ヒルカニヤの虎



 またあたし泣いている

灰色の近況
・竜馬におまかせ!が終わってしまった
・KOC2回戦でライスが姿を消して絶句...
・「中川家の特大寄席」中止・払い戻し
・うぬぼれ刑事の初回とモテキの第2回を録り逃し

本当に幸いなことに、毎年8/7の誕生日にはバナナマンを見ています。
三十路につっこむ今年とて例外ではない。
でも今年は6日の夜がバナナマンで、7日は0:00からカリカオール。
30歳の誕生日をロフトプラスワンで迎えることになるとは...。

そんなわけでいつもの無粋な備忘録@東京。
まずは大本命のバナナマンですが、これ1回で終わるかなあ。
カリカの魔王コント以来、どうもうまく端折れなくなってしまった。
DVD待ちの人はネタばれ注意!


■‘DIAMOND SNAP’2010/08/06/Fri_19:00-@俳優座

あたしの夏がきた!
2010年のバナナマンは、瞬間と約束。
変わらないでいることは難しくて、そしてたぶん何の価値もない。
変わり続けるバナナマンを追い続けることができる至福。
今年もありがとう心から。またこれで次の夏まで生かされていくんだ。



===================================================
コントリスト
・wonderful moment
‐オープニング
・dumb cluck
‐ブリッジ1:地域性
・a guard
‐ブリッジ2:フィンガーピアノ
・good and evil
‐ブリッジ3:冷蔵庫のあまりものでつくるおかず
・すぐ立つ
‐ブリッジ4:爆竹の導火線を爆発する前に切れるか?
・Are you satisfied now?
===================================================

・wonderful moment
明転すると背景にNYの摩天楼。
そこを左から右へ、右から左へ、歓声をあげながら猛然と走りぬける日村さん「イエーイ!」。全然追いつけず振り回されてちょっと呆れ気味の設楽さん。かれらはNYにやってきたおのぼりさん2人組。日村さんがテンション高く、設楽さんは低い。shocking moveやHappy Birthdayの関係性です。デジカメで記念撮影を主張する日村さん「下からの俺舐めで背景ニューヨーク!」すごい画だ。さらにジャンプしての撮影、日村さん音だけでまったく飛べてない(笑)助走したらしたで設楽さんを通過しちゃう。「上に飛べばいいから」てことで妙に設楽さんに近い位置でスタンバる日村さん。「なんか怖えんだけど!」びびる設楽さんの予感どおり、前方に跳躍して設楽さんもろともコケる(笑)「ほらぁ、すげえ怖えよぉ〜!」NYの路上でなにをやっておるのか。
今度は設楽さんを撮影してやる日村さん、所在なく棒立ちの設楽さんに「おじさんか!」はにかみつつピースする設楽さんに「おばさんか!」そしてまうます際立つテンションの違いに日村さんの指導「調子に乗った感じ」。てことで歌舞いてみせる。歌舞伎ポーズをなかなか撮ってくれない設楽さん、後ろに映りこんじゃう車がどくのをじっと待ってた(笑)徐々に歌舞伎ポーズに飽きてきた設楽さんに「もう笑ってないもん!笑ってない思い出が残るなんてイヤなの!」「じゃあずっと見てて、面白くなってきたら撮って」という日村さん。ゆうに10秒経過してこらえきれず笑いだした設楽さん、シャッターを切る。日村「それだよ!」設楽「なんかわかった、楽しくなってきた」最後は2人で。そこらへんの外人さんに撮影をお願いしてデジカメを渡し、テンションの差を埋めるため打ち合わせる2人。さて撮ってもらおうと向き直ったら、くだんの外人さんがいない。設楽「…………カメラとられた?」日村「盗られた!ファック!」

‐オープニング
うああんSAKEROCKじゃなかった!物足りない...
映像はかわらずかっこよく、カメラとダイヤで。

・dumb cluck
明転すると、丁稚姿の日村さん=タメ吉。落語の出囃子とともに「『ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする』と申しますが...」と落語家風に語りだす。時代は江戸から明治に変わったのに「あほのタメ吉」は何も変わっていない。日村さんのあほの演技がね、やっぱりとてもいいんです。タメ吉は何年経っても丁稚のままだし、自分の背中が見たくてくるくるまわってるうちきもちわるくなって吐いた。「あほがまともなことを考えるとあほになる」というタメ吉、でもあほなりに好きな人がいる。お店の旦那さんの娘さん。夕暮れまで辻に立っていて、誰からも話しかけられなかったら想いを告げる、という賭けをします。
日村さんが袖にハケて、次の登場したのはダブルのスーツで蝶ネクタイを結んだいでたちの設楽さん。彼はついにタイムマシンを作りだした天才科学者。子どものころから「あほのオサム」と呼ばれてきた。オサム博士の名字は「阿呆野」というのです。そのせいで不良に呼び出され、裸ででんぐり返しをさせられたりした屈辱。このときの不良の声真似はPUNKSの彼で、会場大喜び。オサム君は「先祖に『阿呆野』という名字をつけされなければいい」と考える。そして研究のすえタイムマシンを発明し、オサム博士は平民苗字許可令〜平民苗字必称義務令が発令された時代へ――。
タメ吉の立っている辻に送られてきたオサム博士。「あの、すみません」と話しかけられて泣きそうなタメ吉、かわいそうだ(笑)!「あぁあ、あぁあ!話しかけられちまったぁ〜〜!」しかし切り替えは早いタメ吉、あなたはタメ吉さん?と尋ねられ「そうです、私がタメ吉です(※変なおじさんのノリで)」これ2回くらい言ってたな。
オサム博士のひいおじいさんはタメ吉だったのです。「阿呆野」姓をつけさせたくないオサム博士、かきくどくもそもそもタメ吉は理解できず。名字の法令について説明しても「あほのタメ吉」でわかりやすくていいじゃないか、というタメ吉。そんなことしたら子孫が苦労するでしょう?とオサム博士に言われても、自分が結婚なんかできるわけないと笑っている。業をにやしたオサム博士、「あなたは結婚して子孫を残します、私はタイムスリップで未来からやってきたあなたのひまごです」と告げます。しかしタメ吉はあほなので時間の概念を理解できない。オサム博士「タイムストリップ」→タメ吉「タイトストリップ?」このくだり笑ったわ〜執拗すぎた。未来・現在・過去を説明されて動きだけ真似るタメ吉。おもむろにタメ吉が「それはつまりこういうことかい?」とタイムスリップについて。「馬の小便をお茶と間違って飲んでも、飲まれた馬にとったら知ったこっちゃない」オサム博士「ハァ!?」ここ意味わからなすぎて爆笑した。
未来から家族写真を持ってきたオサム博士、タメ吉に見せようとするも、写真が消えかかっている!「これは未来が変わって存在が消えかかってるパターンだ!」オサム博士はバックトゥザフューチャーを見たようです(笑)なぜ消えかかっているのか?実はタメ吉が結婚するはずだったのは旦那の娘さん。それをオサム博士に話しかけられたせいで想いを告げず、結婚もせず、子孫も生まれないという事態に。でも今ここにいる自分は消えていなくて…というお決まりのタイムパラドクスに陥るオサム博士「考えろ考えろ考えろ!」タメ吉「考えるな考えるな考えるな!」
冒頭の出囃子がながれ、「え〜というわけでございまして、あほが考えるとあほになるということで。おあとがよろしいようで」
この一番大事なサゲの部分をわたくしごっそり忘れてしまっております。あれ、ほんとに何だったっけ?
なんかちょっと尻切れトンボな感じがしたんですよね...。

