てくてくミーハー道場
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2012年08月04日(土) |
『WEST SIDE STORY』(東急シアターオーブ オープニング記念公演) |
今日はぁ花火大会かーワクワク♪ あれ? 雨だ・・・やだなあ・・・でも、にわか雨だよね。
「トントン」
おや? 誰だろう?
「あの・・・こんにちは、初めまして。ボク・・・」
おや? まん丸な可愛い男の子だこと。近所の小学生かな? どしたの? エ○バだったら直ちにカエレ(・∀・)(ギリギリアウトな解説=ぼくんち界隈には実は×ホバの証人の方々がけっこう住んでいて、休みの日とか子供さん連れで布教にこられるのです。子供相手に邪険にできないこっちの人間性につけ込んだ腹立たしい所業なのれす)
「え? イ、イエ・・・ち、違います、ボ、ボク」
何なの?(イラッ)今日は花火大会なんだから。忙しいんだから。
「あのぉ・・・『WEST SIDE STORY』が明日千穐楽なんですけども」
何っ?! あ、ほんとだ! これは迂闊。ところで君誰?
「ミーハー神のひ孫の“シアターオーブの神”です」
オーブか! それでまる・・・あ、いや、君、先月生まれたばっかだよね? なのにもう6歳ぐらいに見えるんだけど、成長早いね。
「(生後1か月じゃ話が進まないだろ)」
ん? 何か言った?
「い、いえ。で、今回はもう来られないのかなー? って」
いや、行きます! 当然じゃないスか! 花火? んなもん来年もあるし来週は東京湾華火大会もあるし(←鬼が笑ってるぞ・・・)
「もう指定席ありませんけど」
立見で充分だよ! おばさんこう見えても先週ゴールデンボ(略)
「(無視)じゃ、いらっしゃるんですね。お気をつけて〜」
というわけで、花火をあっさりキャンセルして(家族で見たがっていたのはぼくだけだったし)渋谷ヒカリエに見参。
・・・人多い(_ _;)←それくらいで挫けるな!
立見の整理番号をゲットして、2時間半の上演時間を乗り切りました。
まず、オーブ自体の感想を。
広い!(客席数1972だから、壊される前の歌舞伎座ぐらいなんだけど、空間の使い方が違うせいか、全く感じが違う)
きれい!(新しいから当たり前なんだが)
ロビーとかホワイエが広々としてる!(終演後の客のはけがスムーズ! 見習えクリ○!)
今回座れなかったから、椅子の感想はなし。
では、本編のご感想を。
今回の『WEST SIDE STORY』は、ひっさびさ本場ブロードウェイキャストの来日ということで、さぞや実力的にすげーんだろうなあと(え? 皮肉じゃないっすよホント)
オーケストラも、すげーんだろうなあと(だから、皮肉じゃないんですって)
・・・始まってすぐ金管楽器がカマしたよな気がしたのは、ぼくがすでにモスキート音を聞き取れない年齢だからだとは思いたくない。
このコヤはおそらくミュージカルやオペラに特化した構造になってるはずだから(なので天井がイジョーに高かった)、オケの音はとにかくクリアに聞こえる。
・・・何回かカマした気がしたのは、やはり2時間半の立見による足痛のせいだとは思いたくない。
出演者の皆さんは、とてもお上手でした。
ぼくは「来日ミュージカル」てなもんをわずかしか観た経験がないのだが、そのわずかな蓄積の中で思うに、外国人キャストってけっこう大雑把というか、日本人キャストみたいに役づくりが繊細じゃない気がしてる。
歌とかダンスは圧倒的に上手いんだが、やけにがさつというか。でも、今回のキャスト陣はさすがというか、お芝居がきめ細かくて、ぼくにもしっくりきた。
特にトニーのロス・リカイツ、良かったなぁ。主役だからってわけでもなく、一番良かった気がする。
でも、今回ぼくが観て一番心に残りまくったのは、やはり演出の先祖がえりというか、アーサー・ローレンツのリバイバルバージョンになってる点。
