ヒルカニヤの虎



 つながらない想いを土に返した

初のカリカ単独!土日にしてくれて本当にありがとう。

先週の前半は神様はいると思ったりして、小沢君のことしか考えてなかったのになあ。
後半はずっとダイスを転がせ(♪けっこう体はボロボロ/だけどやらなきゃ悔いが残るだろ)ヘビロテ。水木金と長野出張が長引き、ホテルで木曜〆切の論文書き上げたりしつつ2本取材して金曜。夕方ギリギリで長野から帰阪、大学に直行してとんぼ返りで出勤する。そのまま午前様まで仕事して、土曜朝に最低限の家事だけやって昼のJALで東京へ。爆睡してたから飛行機が離陸したのも着陸したのも覚えてない...。カリカじゃなかったら東京往復のチケット捨ててたなあきっと。4日で3キロ落ちた。

そこまでして見たかったカリカ単独「魔王コント」、2回分とって本当によかったです。いさぎよくカリカしか見なかったのもよかった。調子こいてオールナイトなぞ入れてたらと思うとゾッとする。
土曜昼の回ではふだん使わない頭がなかなか動き出してくれなくて、うわすべってほとんど飲み込めませんでした。情報量が多すぎて脳がフリーズした状態。「これもう1回みるのしんどい」というのが正直な感想だった。でも夜の回でいろんなことが一気に流れ込んできた。それでも脳が疲れすぎて、夜の回終わってからファミレスでパフェ喰ったもんな。酒も飲まず飯もくわずパフェのみ。ふだん甘味食えないのに私。それぐらいの消費量です。

カリカのコントはことばにするのがとても難しいけど、覚えてる限りかこうと思う。笑い部分はあらわしようがありませんが、あんな凄いもの、全力籠められたものが残らないなんていやだ。狂気と猥雑とカオスと、無意識に刺さるなにか。カリカはとても境界的なのに(リンチのマルホランドドライブをふと思い出す)、伝えたいことがきわめて厳しくて強い。
かなり長くなると思うので、これから徐々に書き足していきます。
あ、感想じゃなく書き起こしだから反転にしとこうっと。※記事が長すぎて放送事故みたいなので、文字グレイにしました。

そういえば昼の回はBコース羽生大先生やガリットチュウ熊谷さんやライス関町、田所、山田カントリー浅井くん、しんじなど芸人がもりだくさん観にきてました。他にももっといたんだろうな。他の吉本芸人のライブに比べて、ダントツで男が多かった気がする。


■カリカ単独ライブ‘魔王コント’2010/06/012/Sat_15:00-/19:00-@スペース・ゼロ

あなたは魔王を殺せますか?


※幕ごとのタイトルは超適当です。

SE:まっくらやみに鳴り響くサイレンの音、阿鼻叫喚の声。

OP:アポロが流れてOP映像が始まる。ポルノて。カリカの2人が新宿南口からスペースゼロに歩いていくのを早送り。途中で家城さんが上半身裸で行き倒れてるのに爆笑しました。なんて行き倒れが似合うんだ。抜群のコジキ感。
その映像の合間にインサートされるインタビューふうの映像。
「オレが魔王を倒すから!」チェケラッチョなアーティスト風のかっこした家城さんがイキって言う「何年かけてもオレ魔王倒すから!マジで!」

スラム。死んだ男からスーツをはぎとるオコチャとヨコハマナンバー大塚。
林「待ってつかぁさい!」2人「林ちゃん!」
演歌にのって堂々と登場した林ちゃんは演歌歌手の着物を着ておる。でもイントロに乗ってキメ顔するだけで歌わない。
死体をみて「これは本当に人間の死体か?爆弾ロボットでは?」と疑う林ちゃん「...ただの死体か」なんだか意味深。
オコチャと大塚はどうやら格下で、林ちゃんは必殺技・ぐるぐるパンチでスーツを自分のものに。
「スーツなんか着るの初めてだから俺」
そのわりに異常にスムーズにネクタイを結べていますが。
「魔王でも倒しに行ってやるかな!」
林ちゃんの両親は魔王の部下に殺されたといいます。魔王がいつからいるのか、どれくらい人間を殺してきたかはわからない。魔王がいなければこんなスラムもなくなるのに。