‐ブリッジ1:地域性
♪デーブデーブ百貫デーブ、という歌からはじまる2人の会話。「白い」がやたら出てくる設楽さんの歌、カエルやキュウリが「青い」日村さんの歌。どっちも大阪とは全然違うわ〜。♪インドの山奥、ではじまるレインボーマンの歌も。これは日村さんバージョンの♪インドの山奥電報うったらっきょが転がり〜〜♪という短すぎる歌が不思議な余韻でクソおもろかった。♪いちにいさんまるしいたけ、の歌。「でっこんばっこん」という謎の擬音が出てくる日村さん、なぜか百貫デブの歌にループしてしまう設楽さん(笑)なんでこんな他愛ないことがおもろいのかしら。

・a guard
テレビ局駐車場のガードマンの先輩(日村さん)と後輩宮田(設楽さん)。車が混んできてうまく誘導できずてんぱってくる宮田、補助に入ってくれる先輩「宮田!おい宮田!」。ますますてんぱる宮田、突如「辞めます!」「ええ!?いや、やれよ宮田!」「やだぁ!」半泣きの宮田くんはなぜか踊りだす(笑)手首くるくるさせるオシャレなダンスをおぼつかない感じで踊りながら「本当はダンサーになりたかったんだ!」「えぇえ!?」再び(笑)。しかし先輩はとりあえず車を誘導しなくてはならないので、視界のすみで踊りつづける宮田を確認しつつも車を整備、そして無事収束。「な、できるんだよこんなの」と言ってくれる先輩に「やっぱ俺できないです、本当はダンサーになりたかったんです、踊ったことないけど」。先輩「うん、そんな感じしたな」宮田「俺はどうしたらいいんだー!」
そんなパニック状態なのに、さっき誘導した黒いワゴンの後部座席に上戸彩が座っていたことを目視していた宮田。「おまえすげえな!」とほめる先輩に「もしも上戸彩が彼女だったら?」妄想をふる宮田。にやにやして、でもすぐ「びえええん」と泣きだす先輩、何もない自分には上戸彩を楽しませることができないという。そこで提案される楽しませ方(遊びたっぷりフリースタイル)↓
1.先輩の上腕をさわると「マー」と鳴く:とてもしつこい宮田君。徐々にブレてくる先輩。
2.背中を叩いたほうが勝ちゲーム:上戸役の宮田君のすさまじい追い込みと至近距離でのメンチ(笑)役割を替えても同じ展開になってしまう2人。
3.「やって」と言われたことをすぐやる:「カミナリ」「ゲボゲボの男」「ツータッタ」などの無理難題。ツータッタのステップが気に入って長めにやる先輩(笑)
一度暗転して明転、2人して怒られている。最後に上腕を押されて「マー」。

‐ブリッジ2:フィンガーピアノ
iPhoneアプリのフィンガーピアノで別れの歌に挑戦する2人。初心者なのにやたら器用に弾ける設楽さんと、序盤で躓く日村さん。「おもしろい!なにこれおもしろい!」ハマる設楽さん。

・good and evil
椅子に座っているスーツの2人。椅子は白黒で、白には「善」、黒には「悪」と書かれています。座る椅子によって2人は性格がころころ変わる。バナナマンの演技力の妙。日村さん(悪)が「由美子に電話して昨日の晩は一緒にいたって言ってくれよ」というところから始まる。この由美子をめぐる恋愛と2人のあいだの友情がストーリーの軸ですが、めまぐるしい「善」と「悪」の切り替えがキモなので、要点だけ。
 ・「この豚マンジュウ!」でたー
 ・実は貴族ではなく農家の出だった日村さん、急に訛る
 ・日村さんから設楽さんへの罵声「ゴボウ!」...ゴボウ?
 ・珍しく日村さんにボコられ振り回される設楽さん(なんだかラーメンズの「蒲田の行進曲」を思い出す)
 ・設楽さんから巻き上げた10億の使い道を考えるうちに「善」の椅子に座ってしまった日村さん、世界中の恵まれない子に使いたい、つくった米を食わせて農業を教える(※超訛り)
2人ともが善の椅子に座ることで和解し、親友同士としてお別れしようとする2人。しかし日村さんが「悪」の椅子に座ってしまい、冒頭の「由美子に電話して昨日の晩は一緒にいたって言ってくれよ」のやりとりに戻る。
今年のバナナマンのオチは、ちょっと今までと違うかも。

‐ブリッジ3:冷蔵庫のあまりものでつくるおかず
ナイキの靴、エヴァに続く第三段は恐竜の世界。もはや笑いとかそういうのではない、執念。そこかしこにニイルセンの狂気をみる(このシリーズってニイルセンがつくってるんですよね?)