特にラストシーンはずしんときた。
これまでぼくが観てきたバージョンでは、ラスト、トニーの亡骸をジェットとシャークが仲良く(?)かついで退場するという、希望のかけらが見える演出になっているのだが、今回のはとにかく絶望的。ぼくはこの作品では別に泣いたりしないのだが、今回は涙が止まりませんでした。
要するに、マリアがチノから拳銃を奪って、あの絶望的なセリフ「弾はいくつ残ってるの? チノ。皆を殺して、私の分も残ってる?!」の後、何の救いもなく(ベイビー・ジョンがストールをかけてあげるというエンディングなので「救いがゼロ」というわけでもないのだが)終わってしまうのだ。
このシーンで終わるのを観て、ぼくは、登場シーンで「赤ちゃんが着るみたいな」白いドレスが似合う少女だったマリアが、たった一晩で「人を憎むことを知った」女になってしまったという事実に、涙が止まらんかったとですよ(T△T)
なんて絶望的な解釈であろうか。こんな終わり方で本当に良いのですかローレンツさん(号泣)
しかしまぁ、なんだ。この話、昔からよく言われてるが、古くならない。
ブロンクスというごみ溜めみたいな場所でせこい縄張り争いをするしかない移民の子供たち。
不景気で、貧乏から抜け出せない“元外国人”たちは、後から入ってきた外国人に職を奪われたと思い、敵愾心をぶつけるしかない。
経済的に破綻しまくっている今のヨーロッパの国々は言うに及ばず、日本だって似たようなもんだ。
井筒和幸は『パッチギ!』を戦後10年ぐらい経ったころの日本版ウエストサイドのつもりで撮ったと言っていた。
だが、戦争を知らない世代がほとんどになった今の日本の方が、むしろ経済的な深刻さや一部の日本人たちの間に浸透している嫌韓意識は激しさを増している気がして、その現実がぼくを号泣させたのかもしれない。
逆に「こっちの演出、好きだ!」と思ったのが、「Somewhere」をエニーボディズに歌わせる演出。
エニーボディズって、ジェンダー的な意味のあるキャラで、ぼくもとっても好きなキャラクターなんですが(彼女が「女はすっこんでろ」「女らしくしろ」とジェット団の連中に言われるたび、心からムカっとくる)、今回、このナンバーをエニーボディズ主導で歌うという展開になったことによって、この『WEST SIDE STORY』という作品の“格”が、また一段上がった気がしたのは、ぼくがフェミニスト思考だからだけではないと信じたい。
まぁ、あの演出によって、エニーボディズはこれまでの「女性差別と戦うキャラ」から抜け出して「理想世界に誘う」妖精的キャラになっちゃったかもしれないが。
とまぁ、短く終わるはずだった感想が、例によってだらだら長くなってしまった。
日曜日ももう一本千穐楽の芝居があるので、しかもマチネなので、早く寝なきゃー(ああ、もう夜が明けそう・・・)
蛇足。
ヒカリエ11階からの眺めはさすがに絶景だった。渋谷の街を一望。
ところで、そうやって眺めていた景色の中に、「デビュー10周年を記念して」東京ドーム公演をする某二人組アーティスト(もうおわかりですねジャニオタのあなたなら/笑)の立派な広告が高々と見えまして。
白状しますと、最初ぼくはその二人組が誰だか全然判らなかったのです。ごめんなさい!
だって、すっかり貫禄のついたおっさ・・・ぐぇっごほんごほごほ(涙)・・・中堅アーティストっぽい風貌なんですもの二人とも。
まじでチャゲア○かと思っちまったんですよ、まぁチャ×アスは10周年でもなきゃ今活動自体してないが。
チャゲ△スぐらい風格があったっつーことですよ、たきつば(あっ言っちゃった)も。
もう10年経つのか。
出すのか? ニューアルバム『MISOJI』(←10年越しのギャグ)
本当に出したら見直すのになぁAve○(←嘘つけ)
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