なべて世はこともなし
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2002年12月06日(金) ヨーロッパでは食器用洗剤はすすぐのか??

このホムペ初めていらい初の「インタビューもの」を書いてみました。私の名誉のために言っておきますが、これホントにちゃんとインタビューしたものをまとめたんですよ。結構大変な作業でした。いつもと毛色の違う日記になりましたが、ま、いっか。


「素朴などうでもいい疑問なんですけど、アイリッシュは未だに食器を洗った後の泡流さないでいるのでしょうか?ほんとどうでもよいことですね(汗)アイリッシュの家庭にホームステイしてた時(6ヶ月)病気に
ならないかと心配でした。泡ついたままそのまま乾かして使っちゃう
んですよ!?」



掲示板でのラファさんの発言。確かに、アイルランドでお茶を飲むと、しばしば洗剤が浮いていることがあるような気がする。体に入るものだけに、本当に大丈夫なのかに気になるところ。


「これ、アイルランドだけじゃなく、イギリスもそうみたいですね〜私も最初なれなくて、皿が鈍い輝きを放ってるとき、たべものがつがれる前に、こっそり袖でぬぐってました。。(これも考えると汚い。。)人に聞くとこれらの洗剤は食べても大丈夫なようにデザインされている、と口をそろえますが、どの洗剤を使っても私はしっかり手荒れしてしまい、信用できません。」


こちらはEmikoさんの発言。そう言われてみると、知り合いのドイツ人も食器は洗剤につけおき洗いをしてすすがない。では果たしてヨーロッパでは食器用洗いの洗剤で洗ってすすがないのが常識なのだろうか?そんな素朴な疑問を会社で同じフロアーにいる30人弱に思い切りぶつけてみた。


案の定といえば案の定、「冷たい水に浸けといて、さっと全体に水をかけておしまい。でももし洗剤が食器に残ってたら気になるかな」と言うアイルランド人女性のLaora。イギリス人のSuzyも「コップとかのガラス製品はすすぐけど後はすすがないわ。でも洗剤をそんなに使わないから洗剤はそんなに残らないわ」と証言。アイルランド人の男3人とアパートをシェアしているというスペイン人のBegona は…「アイリッシュの男のフラットメイトが3人いるけどすすがなかったわ。私が文句を言ったので変わったけど」


ただし、これらの発言で気をつけたいことは、「洗剤が残っていたら気になる」という趣旨の発言をしていること。同じくアイルランド人女性のMoraは「最近は大多数のアイリッシュは食器洗い機を使っていると思うわ。私?もちろん手洗いの時はすすぐわよ。洗剤ってガンの原因になるんでしょ?」と言う。アイルランド人も洗剤が残っていると良くない、ということに気がついているのだと思う。


「私がパリで働いていた頃ある店では洗剤で鍋などを洗って・・そのまま拭いていました。洗い場担当の人がいるわけですが・・。もうそれを見てビックリ仰天。その店はすぐに辞めました。それ以外のパリのレストランはちゃんとすすいでいましたよ。」(掲示板シェフさんの発言)に見られるように、実はフランスでも洗剤をすすがない店・家というものがあるようだ。


ただ、現在自分の店を持ちばりばり仕事をされているシェフさんの見習い時代はけっこう昔のことかもしれないので、現在はこの状況は結構変わっているかもしれない。その証拠に、この日記に数度登場しているプロサッカー選手Andrewは、「すすぐに決まってんじゃん。レストランとかプロは間違いなくみんなすすいでるさ。すすいでなかったら下痢の原因になるじゃん」と言います。


ただ、私の記憶が正しければ一部のB&Bなどでは洗剤の残ったマグにお茶をいれてくれた気がするのですが。これは私の記憶違いか、それとも一部のB&Bは彼の言う「プロ」の範疇に入らないのか。


ちなみに私の知る限り、どこのパブもコーヒーショップも食器洗い機を使っています。パブのカウンターでバーマンの動きを見ているとよく分かりますが、プロ用の食器洗い機は強力です。わずか数分でお湯と洗剤を使い汚れを一気に落としてしまいます。