村の宴会にて。いつのまにやら林景荘による魔王討伐が決定されている貧民窟。ばあさんに「3回までだよ」と念を押される林ちゃん。何を3回??
魔王討伐にあたっての演説をぶつうちに熱くなって来た林「なんだか興奮して参りました!エイエイオー!エイエイオー!」(客席に)「言えよ!!」しょうがないからやってやったよ。だって前から2列目だったんだよ...。そして兄弟船をフルコーラスガチで歌う林ちゃん。
♪波の谷間に命の花があぁ〜 うまい!

宴会のあと。林ちゃんだけ潰れているところに魔王が来たという知らせ。こんな村にどうして魔王が!?この村にダライラマが視察に来てるから。袈裟姿のデッカチャン登場「ダライだ!」ちょっと会釈してくれる腰の低い生ダライ。
そこに荘厳な音楽がかかり、登場する魔族と魔王。従者の魔族たちもあやしげだけど、赤いマントに2mを越す長身、2つ角の冠、ご光背みたいに人間や虎の生首を背にぶっ差している魔王、顔は家城さん。こわ!
物陰からみている林ちゃんとオコチャと大塚。
林「あんなのムリムリムリムリ!」
魔「(ダライラマに向かって)門下の首千人分を差し出す決心はできたか?」おそろしく低く響く声(マイクで効果がついている)。
ダライ「そそそれは無理なんだな」(裸の大将風)
そんなやりとりを尻目にオコチャ「林ちゃんにはぐるぐるパンチがあるじゃないか!村の皆が見てるよ!」ということで、「おい魔王、これでもくらえ!」と乱入、ぐるぐる〜の準備態勢に入る林ちゃん。
しかし魔王は遠くの山にある街をあっけなく千手観音波動砲的な光線で山ごと爆破してしまう。こっえー!当然なにごともなかったかのように戻る林ちゃん。しかし部下の魔族にバレる。
部「オマエら魔王さまに何かしようとしたな?誰だ!?」
林「すみません(オコチャを差して)こいつです」
オコチャ「ええええ!?」
刀で刺されてオコチャ死ぬ。ええええ!?こんなのに勝てるわけない!

映像:BGMは銀河。ソファにテーブル、カリカ2人の間に天使のかっこうをした女の子。3人の前には3つのグラスがあり、水が満たされている。そのうち1つに天使が白い粉をサラサラ溶かす。3人それぞれがグラスをシャッフル。どれが粉入りかわからないまま、ジャンケンでグラスを選んでそれぞれ水を飲む。ぱたりと倒れる天使。ソファから立ち上がって立ち去るカリカの2人。去り際すこし笑っている家城さん。アレこれがOP映像じゃないの??

別れと博士。林ちゃんと白い三角巾をつけた幽霊オコチャが向き合っている。
オコチャ「なんで!?ねえなんで!?」林ちゃん「ごめん!」平謝り。
殺せるもんなら殺したいオコチャ「今回だけだよ!」でも許してくれた。
どうやったらあんな強い魔王を倒せるんだろう?博士みたいな人がそこにいるから聞いてみよう、と博士(コッセこういち)に聞く。なにやらいろいろ知っている博士、願い事を叶える方法を教えてくれる。話し中、ふと正面をむく三角巾のオコチャ。
オコチャ「...俺、もう行かなくちゃいけない」林「ああうん(博士の話に夢中)」殺した相手におざなりに扱われ「恨んでるっちゃ恨んでるからね!?」あの世に立ち去るオコチャ。哀れだ〜。
さて、世界には絶滅したはずの虎が7匹いる。傲慢の虎、憤怒の虎、強欲の虎、暴食の虎、嫉妬の虎、怠惰の虎、色欲の虎というキリスト教の7つの大罪を倒すと7つのタイガーバームが手に入る。7つのタイガーバームを集めて虎っぽく吠えられたら虎の王様みたいのが出て来て1つだけ願い事がかなう。なんという鳥山明感。でもタイガーバームをあけると倒した虎が蘇ってしまうらしい。
魔王を直接倒すより虎7匹倒して魔王を倒してもらったほうが楽そう!ということで、虎を探す旅に出る林ちゃん。これはドラクエなのかな??

