ささやかな日々

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2021年05月22日(土) 
家人から今夜は唐揚げが食べたいと注文があったので、本当は他にしたいことがあったのだけれどそれを棚上げして、唐揚げづくりに勤しんだ。いつもそうだが、私が揚げている間に彼らは食べ始める。その姿を見ると、私はもう、正直、いいや、という気持ちになる。確かに、あたたかいうちに食べてほしいとは思う。だから先に食べられてしまうことを止めはしない。でも。何だろう、私自身はもう、食べる気を失うというのが本音だ。
だから、黙々と揚げ続ける。だいたいもも肉4枚くらいは彼らは平らげるので、せっせと揚げる。油揚用の鍋は小さなものしか持っていないので、全部を揚げ終えるのにだいぶ時間がかかってしまう。今日はずっと立ちっぱなしで揚げてる途中で骨盤周りに鈍痛が起こってきた。しんどいなぁと思いながら、それでも揚げる。
そうしてようやくすべてを終えて食卓に私がついた頃には、彼らはほぼほぼ食べ終わっており。まぁそれもまたいつものことなので何も言いはしないが、私にとって唐揚げは楽しいメニューではなく虐げられていることを思い知らされるメニューのひとつだったりする。もちろん口に出しては言わないが。
それでも。彼らが楽しく食べて、おいしく食べて、喜んでくれるならそれで報われもする。それが今夜はそうじゃなかった。
食後にゲームをやりたいと言い出した息子に、家人が賛同し、じゃぁと私もつきあうことにした。が。しょっぱなから息子と家人が喧嘩をし始めた。ゲームだというのに、喧嘩。何なんだ。
何と言うか、家人のこういうところ、実に大人げないといつも思う。息子がごねると「これはゲームなんだから」と切り捨てる癖に、自分が不利になるとむくれる。いやいや、あんた、これゲームだから、と私は言いたい。あんたいつもそう言ってるでしょ?と。
結局、さいころを廻すのも家人は投げやり。駒を置くのも投げやり。動作のすべてに不機嫌さを醸し出しており。思わず「いい加減にしなよ、そういうの」と言ってしまった。
すると、家人はぶーたれて、つい今しがたまで喧嘩をしていた息子のご機嫌取りを始める。その一方で、私に対して無視を始める。
何なのこの大人げなさ。私はもう、言葉で言うのもあほらしくなって黙り込む。
結局家人は、息子を寝かしつけるまで私に対して無視を通した。私はそれに対して、もう何も言わなかった。
私のあの、唐揚げの作業の労力を誰か返してくれよ、と、心の中で呟かずにはいられなかった。

幼虫たち十匹は無事全員蛹になった。今、虫籠の中はしんと静まり返っている。天井にぶら下がってる子もいれば、壁にぶらさがった子も、また割りばしにぶら下がった子もいれば木の枝にぶらさがった子も。みんな思い思いの場所で蛹になった。色も全員微妙に異なる。当たり前か、十人十色。
息子が、産まれる前身体が透けるんだよね?翅の色が透けて見えるんだよね?と私に問うてくる。だから、そうだよと応える。どんなふうになるのかなあ、早く観たいなあ! 息子が頬を紅潮させながら言う。
私も楽しみだ。虫苦手って言った癖に。

息子と家人がそのまま寝たので私は起き上がり作業部屋へ移動する。とりあえず、月末からの個展の準備の残りをせねばなるまい。気持ちをがらり切り替えて、作業に専念しよう。


浅岡忍 HOMEMAIL

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