彼は 色白で、肌がきれいなひとだった。
そう。過去形。 今は、痩せたからか、日に焼けたからか 色黒で、肌も綺麗という印象ではなくなっている。
私もアダルトにきびちゃんとかあるし シミもしわも 年相応に肌がきれいな方ではないので 人の事は言えないけろ。
久しぶりに 彼関連の仕事の電話が入って 彼にその事を伝える為、話をしに行く。
自席ではなく、受付から遠く離れた資料の置いてある机で パソコンをしていた。 隣には彼と同期の、綺麗な女の子。
すみません。 と話かけ、それでも動こうとしない彼に 綺麗な女の子は
早くいきなよ、こんなとこでサボってないで。
さぼっていたんだ。 と、どきりとする。
彼は出てきて、 その内容を説明して。 繋がったままの電話を回すため 内線でつなぐ。
顔をみて話をするのは 半月くらいぶり。 それでも二コリともしない彼と 話す事も苦痛。
帰り間際。 受付で、社外の子と話をしていると 彼が前を通る。
私の方は一切見ないで 社外の子の名前を呼んで 話かけていた。
こっちは全く見ず 話すこともなく。
私は用事は済んでいたから その場を離れた。
よく昼休みに一緒になってた 後輩君。
ときどき、仕事中に顔をあわせると 久しぶりですね、 と言ってくれる。
話してないね、とか 顔みることも最近ないね、とか。
休憩に行かないから 彼だけじゃなくて あの場所で交流していた人たちとの 交流が、なくなったんだ。
失ったもの、こと、はきっとたくさんあった。
彼のことしか、考えていなかったけれど。
彼のことを考えるじかんは どんどん減り 彼を想う時間も、合わせて減っていく。
それでイイと判っているけれど なかなか ココロが納得しない。
本当に辛い。 いつか悲鳴をあげて 私は狂ってしまうのではないかなんて 考えたり。
彼に、復讐を受けている気分。 なんの復讐かわからないけれど 私が彼を無視している事に対して 彼も私に冷たく当たっているような 錯覚。
錯覚ではあるけれど そういう、つめたい空気の中で生活していることが
辛くて辛くてたまんない。
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