俺の名前は林景荘(リンケイソウ)、で始まる林ちゃんのモノローグ。
季節は秋から冬へとかわり、修行しながら旅を続けてきた林ちゃんは怖いのでバットを持っています。これ後でシモで効いてくるから。
やっとみつけた一匹目の虎は「怠惰の虎」。虎皮の中身はもちろん家城さん。空気を読まずバットで殴り掛かる林ちゃん。殴るのダメだよというジェスチャーで林ちゃんをがうっと押さえ、「だらだらごろごろばとーる」で床にゴロンしちゃう虎。空気を読まずさらにぐるぐるパンチを繰り出す林ちゃん。
虎「段取りとかあるから!」しゃべった!ぐるぐるパンチは地味に痛いらしい。でもダサい。倒す倒すとしゃかりきの林ちゃんに対し、あくまでダルそうな怠惰の虎。戦いの例:だらだらしててダメな奴が言いそうなこと「小学校のときに転校したんだけどぉ、あんときから全部がおかしい」「あなたの仕事はぼくの部屋にごはんを運ぶことです(意味不明)」など。あとブッダもコジキだったってのは2回目だったのかな?
業を煮やしてさらにぐるぐるパンチを繰り出す林ちゃん、相手がねっころがってるもんだからただの甘え上手な大型犬。ようやっとキレた虎が林ちゃんの腕にがるると噛みつく。そこでフィードバックする1幕、スラムのばあさんの声。
「ぐるぐるパンチは3回までだよ」
「それ以上やると身体がもたなくなるよ」
あれはそういうことだったのか!というかばあさんの映像がジブリキャラ(笑)
死力を尽くして4度目のぐるぐるパンチを繰り出し、怠惰の虎をやっつける林ちゃん。でももう身体が...!虎が消えた後にはタイガーバームが落ちている。

「もがき」(これはエロパートなのでよく覚えている私)
「ああ...塗りてぇ〜...タイガーバーム...」そう、タイガーバームは何でも治す魔法の薬。「景荘です...塗りたいとです...景荘です...」
※ここらあたりで林ちゃんは股間にバットを挟んで上下に擦ったり昇りつめたりしている。ビクビクっときて「あっ....!」イった(笑)。昇天後のケイレンに周りから浮くほど笑ってしまう私。
そこに現れたのは旅人リッキー。タイガーバームを集めて世界を旅する彼は存外弱く、バット一撃で死んでしまった。林「もろい!」リッキーの腰の袋にはなんと6つのタイガーバームが。「揃っちゃいましたけど!?」安易に揃いました。これで魔王を倒せる!
しかし虎っぽく吠えられない林ちゃん。吠えても吠えてもタイガーバームはぴくりともしない。「無理だよぉ〜あお〜ん!」悲しい遠吠えに一天にわかにかき曇り、SEで七頭の虎の吠え声が近づいてくる(これ超こわかった)。
「私を呼んだのはきさまか(超低音)」
現れたのは...シェンロンにあらず、なんと魔王でありました。
魔「さあ、願いごとは何だ」林「魔王ですよね!?」魔「もともとこちらが本業だ」
魔王は副業なのかよ!というツッコミもできない林ちゃん、気まずさと怖さに泣きだす。
魔「勇者よ、さあ願い事を言え」
林「魔王を、ですね...」魔「うん?」林「魔王を......」魔「早く願い事を言え!」林「オコチャを生き返らせてください!!」結局言えなかった林ちゃん。
魔「たやすいことだ」林「そりゃそうでしょうねえ!」
願いを叶えたっぽい魔王、虎の吠え声とともに立ち去る。
タイガーバームはドラゴンボールのようにちりぢりに。
エーンエーンと泣き出す林ちゃん「魔王に魔王を殺してくれなんて言えますか?それは自殺を頼むようなものですよね。あの状況で、あなたは魔王を殺せますか?」
ここで1つめの答えが出ます。魔王は殺せない。
寝っ転がっている林ちゃんのもとに物知りカスタマイズ(遠藤はやと)がやってくる。例によってひどいカツゼツでカスタマイズの説明を。その後ほとんど説明もなしに何でも切れる伝説の剣の存在を教えてくれました。エスパー!
南の島の長寿の国にその剣はあるといいます。それなら魔王を切れるかもしれない。でもその剣は岩に刺さっていて、どうしても抜くことができない。
去り際のカスタマイズ「その剣を抜いた者...誰もいない」林「謎めかさないでえ!」