・すぐ立つ
ヒム子だ!これはめずらしい、女役じゃなくておかま役です。オカマは初めてかな?カフェ的なところで人を待っているヒム子。そこに「よぅ」とやってくる設楽さん。2人は旧知の友達のようで、会話のつかみで「フルーツポンチ」の逆を言わされるヒム子。ヒム子の口癖はやっぱり「お会計して〜〜」(@ゴッドタン)です。「おまえ〜」とつっこむたび立ち上がるヒム子、そんなヒム子に相談が。実は明美と結婚しようと思う、という設楽さんに、「ウソお前固めんの?固めんの!?身!身!身!」←この畳みかけおもろかった。でも2人を心から祝福するヒム子。設楽さんはプロポーズのしかたや指輪の渡しかたがわからないので、女心を知るヒム子に聞きにきたわけです。ヒム子はおかまだから結婚できないので、なんだかいいなあとうらやむ。でもヒム子には夢があって、海外でジュエリーデザイナーになりたい。だからヒム子がいつか設楽さん達の子どもに指輪をつくってあげるってさ。しみじみ。で、結婚はサプライズがいいよね!ということでヒム子が妄想を喋り散らかす間、居眠っている設楽さん。怒って起こされた設楽さん「じゃあさ、はい」とテーブルに指輪ケースを置く。「サプライズがいいんだろ?」とやたら男前な設楽さん。しかしヒム子にプロポーズしたわけではなかった。設楽さんは結婚を機に地元に帰って家業のうどん屋を継ぐので、もうヒム子には会えなくなる。がんばってジュエリーデザイナーになれよ、と立ち去る設楽さん。ヒム子大泣き。もらった指輪を嵌めようとして、もちろん指太すぎて全然嵌まらない(笑)「これ小っせ!」(超おっさん声)

‐ブリッジ4:爆竹の導火線を爆発前に切れるか
スタンガンや目隠しオムライス、コーラ飲みに次ぐ実験系。これはやってることがおもろいというより、日村さんのたたずまいとズレていく主旨がおもろい(笑)最後はテーマが「爆発する爆竹を目の前にして微動だにせずにいられるか?に変わっていました。本当に微動だにしない日村さん、すごい。

・Are you satisfied now?
いつものプチミステリ系。
明転、日村さんが座って釣り針を垂れている。完全なる「あほ」の顔で、虚空をみつめながら微動だにせず。おもむろにポケットからおむすびをとりだし、もぐもぐもぐもぐ。水筒からお茶を飲んで、虚空をみつめながらまたもぐもぐ。この間がもうすっっごい長くてねえ、客席はゲラゲラ笑ってるのですが、日村さんもこらえきれず笑い出してしまい、顔を隠すために俯いてました。おお珍しい。
そこに自転車で通りかかる駐在さん(設楽さん)「おい、パンメン!」呼びかけるも日村さん無反応。「無視すんなよパンメン!」呼ばれた日村さんいわく、「パンメンって呼ぶのは仲間だけだ。君は同級生だけど仲間じゃない」なんだか理屈くさいパンメン。2人はもと同級生なんだけど、設楽さんはクラスの1軍で日村さんは2軍だった。そういえばなんでパンメンって呼ばれてたの?と尋ねる設楽さん「パンと麺が好きだったから?」パンも麺も好きだけどごはんが一番好きなパンメン。炭水化物好き。そんなパンメンに昼間っから釣り糸垂れてるんじゃないよ、と諭す設楽さん。「そんなこと君に言われたくないね!」反抗的なパンメン、どうしてもこの川の鯉を釣りたいらしい。そんなんじゃ結婚もできねえぞ、と諭されて「僕にだっていい人がいる」というパンメン。設楽さん「カラス?」やたらカラスに懐かれてる(パンメンの家業がまんじゅう屋で、売れ残りをカラスが漁るから)けど相手は人間の女性、なんと給料3ヵ月ぶんのダイヤの指輪を!ポケットから出そうとしておむすびが出てきたのはご愛嬌。いくつおむすび持ってるの?「誰に?誰だよ?」と相手をしつこく尋ねる設楽さん「じゃあ俺が名前挙げてくから、お前は何も言わなくていい」パンメン「いやだ!顔に出る恐れがある!」あんのじょう最初に挙げた「マコさん」で顔に出まくってバレる。マコさんは数ヶ月前に東京から来た人で、パンメンに友達になってくださいと言ってくれた女性。それだけで、実は付き合ってもいないし告白すらしていない。なのにマコ饅頭までつくった(笑)そんな人に指輪を渡そうとしているパンメンが鯉を釣ろうとしているのは、むかし2軍の奴がこの川で鯉を釣り、1軍の女と付き合ったという大事件があったから。鯉を釣って告白するんだ!でも非常にも「もうここでは鯉は釣れないよ」と告げる設楽さんにいらつくパンメン、「遊んでないでパトロールしろよ!」。設楽さんすーっと裾にはけ、戻ってきて舞台を一周して「オッケイ♪」パトロール終了。
これ見てよ、と1枚の写真を差し出す設楽さん。その写真には中学生男子2人が映っていて、1人は頭にパンツをかぶっている(笑)。ケラケラ笑う日村さんに、見てほしいのはその隣だという駐在さん。彼はササキマコトといって2人の同級生。実はササキマコトは東京で宝石詐欺をしていて、捕まる前に行方をくらましてしまった。もぬけのからになった部屋には女性用の下着が。設楽「その写真、隣でパンツかぶってるのお前だぜ?」パンメン「えええ!?」そのあだ名は「パンツ仮面」からきているのでは?という話に。徐々に過去を憶い出しはじめるパンメン。中学時代、2軍はパンツをかぶる会を結成していたのだが、女と話さないという鉄の掟があったうえ、パンツを被りたい派のパンメンと履きたい派のマコト君が対立し、会は解散することに。そんなマコト君は高校に入る前に転校してしまう。パンメンへの別れの言葉が「お前といる時間が好きだった」。なんだかおかしくないコレ?
これに対する設楽さんの推理はこう。マコト君は都会に出て宝石詐欺師になり、逃亡する先に故郷を選んだ。しかもパンメンはもうマコト君に会っている。そしてマコトはパンメンを好きだったんじゃないだろうか。数ヶ月前に東京からきた女性=マコさんはマコト君じゃないのか?マコト君がパンツをかぶるんじゃなく履きたかったのも、最後に「楽しかった」じゃなくて「好きだった」と言ったのも、女との付き合いを鉄の掟で許さなかったのも、自宅に女性下着があったのも、マコさんがパンメンに近づいたのも、全部説明がつくではないか。絶望した日村さん、ダイヤの指輪を川に投げ捨ててしまいます。あらら。
パンメンの「ちくしょう!」で暗転、EDロールが流れる。おや、辛いまま終わるのかい?と思ったらもちろんそんなことはなくて、明転。
呆然としているパンメンのもとに設楽さんが駆け込んできます。
犯人がタイで身柄を拘束されたとの報が警視庁から入ったとのこと。そう、結局マコさんは全然別人だった(笑)1ミリも合っちゃいなかった設楽さんの推理。あわてて川に入って指輪を必死にさがすパンメン、けっきょく指輪は出てこないけど鯉をみつけます。それは奇跡が生まれる鯉。設楽さんに取ってもらった網ですくって、鯉を手に入れたパンメン。そこから先はわからない。暗転。