食器洗い機は一般家庭にも結構普及しています。ちなみにうちにもあります。Derekは「食器洗い機を使うよ。手洗いの時はすすぐかな」と言い、私の直属の上司Christineは「食器洗い機を使ってるわ。手洗いの時は冷たい水ですすぐわ」と言います。食器洗い機の方が楽ですし、何より手洗いに比べて洗剤や水の使用料が少ないらしく、「ドイツでは日本のように流し洗いするのは環境汚染に貢献するようなものだとか」(掲示板H.Tさん)という考え方をしているようです。


じゃあいつも食器洗い機を使えばいい…と言うことになるわけですが、やはりそれだけと言うわけにもいかず結局実生活では食器洗い機と手洗いの併用と言うことになることが多いようです。つまり水を無駄にしないために食器洗い機を使い、手洗いをしなければいけない時は水を無駄にしないようにすすがないというわけ。


そうなるとすすがなかった時の洗剤の残りが気になるわけですが、これに対してはドイツ人のTaniaが答えをくれました。「食器洗い機を使うわ。手洗いの時は洗った後すぐに拭くわ。これで洗剤も拭い取れるでしょ」


…なるほど、言われてみるとドイツ人は食器を洗うとすぐに拭きます。確かに拭き取れば流水ですすぐほどではないにせよ、ある程度の洗剤は拭き取れそうです。


「泡ついたままそのまま乾かして使っちゃう」(前出ラファさん)ようなことをされるとお茶の表面に洗剤がぷかぷか浮かぶ事態になると思われますが、こうしてふいてもらったりする限りはたぶん気になるほどの洗剤は残らないのではないかと。


が、量に関わらず「ハッキリ言って体にいい訳がない。」(前出シェフさん)と思います。そこで私は知り合いの看護婦、Emmaに聞いてみました。Emmaは「ちゃんとすすいでいるわ。洗剤は確かに発癌性物質(Carcinogen)を含むからすすぐべきよ。」とのこと。


「人に聞くとこれらの洗剤は食べても大丈夫なようにデザインされている」(前出掲示板Emikoさん)というヨーロッパの一部の人間が言っていることは間違いで、「日本の洗剤でも(すすがないで放置することは)可能なのかしら?」(掲示板Rommyさんの発言)というのは実は「ヨーロッパの洗剤でも放置してはいけない」というのが答えになるようです。


さらに「日本の洗剤と外国の洗剤と大して違いはない」(前出シェフさん)。ちなみに日本では洗剤の代表的メーカーが「洗剤はすすぐように」とはっきりホームページで公表しています。


Emmaは続けます。「アイルランドでは未だにヨーロッパ大陸で発癌性を疑われて禁止されたMr Muscleという洗剤の使用を認めているわね。」


え?私先週末その洗剤を使って思いきりオーブンをごしごし磨きましたが…。確かにあの洗剤はそりゃもう強力で、オーブンの中の油汚れがおもしろいくらい良く取れること。考えてみると、それだけ強力ってことはその分の副作用もあるわけで。そういえば日本にもありますよね。そういう強力な洗剤。あれも私たちの体や環境に思わぬ負担をかけている可能性は否定できないわけで。


「どの洗剤を使っても私はしっかり手荒れしてしまい、信用できません。」(前出掲示板emikoさん)そういえば「洗剤は口から入るより皮膚から浸透するほうがより危険」(前出掲示板H.Tさん)という疑問もあります。この点をEmmaに聞いてみました。


「口に入ると消化器官から吸収されるし、手からは血管を通じて血液中に入る恐れがあるわ。でもどのくらいの量をどのくらいの期間使ったら影響が出るかは分からないわ。」


結局行き着くところ、洗剤の毒性は、私たちの体に今すぐ直接の影響があるほどの毒性はないものの、長い目で見た時に何らかの影響があるようです。


まあ、このページははしがない「アイルランド真実紀行」の日記で、決して「買ってはいけない」ではありませんのでこれ以上はツッコミませんが、たしかにこういう問題もたまには考えたいです。


身近なところでひでかす。頼むから洗剤、ちゃんとすすいでくれ…と大いなる環境問題を自分の家の問題にまで矮小してしまうのは、某ワイドショーの司会から降ろされた前田なんとかさんに近いものがあるような気が…。


以上です。編集長。



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