「伝説の剣 カリカ」(カリカの文字はあとでインサートされる)
南の島にやってきた林ちゃん。ちなみに林ちゃんは着物を着替えてからずっとスーツで、序盤から飛び散る汗がまぶしかったのですが、このころにはもはや滝のようでした。林ちゃん水生動物なの?
舞台には剣が刺さった岩があり、その横に王様(デッカチャン)があざらしのよに寝ている。起こしにくる侍従(...大河?)に会釈。「風邪ひきますよ〜」と起こされた王様「これ桃屋のラー油じゃねえだろ!」ねぼけとる。でも友好的だった。昔はいろんな人が剣を抜きにきて観光地化してたけど、今はもうあきらめて誰も寄り付かないという。姫がいるからと呼びに行く国王と侍従。
一人になった林ちゃん、物思いにふけりながらふと剣に手を伸ばし、考え考え剣を抜いて振り回し...って抜けた!「やだぁ!」なぜにオカマ。デコラティブな剣を手に「力が漲ってくる...!」「エイエイオー!エイエイオー!」すごい剣らしいです。さっさと剣を持って逃げようとするも「国王の前で抜くってのもオツなんじゃないの?」てことで岩にいったん剣を戻す。
そこに戻ってくる主従「お待たせ〜抜けなかったでしょ?」林「ええ無理でした(しらっと)」国王「抜けても抜けなくても一緒だけどね...」んん?
王様に明日の朝は早いかと聞かれ、いいえ、というと歓迎会を開いてくれるとのこと。剣を抜いたものには伝説の剣・カリカが与えられる。カリカは実は何でも切れる剣ではなく、初期衝動を呼び起こすもの。ああだから「エイエイオー」だったのか。そしてカリカを手にしたものは国王の娘・みゆきを妻として授けられる。林「結婚までできちゃうの!?」
そこにみゆき姫登場。もちろん家城さんです。くちびる真っ赤、2列目からみるとそれはもう破壊的にものすごいことに(たぶん遠目から見る分にはきれいなんじゃなかろうか)。みゆきは「その剣を抜いて見事わらわの心を射止めてみよ!」と言い放つ超高飛車な女。林「ぶさいくが上からきましたよ!」
「さあ抜け!」という国王の命令のもと、抜くフリをして脚を吊らせる林ちゃん。国王「やっぱりかぁ〜〜!」しかしだまされない姫「おい七三メガネ!刀を抜くのにどうして脚がトゥる?どうして本気でやらない!?」バレた。もう一度こころみるも、今度は持病の握力ゼロ病で抜けないフリ。そんな本気で挑もうともしない男なんて好きになれない、とツンをかます姫の背後でバットをふりかざす林ちゃん。殺意ですね。
姫「おぬしなら抜ける」林「抜けないんです」姫「抜ける」林「抜けません!」姫「抜ける!」林「無理です!」姫「チンカスがぁ!」林「抜いてやるよバカヤロー!!」激昂した林ちゃん、ついに岩に刺さった剣に手をかける。林「王様、抜いちゃいますよ!」王「頼む抜いてくれ!」王様は姫がブスだから剣を抜く者がいない、ということを知っていた。そのうえでこの長い歴史に終止符を打ってくれと林ちゃんに頼む。この人ら800年もこんなことやってるそうです。王様が1200歳、姫が750歳、侍従が32歳。林「よく話あいますね」たしかに。