・EDトーク
公演を重ねてだんだんうまくなってきたというバナナマンの2人。「プロだからね俺たち」自画自賛してたけど、プロは最初っからずっとうまいと思う(笑)ただ慣れてきたせいか、いくつかハプニングが。最後のミステリコントで写真を手帳に挟み忘れていた設楽さん、パトロールのくだりですーっと袖にはけたのは写真を取りに戻ってたんだそうです。台本にない動きに慌て、間が持たないのでおむすびもう1個食おうかと思った日村さん(笑)。あとおむすびつながりで、冒頭のシーンで笑っちゃってごめんなさいと。客席の何人かとばっちり目が合って、「俺がずーっとおむすび食ってるの見てるんだこの人たち」と思うとおかしくてしかたなかったらしい。
あとは例によって売れてないグッズの販促など。ありがとうございました!で、幕。


浅いようで深く、単純なようで凝っていて、男でないようで男で、優しくないようで優しい。その機微を瞬間で切りとるスナップの数々。
今年も本当にありがとう。また来ます。



2010年08月06日(金)



 掃き溜めの星屑 わだかまり

「竜馬におまかせ!」を見るためだけにひかりTVに加入してしまった。
龍馬伝ブームの余波なんでしょうけど、わたしの竜馬は浜ちょんと原田芳雄(※竜馬暗殺)と決まっております。14年前のドラマでも遜色なくおもしろい〜。なんでこれがビデオ化されないんだ!浜ちょんはシャキシャキだし緒川たまきはステキだし、反町以蔵は反則だし。そういえばこのときの反町は電王(佐藤健)にもちょっと似ている。龍馬伝みてないけど。
放映が終わり次第退会しようと思うのですが、「オードリー春日のカスカスTV」が予想以上の弾けっぷりでどうしましょう。面接王→告っちゃ・そらみなの春日がいる!
あと「田代まさしのいらっしゃいマーシー」から目が離せない。いろんな意味で。


■京橋花月7月公演 1H LIVE 2010/07/21/Wed_17:30-@京橋花月

今月は東京に行かないので京橋花月に通いづめ。
試験期間中で学校は早く終わるけど、社に戻る気はまったくありません。

出演者は次の通り。
ダブルアート/和牛/フリータイム/後藤秀樹/ブロードキャスト/かまいたち/GAG少年楽団/クロスバー直撃/稲垣早希/ガリガリガリクソン/ファミリーレストラン/笑い飯

タイトル通り1時間のライブで、M-1・R-1・KOCネタがずらずらと。
客席は前半分しか埋まってなかった。そりゃ平日の5時半だもの。ということは先週水曜2時半のほぼ満席状態は異例だったわけで、ヨシモトはライセンス様々だなあ。
今回は前列2列がほとんど男性客。しかも30代後半以降、私服にリュックで、およそお笑いライブでは見ない層の人たち。「?」と思っていたら、そうか桜の稲垣早希ちゃんファンか!強!

・ダブルアート:大阪NSC30期生の若手。右側がセブンbyセブンの玉城に似ているわ。古典的な力押し漫才。一番手としてはいいけど、個人的にはシュール花盛り29期の見取り図あたりが見たかった。

・和牛:私はたぶん和牛が好きなのだろうなあ。ちょっとこぎれいすぎるけど、なんかいい漫才なんですよ。ネタは死んだ相方(賢志郎)の歌を歌い上げる水田。わりとブラックなのだが、ツッコミがあまり若手らしくなくこなれていて緩和される。引き続き追ってみよう。

・フリータイム:このコンビだけ知らなかった。広島ヨシモトらしいです。場慣れしていて空気をつかむのがうまい。街中でチケットを売る漫才。オーソドックス。

・後藤秀樹:まさかネタをやるなんて!仕切りだと思ってたので興奮しました。だるまさんがころんだのたとえコント。こういう二丁目的なのは大阪の20代後半〜30代前半のお笑い好きはたまらんよね。狐の嫁入りのよな局所的な笑いが起こっていた。

・ブロードキャスト:おっブロキャスだ。会場の空気を貪欲に掴んでいました。えーと、何のネタだったかな?昔のキンコンくらいテンポが早いので、なかなか覚えられない。…あ、救急処置だ。ブロキャスが終わったとたん席を立った団体がいた。おいおい次はかまいたちだぜ!

