日本以外で生活されている人、はたまたしたことのある人なら同意してもらえると思うけど、相手の英語を理解することに力を入れると、自分のいいたいことをまとめる暇がなくなったりしませんか?聞くのに手いっぱいになって、話せない。きっと彼にとってもそういう状況だったんだろうなあと思う。


で、この状況を自分に置き換えてみると、よくあるんだよね。ダブリンでも何か言われてよくわからない時。そういう時、相手はややもすると「これだからガイジンは…」といった感じの目で、いわば見下した目で見たりするけど、そういう人は自分がいかにひどい英語を話しているか気がついていない。そう、ネィティブでない私たちがいつでも悪いのです。彼らにとって。


「じゃあ、お前の英語はどうなんだ?」という方。今日、インドネシア人の兄ちゃんから言われた次の一言がすべてを物語ります。


「ん?キミ、インド人?」


フランス人だドイツ人だ言われたことはありますが、インド人は初めてです。


最後に追伸。昨日の世界石油ネタの中で写真のスタンドが3-4セント安いと書きましたが、実際は2-3セント程度です。個人的には「世界石油」という受ける人には大受けするネタだと思ったのですが…無反応のとこを見るとたぶんマニアックすぎたのでしょうね。



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