どうして剣を抜かないのかと詰め寄る姫に、「あなたがブスだからですよ!」ぶちまけてしまう林ちゃん。姫「...ブス?」しかし国民に箝口令がしかれていて、姫はブスという言葉を知らなかった。姫「ブスって何なの?」問いに答えられず、口に爆弾を含んで泣きながら走り去る侍従。次いで爆発音。林「自爆した!ええ!?」だまって顔にふりかかった爆発の破片をぬぐう姫。林「フルーツですよ、ブスは苦いフルーツです。ではこれで」でもこの国からは逃げられない。国王に処刑されてしまうから。
「なぜ剣を抜かない!」苛立つ姫。そうだキスしてやろう、キスすれば姫の魅力に気づき剣を抜きたくなるだろう...というのに林ちゃん全力拒否。姫「なぜキスしないのだ!」林「だからおまえがぶさいくだからだよ!」またぶちまけてしまいます。姫「ねぇおとうさまぁ、ぶさいくってなぁに?」無邪気な問いに国王は泣きながら舞台袖へ去る。そして爆破音。さっきより大量にふりかかった破片を無言でぬぐう姫。なんという負の連鎖なのか。
ブス・ぶさいくとは可愛くないし美しくない、汚れている、顔を大けがしているということ。林ちゃんによって姫は真実を知らされました。姫「嘘よ!ほら、おぬしの剣を抜いてみよ!」林「ブスが下ネタ言ってんじゃねえよ!汚物!」
剣は物凄くほしいけどあなたは本当にほしくない、と聞いて錯乱し歌い出すみゆき姫。「♪あたし中卒やからね仕事をもらわれへんのやと書いた〜」ファイトの一番きついところをガクガク首を振って、サビとばして「♪あたし男に生まれればよかったわ〜」絶唱。林「もうやめてください!」姫「ファイト♪」思わずみゆき姫を地面に叩き付ける林ちゃん。
地に伏せた状態から起き上がり「糸」にあわせておどるみゆき姫。天に伸びた腕がほんとうにきれいだった。バットを股間に挟んで上下させたりもしていましたが。「♪たての糸はあなた〜横の糸はわたし〜」のこっけいな動きが哀しい。肩から二の腕から人差し指のさきまでピンと神経が貫かれていて、林ちゃんに伸ばされる腕が哀れにぶるぶる震えて、指先へ絶望の感情がほとばしって、そこから花が咲くよう。笑いながら観ていたのになんだか心打たれました。すごく汚いのにきれい。「うわあああ!」叫んでついに剣を抜いた林ちゃんにほほえんで駈けよろうとするみゆき姫、その胸を刺しつらぬく剣。みゆき姫は「ありがとう」と言ってこときれます。逢うべき糸に出逢えることを人は仕合わせと呼ぶ。だからみゆき姫は、それでも最後は幸せだったんだろう。