・かまいたち:漫才で学校の部活紹介。濱家やせた?髪切ったからかな、人相変わったように見えた。山内が終盤でおもいっきりネタを飛ばしていました。それでも残る安心感。

・GAG少年楽団:大好きなのにナマで見るのは初めて、家庭教師と生徒とその友人(彼女)のコント。やっぱりおもしろかった!トリオの時代だ。でもパンサーとは似てないと思う。

・クロスバー直撃:カラオケ店員のおっさんとおばはんの恋愛歌モノコント。泥臭!バカだ、大バカだ。笑うしかなかったです。

・稲垣早希:ロケみつ初期を見ていたので、彼女には好感をもっているのです。だから言う、ネタできないのに客寄せパンダにしてやるな!大挙してくる男連中も笑わないってどういうこと。後ろの女子がネタ中「なにこれめちゃくちゃやん」って声出して怒ってました。うん…。タレントにしてあげて!それが無理ならちゃんとした構成作家をつけてあげてほしい。

・ガリガリガリクソン:早希ちゃんありきのかぶせネタ。最初から最後までひきつけおこすほど爆笑してしまった。つかみでアスカのヅラをかぶって出てきて「さきちゃんでオ●ニーするとき僕のこの顔が思い浮かびますように」とかましていた。彼は何も恐れていない。続いて早希ちゃんが言いそうな下ネタなど。最前列の男性客たちとの確執すらネタでした。すばらしいの一言。

・ファミリーレストラン:シネマレストランコント。若手がやるようなネタを半ベテランの演技力と舞台度胸で。今ちょっと芸歴・芸風ともに中途半端な時期なんだよねー。

・笑い飯:「僕だよ、アリだよ」の漫才。会場の湧き方たるや。

いつかメッセンジャーの回にも行きたいな。
会場出たとこでブロキャスの吉村さんが出待ちの女子に対応していました。思ったより小さかった。

2010年07月21日(水)



 let's get on board

そういえばこの週末はライブスタンドなんですね。
しかし私は2日連続で京橋花月にチャリ通い。

■フットボールアワー単独ライブ‘ドレキグラム’ 2010/07/17/Sat_19:30-@京橋花月

月刊コントでみた金の斧銀の斧コントが面白すぎたので行ってみたフットボールアワーの単独コントライブ。
世界の中心で叫びたい、フットボールアワー最っ高やないか!!
座席から転げ落ちるほど笑ったコントライブはバナナマンとフットボールだけかもしれない。
もし2年前のキングオブコントでバナナマンに勝ったのがフットボールアワーだったら、私はあんなにゴネはしなかったと思う。
みっちり2時間半、すべて新ネタコントで超ド級のおもしろさ。
ブリッジがなくて本当によかったわ〜。席が最前列ど真ん中だったせいで両サイドのスクリーンがまったく見えてなかった。あと舞台があまりにも近く、肉じゃがやトーストの匂いがぷんぷん漂ってきました。はらへった。
客層も男(しかもおっさん)が半数近く、最前列は私を含めおひとりさまが多かったような。ああいう客層がついてる芸人はとてもいい。

以下コントリスト。順番と名前はたぶん微妙に違います。

・あかんのんか!
・伊臥喜一郎記念館
・日本のへそ
・かあちゃん
・DVD(※コント名確認し忘れ)
・WHY
・息子
・戦場
・バイバイ

なんだろう、ダウンタウンのごっつええ感じのコントのよう。けど不条理のフォロワーには走らず、フットボールらしく骨太のボケとツッコミが成立していて、笑いながらしんそこ感嘆していました。フットボールアワーはコントのほうがどえらいおもろい。人生にひとつ楽しみが増えたよ。嗚呼なんてすてき。

来週に東京公演&12月にDVDが出るそうなので、内容はぜひそちらで。
おそらく漫才ほど、誰が見てもOKなものではないです。でも見ておいて間違いはないです。そしてフットボールアワーの立ち位置は今のお笑い界でなにひとつ懸念がない。バカにみつかることもないし、消えることもない。行ってよかったーーー!また行く。



自分のための備忘録と感想

・あかんのんか!:ダウンタウンな世界観。昭和の貧しい食卓で世界の終わりのよなつまらない表情で飯を食う貧相な夫婦。夫婦間はほとんど喋らないのに、小さなことでも2人声をそろえて窓の外、「あかんのんか!」と糺さずにおれない。クラクション、吠える犬、近所の笑い声、電車の音、かかってくる電話、深夜の訪問者。しかもただキレるのでなく、非常に理でつめた怒り方。例:かかってきた電話に2人して「ほんまに緊急事態なんか!」「電話のとこまで来る労力に見合う内容なんか!」「ほんまに緊急やったらもう一回かかってくんのんちゃうんか!」等叫んでるうち電話切れる。

・伊臥喜一郎記念館:架空の昭和初期の文豪「伊臥喜一郎」。の、記念館にたまたまやってきた後藤と、案内してくれる学芸員のんちゃん。展示品を次々みていくうちに明らかになる伊臥像。もう爆笑しっぱなし!処女作のタイトルからのメタモルフォーゼ、右腕だけ異常に長かったせいで右腕だけ異常に長い軍服(ふつうに頬杖がつきたかったらしい)、ちん●が6本あったせいで6つチャックがついたズボン。実は文筆業は副業で、本業はレストラン店長。と時代を先駆ける発明家。発明品の数々(クーラー、テレビゲーム、ブーブークッション)がもう、すごい。ち●このくだりで笑いすぎて鼻が出た恥。

・日本のへそ:岐阜県郡上市が「日本のへそ」に決まったので、「日本の左乳首」の座を取りあう宮城県角田市市長(後藤)と宮城県白石市市長(のんちゃん)。これは美しいおバカ。個人的には「日本のアナル」こと下関市民の意見が知りたい。

・かあちゃん:番組ADの息子(後藤)と、田舎に住む母(のんちゃん)の心温まる遠距離電話。AD息子はギャル曽根や三船美佳や佐々木蔵之助をバミってきた。母からの激励:「バミれ」「オフィシャれ」。とにかく「〜る」を命令形にする母。送られてきた段ボールの中はバミり用のガムテというオチ。

・DVD(※コント名確認し忘れ):倉庫で展開される黒服スーツの男2人の争い、ドシリアス。しかし途中で無声になり、録音された2人のお気楽な会話が流れる。劇団の公演DVDの副音声というテイで、演者2人が演技を振り返りつつコメント。その間も無声で大げさな演技をする2人の妙、そしてハプニング。

