毎日会いたい

2004年09月09日(木) 忘れる女。

すこしづつ
すこしづつ。

彼の記憶が減っていく。

前は彼に関する情報は
増える一方だったけれど
今は減っていく一方。

ふとしたときに、思い出す回数もどんどん減って
思い出そうとしないとなかなか思い出せないことばかり。

日記を読んで
ああ。そういえばこんな事もあったんだ、
と思うほど。


顔をみることも
笑顔を見ることも
声を聞くことも
彼を感じることも。

みんなもう、忘れてしまった記憶。


それでもこんなに好きなのは
どういうことだろう。

どうすれば私は満足できるんだか。
自分でも、もう分からない。


残業していて、帰ろうかなと出口付近を見ると
彼が誰かと話しているのが見えた。

もう帰り支度の、メットを被った彼。
面倒だし
まだウチの上司も仕事しているし
そこを通りたくないな、と思っていたけれど
帰る様子もないので
仕方なくそこに向かった。

私が行くと
ちょうど話が終わったところで
解散した所だった。

話している相手は、社外の私も良く知っている人と
彼の先輩だった。
私は社外の人と、一緒に外に出ようと歩き出す。

彼と先輩に おつかれさまです と言おうと思って見ると
こっちは見ていなかった。

だから話もせず、別れた。
少しもこっちを見ない彼。

そのあと、社外の子とも別れて
一服する為に
いつも昼休みに休憩していた場所へひとりで向かう。

もしかしたら、彼も寄ってくれるんじゃないかと
淡い期待を抱いてみたりしたけれど
万にひとつの可能性は、やっぱりなかった。

帰り道、もしかしたらかれがバイクで私を抜かしていくかもしれないと
注意して歩く。
もしかしたら
そのとき話かけてくれるかもしれない、と
また淡い期待を抱いていたけれど。

彼は私の横をバイクで走っていった。
私の方なんて見向きもせずに。

信号待ちで止まっている彼を
抜かして行きたかった。
さよなら、位言いたかった。
でも、信号は青にかわり、かれは直進。
また止まる。追いつこうと必死に走ったけれど
結局追いつけない。

やっぱり、彼は私のことなんて
すこしも想っていないと感じた日。

彼も私のことを好きなんだと
確信を持っていたこと自体、おかしな幻想であって
結局私はそうやって
夢をみて暮らしているだけで。

愛している人に
少しでも愛されていると思いたい、
ただそれだけの思いで、勘違いしている私。

もう。ヤメナクテハ。
彼を思うことも
幻想も。


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