※なっげえ!みゆき姫が好きすぎて、どうしても書いておきたかった。ここが前半の山場でした。しかしこれが前フリでしかないという脅威。あとお下品夫人と初めての魔王の間を書くまでは終われない!しかし3日たって記憶が薄れつつあるため、次からかなり曖昧です。
はじめてエンピツから文字数オーバーを告げられた。
エンピツって文字制限あったんだね!

 

2010年06月12日(土)



 返事じゃない言葉を喋りだすのなら

■小沢健二‘ひふみよ’ 2010/06/06/Sun_17:30-@神戸こくさいホール

前から10列目真ん中寄りという超絶アタリ席でした。
小沢くんの声はつよく太く伸びていた。でも変わっていなかった。ああ間に合った!ウン十年前に生まれてこの瞬間まで生きてこれてよかった、ほんとによかった。楽しかった、ありがとう全部に!
総立ちの客席はみんな渇望していて、みんな歌でうるおっていくのがわかった。私はあの場にいた人たちを無条件で愛する。たとえネガティブな感想を抱えて帰った人であっても。

会場で思ったことや感極まったことは結局全部10年以上前に小沢くん自身によって歌われてあって、まるで追体験みたいに思えました。ものすごく近い場所に来てくれたのにすさまじい距離があって、温かいのに寒いような、とても不思議なかんじがした。「帰ってきた」ではなくて、旅の途中で「立ち寄ってくれた」というような。それでも十分なんですけど、さみしいなあ。贅沢だなあ。


蛇足としての備忘録

・曲の順番(?はうろ覚え):流星ビバップ→僕らが旅に出る理由→天使たちのシーン(編曲)→いちごが染まる→ローラースケートパーク→東京恋愛専科?(メドレーみたいになってた)→ローラースケートパーク→ラブリーの歌詞変更練習「1時間後にやります!」→カローラ�に乗って→痛快ウキウキ通り→天気読み→戦場のボーイズライフ→強い気持ち・強い愛→ブギーバック→夢が夢なら→麝香?→シッカショ節→さよならなんて云えないよ→ドアをノックするのは誰だ?→ある光→時間軸を曲げる?→ラブリー(練習Ver.)→流星ビバップ→アンコール:いちょう並木のセレナーデ→愛し愛されて生きるのさ。怒濤!
・MC(エッセイみたいなのの朗読):停電の夜のNY→ひふみよいつむ〜の音韻、動物と想像力が越える国境→貧富と優越感と車と、音楽と。「この街の大衆音楽の一部であることを誇りに思います。ありがとう」→安全志向とアジア的自転車の乗り方→笑い(※メモ:自分にだけわかる狭い笑いでこそ人は大きな声で笑う、まさにその通り。けど共同体内部における排他性はローカル性と同義か?)→アンコール「呼んでくれたらまた来る」ってさ!
・13拍子曲の小沢くんがしぬほどかわいい、けしからん(顔のよこでキュッキュッと電球を交換するみたいな、不思議な動きでおどる)
・麝香の「心の鍵が開く小さな音を覚えている」というフレーズを聴いてアルバム購入検討中
・「この愛はメッセージ!」で思わず泣く
・ほんのひとくだりの「ある光」でも泣く
・でも「いつか僕ら外へ飛び出すよ」で泣くのをやめる
・われらときをゆく♪
・ああ、天気読みもよかったなあ

MC朗読は小沢くんが極力アカデミックなことばを使わず、だれでもわかるように話そうとしてるのが伝わってきた。うさぎ!もセラピー的なあれも買ってないし読んでないから推測だけど、以前エコ報道が流れたときにわたしは彼をエコじゃなく反資本&アンチグローバリズムって書いたような気がする。でもアンチでも反でもないなとMC聞いてて思った。ただそういう事実として世界はとらえられている。なら消費(と流通)についてどう考えるのかを知りたい。彼の関心は資本の拡大(の美しさと残酷さ)ではなくて、消費し・される側のこころ(の無自覚性)にあるみたいだもの。せめてセラピー的&企業的は買っときゃよかったなー。
Tシャツはピンクの月光レディースをかろうじて買えました。首や肩回りもろもろがすごい余るけど、これはどう着ればいいのだ。

帰りはアジア的混沌にまかせて自転車で疾走。夢が夢ならそれでもかまわない(死んだっていいや)の精神で。帰宅してからシングルのみ収録曲もiPhoneに入れようと思い立ち、懐かしの8cmCDをPCにぶっこむ。カローラ�だけiTunesが読み込んでくれない!!なんでー!?