・WHY:ギター後藤のカッティングにあわせてボーカルのんちゃんが絶唱するWHYネタ。途中からただのWHY語呂合わせ。単独で歌ものがあるといいなあ。客席はギター後藤登場時にえらく湧いてましたが、バラン後藤のほうが好きだ。

・息子:これも椅子から落ちかけたネタ。いろんな意味でおもしろかった!長らく帰っていなかった実家に帰ってきた娘(のんちゃん)と押し黙る父親(後藤)。言わなければいけないことが、と言い淀む娘に父「和夫!」。息子かよ!でもここからが真骨頂。和夫が言い淀んでいた内容は「オナベになりたいの」というもの。オカマじゃなくて!?と理解できない父親。和夫くんがなりたいのはただ男であることがあたりまえの男ではなく、男になりたいと渇望しながら男になりきれない男。現状=女は過程にすぎない。和夫くんはすでに豊胸手術をし、ちん●を切ってしまった。切ったち●こを醤油漬けにしてタッパーで持ってきた和夫くん、ではなくコウ。同じ紙袋に手作りクッキーの入ったタッパーが!ガサツさは和夫の片鱗。そしてコウ嬢はオナべになって和夫に戻るわけではなく、翔馬になる。なんという複雑さ。
常識的な父の台詞がおもろいコントですが、いやはやこれはいろんな意味でおもろい。

・戦場:迷彩服で土嚢越しにライフルを撃っている兵士(後藤)。その後ろからてくてく出てくる幼稚園児(のんちゃん)、場違い。「なあ、おっちゃん、何してるん?」とあくまで無邪気に聞く幼児。戦争って楽しいん?楽しないのになんで戦争してるん?やめたらええやん等、真理を言いつのる幼児についに「メッセージ性が強すぎる!」とメタにつっこむ兵士。お笑いの舞台にそんなんいらんねん。3回ほど繰り返したところでの「ボケてこい!はげヅラとかかぶってこい、突っ込んだるから!」という後藤のツッコミに思いのほかときめいた。ツッコミかっちょいい。最後、敵のライフルに蜂の巣にされた兵士に向かって幼児「よかったなあおっちゃん、よかったやん。天国には戦争なんかないから」、兵士生き返って「メッセージ性強すぎる!」

・バイバイ:ETばりに銀色の宇宙人と仲良くなったロシア系アメリカ人の弟(のんちゃん)。庭の上空に飛来した宇宙船から黄色い光線が降りてきて、宇宙人の子は吸われて上がっていく…はずがなかなか上がっていかない。バイバイに疲れて兄(後藤)を呼ぶ弟。宇宙人は「バイバイ」しか言わない。途中でタコ星人が1匹増えたり、タコはすぐ連れて行ってもらえたり。結局ズルズルっと宇宙船の光に吸われ、長〜く伸びて変わりはてた銀色の物体。兄「こんなんなってもうたらもう死んでるんちゃうん?」宇宙人「バイバイ」弟「ぜんぜん平気みたいやで」うわーブラック。オチはタコ星人がちらっと出てきてポップ。

***

ダウンタウンの芸風やスタイルに影響を受けた芸人さんはいっぱいいるけど、ダウンタウンのコントの根底にある「気持ちわるさ」「不気味さ」「居心地の悪さ」を継いでる若手はほとんどいないと思ってた。けどもしかしたら、ダウンタウンの正統を継いでるのはフットボールアワーかもしれない。


ここからいつにもましてめんどくさい話。
でも今回のコントで私がとりわけ好きだったのは「伊臥喜一郎記念館」と「息子」なので、忘れないうちに書いておこう。

終演後、ぞろぞろ出口に向かって歩いてると、カップルが伊臥の異常に長い腕について喋っていました。女性はすごい面白かったって言って、けど男性はなんかああいうのってよくないと思う、という。差別的な意味で笑えなかった、と。それで女のほうも「そっか〜、そういう人が聞いたら傷つくもんな〜」と笑うのをやめたんですけど、ちょ、おい、待て待て!

笑いが根本的に差別をはらんでいるものだ、という構造論は置いといて、お笑いが好きな人は「障害のある人を表現してはいけない」という自分の道徳観念をみつめなおしたほうがいい(※笑ってはいけない、という縛りについては「写真でひとこと」の黒人についての松本人志による的確な指摘参照)。
「差別」はもともと「差異」とおなじ意味。あらゆる人間と人間のあいだにかならず差異はあって、そこに優劣や聖俗や貴賤といった意味がくっついて、1本の線がひかれてサベツになる。人はこのサベツを恐れるあまりに差異までなかったことにしてしまう。だれだって傷つける側には立ちたくない、でも本来ある差異をないふうにしてしまう欺瞞が一番よくないことだ。
研究と仕事の関係上、いわゆる健常でない人に話を聞く機会が多いのですが、指がなくて摺りこぎみたいな手の人に会う時でも長い爪にマニキュアを塗ったままでいく。「私の障害をないものにしないで」という訴えに対して、「あなたと違って私には‘ある’」ことから逃げない意思表明として。それに不謹慎だって眉をひそめるのは健常の人である。なんで人に会うのに謹んで・慎まねばならんのだ。

このまえ仕事で初めて会った営業の人、右手指の第一関節がなかった。聞いたら生まれつきらしい。あとでうちの営業にその話をしたら、10年以上付き合いのある営業さんの指がないことに気づいてなかった。で、「すごいこと聞くね」って。目にとめてわざわざ尋ねる人間は、社会的には無神経でリスキーなんだろう。でも彼が隠していない時点でそれは聞いていいことなんだと思う。

たくさんいるはずの、身体のどこかが多かったり少なかったりする人を、街中でほとんど見ないのはなぜか。善意=思考停止によって、そういう人が黙殺されて不可視化されてしまう世の中だからだろう。障害のある人自身も時に「健常」の考えを内面化してしまっていて、自分で線引きをしてしまう。でも身体のどこかが多かったり少なかったりする人は、昔は聖や神や、あるいは普通の人でもありえた。少なくとも今ほど腫れもの扱いで見て見ぬふりはされなかった。彼らが今のような形で社会から排除されだしたのは、近代になって兵士=有用な身体の規格が確立されてから。
学問にはサバルタン論というのがあって、社会的に抑圧された人間は話すことすらできない、とされている。彼らを黙らせるのは物理的・社会的なもので、たとえ語ったとしてもそれを聞き解釈する側の人間(の善意)によって真意はねじまげられ、覆い隠されてしまう。だから被抑圧者のことばは伝わらない=語りえない。

今、身体のどこかが多かったり少なかったり、長かったり短かったり、あるいは頭がおかしかったり、そういう表現と昔に近い形で出会えるのがお笑いだと私は思っています。サベツや福祉、保障といった通常の文脈に回収されない豊かな形で。だからお笑いが好きなんだけど、地上波のお笑いではもう無理になってしまった。
教養のある人や頭のよい人、心ある人ほど近代教育の影響が濃いので、上記の倫理を内面化してしまっている。本人に聞かずに思いやって推測して、本人になりかわって代弁したり沈黙したりすることは、たとえ善意からであっても横領です。異常に腕が長い人がいたとして、傷つくかどうかは聞いてみなくちゃわからない。異常に腕が長い人10人に聞いたら、10人とも同じ答えになるはずもない。傷つけることを恐れて何も聞かないなら、10人の間にある差異は消えてしまう。それは一人の人間から個性を消して、「障害者」という仮面をかぶせてしまうことだと思う。

もちろんダメなほうでのサベツ的な笑いもあって、それは批判されるべきなんだけど、少なくとも「伊臥喜一郎記念館」はそうじゃなかった。だからあのカップルの女の子が笑わなくなったことが残念でならない。

あー、「息子」についても書きたかったけど長すぎたコレ。
まあややこしい&めんどうな。


2010年07月17日(土)



 もっと素直に僕が笑えるから

今週は水−木と下関出張でえらい目にあっていました。
私の仕事じゃないっていうかそもそも編集の仕事じゃない用なのに、豪雨の中国地方に頭から突っ込まされる理不尽。
行きは最終の新幹線が途中で止まって午前様になり、下関まで出られず小倉に泊まったんですけど、通りかかった旦過市場が膝くらいまで浸水していた。えええ…。ビジネスで来てるのが申し訳ない災害状態です。しかしなぜか住民のみなさんは陽気に太鼓を叩いて踊っていた。祭りの練習??
帰りは山陰・山陽本線が全線運行見合わせで新幹線の駅まで出れず、流れるように下関の水族館「海響館」へ。あそこはシノノメサカダザメとシーラカンス剥製がいるのだよ。

そんなわけで金曜午後の登校前、1ミリの罪悪感もなくリニューアルした京橋花月に行ってきました。代休もらったっていいくらいだぜ。


■京橋花月7月公演特選花月2部 2010/07/16/Fri_14:30-@京橋花月

ライセンスが出て、トリがやすともだったのでとってみた。
全出演者は青空・バッファロー吾郎・天津・ライセンス・テンダラー・あべこうじ・パンクブーブー・海原やすよともこ

・青空:出産から1年ぶりに復帰。おもしろくなってた!アジアンの漫才より私は愛せる。つっこみが誰かに似てるなあ誰だろう。すると明かされるストリークとの絆。そうか、ストリークに寄ってってるんだ!すごくいいと思います。がんばれ。
・バッファロー吾郎:ロボット・ポポンSに乗るコント。台詞が聞きとれない時点で、コント師として否定せざるをえない。残念。
・天津:お寿司が好きすぎる彼女の漫才。おたくでもエロ詩吟でもない、なんだか懐かしいスーツの佇まい。アドリブ入りまくりで楽しそうで、予想外におもしろかった。いいよいいよー
・ライセンス:コラボ漫才。ライセンスの名前が出たとたんアリーナ部分の女子が黄色い悲鳴を上げて座席ごと大揺れしたので、右の端っこ(※井本さんがまったく見えない席)に座っていた私は心にイムジン河が流れてしまいました。歓声あげるわうちわは振るわ、ライセンス終わった瞬間にトイレに立つわ帰るわ、もうやりたい放題。ああいうのきらーーい。やすともを見ないで帰るなんて2000円をドブに捨てるようなものなのに。ネタとしては遊びもあったし若干贔屓目でよかったのですが、やっぱり他の漫才師と比べるとつらい。スケールと成長率が大問題で、人気との反比例に暗澹たる気持ちになる。あ、スーツじゃなかったです。いのもっさんはポロシャツにスパッツにバギーっぽい半パンだったような。藤原さんの服装を覚えていない自分に愕然中です。ある意味真っ正面だったのに…!
・テンダラー:前列中央の客がガンガン席を立つのでやりにくそうでした。なんかもう泣きたかったわ、往年の$10を知ってるお笑い好きとして。「出てこーい」のくだりで大笑いしましたけどね。大好きだ。
・あべこうじ:例の漫談。客のいじりかたとかすばらしいですね。ただ、純然たる関東弁をあの猛スピードで喋られてしまうと、ネイティブでない関西人は流れについてくのがせいいっぱいで…。もうちょっとゆっくり聞きたかったなあ。あべちゃんの出囃子がフリッパーズの「恋とマシンガン」でふつうにテンションと好感度あがる。
・パンクブーブー:つかみの喧嘩ネタから、彼女と別れるときは笑顔での本ネタ。さすが王者!漫才師としての力量とスケールのデカさよ。パンブーはそんなに好きなタイプの漫才ではないけど、これはもう大笑いしました。空気をつかむうまさ、押し引き、客席との一体感、声の大きさ、身体の動き、舞台の使い方、テンポ、どれをとってもすばらしかった。M-1の結果に煮え切ってない関西人は一度ナマでみればいいと思うよ。
・海原やすよともこ:もう貫録でしかない、盤石。会場の笑い声が「ドォン」と聴こえる。大阪という街の下品さについての漫才だったかな。やすともレベルになるとネタなんてなんでもいいんです。10回同じネタを聞いても笑える。というか20回だって聞きたい。アリーナのライセンス女子たち(生き残り勢)も手を叩いて笑っていたので、ちょっとだけ心の扉が開きました。


半ばライセンスのために見に行ったのに、ライセンスが出てなければもっと楽しめただろうという皮肉な公演になってしまった。なんでこうなるかな〜。ひさびさに生ライセンス見たい!という思いは今後トーク以外は封じようと思う。
あと東京の漫才師で生で見てみたいのは、中堅どころでトータルテンボスとナイツ。テレビであれだけ面白いなら舞台でどれほどかと。若手は囲碁将棋とロシアンモンキー、流れ星、天狗、トンファー、タモンズあたり。

あっ、今日はこれからフットボールアワーの単独だ!