うーん全然眠くならないな、どうしよう今日も徹夜かしら。
でも論文は一文字たりとも進まない自信があるぜ。


例によって最近のお笑い事情
・ジャイケルマクソンにシンクタンクとしましまんず登場。2010年上半期のテレビシーンで最も手に汗握る展開であった。ビジュアルバムの「都」そのままの泥臭さ。つばさきよしとヘッドライトの未来の姿をみる。
・いまぶーむ(旧なすなかにし)を見るためだけに「悪いWARAI」のチケットをとる。彼らの東京進出&改名で関西お笑い界の希望の火がひとつ消えたのだから、その行く末は見届けなければ。
・アメトーークでRG同好会。RGがバカにみつかる日がついに来たか!半ば絶望しながらオンエアを迎えたいと思います。
・「RG vs ハブ」が6月13日夜開催とのこと。カリカ単独の次の日なのに、僻地出張でどうしても日曜朝に大阪に帰らねばならない。誰か、誰かレポを!

2010年06月06日(日)



 地下鉄の改札から218秒かけて

えっもうすぐ6月!?

犬の心が出るのでとりあえず確保した京橋夜芝居。
前回のBENKEIがイマイチだったので直前まで迷いましたが、
主役と脇役が攻守交代ということでチャリこいで行ってきました。

結果、すっっっごいよかった!!
明日どうしようか迷ってる人はぜひ千秋楽見にいってください。ベタだけどきっと損はない。まだチケットあるそうなのでほんとにぜひ。
これから確実に各都市まわると思うけど、時間があれば明日もう1回見たいなあ。BENKEIと同じ脚本家さんなんだと思いますが、前回よりずっとよかったです。


■YOSHIWARA〜過去を失くした或る男の話〜
2010/05/22/Sat_19:30-@京橋花月

芝居ものなのでストーリーは極力ネタばれず、芸人さんの感想だけ軽めに。

紀州みかんの帆掛け舟、ときいて♪沖の暗いのに白帆が見える♪が浮かぶ私は骨髄のパタリロっ子。
紀伊國屋文左衛門(紀文)=犬の心池谷だけ史実なのかな。
前回の海尊しかり、歴史上の人物を一人たててそれを軸になんちゃって歴史ファンタジーをふくらませていく、というタイプの脚本家さんのよう。
話の構成とか悪役のカンジとかも前回と激似ですが、今回は大変おもしろかったので無問題です。終盤は会場客席がほとんど泣いてた。

主役が犬の心2人で、グランジ・ラフコン・あべこうじが脇役。
でも裏主役はあべこうじ。悲恋悲劇でめちゃくちゃかっこええ役。にくいね。
オカマの遠山も影武者のごめたんも半ボケじじいの重岡もあやしい博士の森木も、皆いきいきしていてすばらしかった。BENKEIのときは主役級のグランジと重岡がしんどそうで残念だったのですが、彼らは脇に回ればまぶしいほど光る役者さんだったようです。なんという自由!グランジはやっぱイロモノだよね!反則すぎる佐藤大には爆笑させていただいた。佐藤大のアドリブのためだけでももう1回みたいです。楽しかったー。舞台上ではかたくななほど役に入ったままの押見さんが珍しく笑ってしまったほど。
ラフコン重は本来ああいう自由な役がいいんだと思う。遊びの部分はほんとに楽しそうだった。森木はそんなに役作りしてないのに、カメレオンのように色を変えられるいい役者さんだとあらためて思う。みんなハマり役です。

22日のゲストは浅越ゴエ。のっけから異常に高いテンションで、最終的にはコサックダンスを踊っていました。アレこんな人だっけ?EDで自ら「一皮剥けました」って言ってた。たしかに。追いつめられてもいないのに。恒例の大喜利コーナーは安定感があってよかったです。