2010年07月16日(金)



 陰画のようにくりぬいた

iPhoneをアップデートしたらiBookアプリが使えるように。
こんな小さい画面で大丈夫かしら、と試してみたら世界の名作がタダでDLできるではないか!
赤毛のアンとかホームズとかジェーン・エアとか、ドストエスフキーだってワイルドだってディケンズだって読みほうだい。私は小学校まではわりかし正統派の読書をしていた。でも読み方はナナメだった。


今夏は西のライブにこまめに通うつもりの地元第2弾。

■‘悪いWARAI〜関西芸能事務所の集い〜’2010/06/30/Wed_19:30-@ヨシモト∞ホール大阪

なすなかにし改めいまぶーむがいなくなったさびしさに耐えられず取ったライブですが、整理番号は14番。アレ?そんなもん?
客層も内容もわからないまま大学からなんばに直行、∞ホールのパイプ椅子に適当に座って本読んでたら前後左右を成人男子(notスーツ)に固められる。しかも左右が不潔くんと社会不適応くん。こ、こんなお笑いライブ初めてだわ。ルミネの最前列3列内に座ってる眼福露出女子を座らせたら、ナメクジみたくじゅわっと消えると思います。

※ちなみにチケットに書いてあった出演者
MC:メッセンジャーあいはら
ヨシモト:ガリガリガリクソン/シャンプーハット小出水/とろサーモン村田
松竹芸能:いまぶーむ(元なすなかにし)
デリートエンターテイメント:森プロジェクト/シャトー
ケーエープロダクション:レモンスカッシュ

後半は全然知らない事務所の知らない芸人さんたちです。
ガリクソンの肝っ玉の座りすぎたツカミのあと、他事務所の芸人さんたちの挨拶がわりのひとネタ。
最初のいまぶーむがABCお笑いグランプリ新人賞をとった輝かしい「ドレミの歌」ネタをガチでやったため、みんなも本ネタをかけなくてはならない流れに。いまぶーむ以外は3〜0割ウケでした。知らないから笑わなかったのではないよ。
顔のまずさでいったらガリクソンとなすなかの中西がワンツーなんですけど、ちゃんと人前に出て見られる「芸人」の顔なんですよね。でも他事務所の4人は見ちゃいけない素人感があって、ネタ以前に空気で笑えない気が。
ちなみに那須とこいちゃんと村田はふつうに男前。

トークの大半が悪口・下ネタ・金の話などオフレコの嵐でした(※超貴重)
テーマは「これだけはヨシモトに勝っていること」「営業代」「事務所への不満」「楽屋事情・風景」「一番嫌われている芸人は?」「事務所でいちばんチン●がでかい芸人(強制終了)」「これからどういう芸人になっていきたいか」等ゲスい話題が盛りだくさんでしたが、覚えてて書けるとこだけ羅列。
吉本の芸人は何やかや言っても松竹が大好きなんだなと思う。

・パラが3回ぐらい相方たもつの話をしていて、なごむ
・いまぶーむは上京して月収が4分の1に減った
・「いまぶーむ」以外の改名候補は「神輿かつぐおろす」「扇子あおぐそよぐ」など(そっちのほうがええやん!)
・「那須のきれいな顔とガラ声のギャップがたまらない」と●門をひくつかせるこいちゃん
・その後もたびたび暴走してパラに優しく止められるこいちゃん
・デリートエンターテイメントはシャトーの元追っかけが事務所社長
・シャトーには相方がいるが、平日はダイハツでフル勤務している3人の子持ち
・レモンスカッシュの岡部にも3人の子どもが!(副業なし)
・とろサーモンの久保田はAV台本執筆の次は「久保田水産」を立ち上げてレッドビーシュリンプの養殖を始めた
・営業代の格差:レモンスカッシュの岡崎は枕をやっているという強引な結論
・ガリクソンによる脇腹をえぐりこむヨシモト批判に対し、パラ「おまえヨシモトの本丸でえらいことぶちこむな!」(※無限大ホールはNGKの上にあります)
・こいちゃんはヨシモトにとても感謝している、という良い話があったのだが、理由が書けない
・ヨシモトの芸人はみんな「芸人しか無理」と自覚しているのであまり不満はない
・ヨシモトで売れてるのは皆いい人(人数が多いので性格の悪い人は淘汰されていく)
・プラスマイナス岩橋の話は聞けば聞くほど紙一重である
・18馬身の独走状態で事務所中から嫌われているはるかかなた師匠
・横山たかしひろし師匠に呼び出され、「はるか無視せえ」と強要される中西
・どつき漫才でどつかれすぎてパンチドランカー状態の敏江師匠
・暁照夫・光夫師匠の弟子を説教するせりふがおもろかったのだが、書けない
・ケーエーは横山ホットブラザース師匠が所属している事務所、松竹から流れてくる芸人多数
・こいちゃんは東京で100万もらうより大阪で月30万を60年続けたほうがいいそうです
・夢はないけどうれしい、ありがとう
・パラは大阪で将来自分の立場を脅かしそうな芸人を東京に追いやっている

ヨシモト・松竹以外にも平等に話を振ってたんだけど、やっぱり格が違う。
というか松竹芸能の師匠話がおもろすぎた。
なすなかにし帰ってきてほしいよー。

そういえばとろサーモンが来月から東京進出するって言ってたけど、え、明日から!?

2010年06月30日(水)
初日 最新 目次 MAIL