あと今回の悪役だったライパッチの踊るほう、殺陣すごかった。池谷さんと互角で非常に見ごたえあった。見た目も舞台映えします。相方のダメメガネはいいお笑いパートを奏でていました。2人とも上背あるし、舞台に向いてるっぽいコンビ。

主役の犬の心は抜群の安定感でね、特に書くこともないほど。よい意味で期待を裏切らない人たちです。池谷さんがヒーロー役なのはすごい説得力。押見さんは受け身のほうの主役だからあんまり面白みはないけど、個性的すぎる脇役に食われてしまわない盤石の演技力でした。やっぱり犬だけ高性能マイクつけてるんじゃ?と疑う発声とカツゼツ。

予算ないのもがんばって工夫してたし、時代考証も言葉も途中で気にならなくなったし、熱い芝居だったなー。曲は9ミリ。
またこの組み合わせ・攻守の芝居があれば見に行きたいです。満足。



今日の関西ローカル:ウラマヨ(PM13:00-)にて小杉が「吉田の元カノが結婚した」とのできたてほやほや傷心話を暴露。暴露に「ガチすぎるやろ!」と憤る吉田→マヨブラジオ(PM24:50-)にて吉田が涙目でしみじみ元カノ結婚話。小杉の心配&思いやりにさらに涙目の吉田。話がぶりかえすたびにうるむおセンチ吉田。なんてドラマチックな土曜。

2010年05月22日(土)



 愛に溺れてフワフワ

ライセンス出演フレンドパークの傷心が癒えない今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。
わたしはフレンドパーク永久保存版の木更津キャッツメン/オードリーの回を見て平常心を取り戻さんと躍起でした。あの子らはほんまにあかんたれやで...。
そんなことより今日は小沢君ひふみよツアーの追加公演1日め。でも関西公演はもっとずっと後なので、チケットが届くまでじっと我慢の子です。うーそわそわする。
で今日は6時半に仕事切り上げてチャリで梅田に向かって疾走。中ノ島から中崎町こえて、茶屋町でちょうど20分くらい。
東京のかっちょいいおじさまたちを見てきました。


■シティボーイズのFilm noir〜トーク祭り〜2010/05/18/Tue_19:00-@梅田芸術劇場メインホール

着くまでチケット確認してなくて、シアタードラマシティだと思ってたよ。おいおいメインホールて!3階席って!おそろしい高度から舞台を見降ろすハメに。しかもおそろしい近さに超巨大シャンデリア(ヨーロッパの大聖堂とかでもそうだけど、巨大で荘厳な建造物をみるとむしょうに破壊したくなる衝動は何なんだろう)。開演して出てきたお三方はヤクルトぐらいの大きさ。オペラグラス持ってけばよかった…!

フリートークでは何度となく「いとうせいこうを呼べ!」と思いました。きたろうさんの自由と斉木さんの無法に拍車がかかり、何となく泳がせている大竹さん。理屈屋の末っ子=つっこみマシーンを投入しないと収拾がつかないくだりが多発してた。

OPトーク:ゆるすぎてほとんど覚えていない!ふぃるむのーわるって何?という話をきたろうさんがド頭でしていた気がする。ゆるいのは台本もリハもない角さんの番組に出てきたから(ちちんぷいぷい)。ドン小西はデザイナーでセンスがいいのにどうして自分の服のセンスの悪さだけわからないんだろうね?とも言ってた※きたろうさんが無邪気に(無言で詰め寄る大竹さん)。

映画「俺の切腹」:南極料理人の監督さんで、明日処刑される剣士が辞世の句が気にかかりまくる時代劇。「泣きそうじゃ」から「クリエイティブとは何だ?」まで、台詞と間でけっこうクスリときました。主演は夙川アトム。いい味出てた。あいつはできる。

トーク:大竹さんと斉木さんによる「俺の切腹」時代考証ダメだし。次いできたろうさんによる夙川アトムの芝居ダメだし。気持ちで演じるきたろうさんと形式で演じる斉木さん。ふつうに斉木さんの勝ち「俺の演技はパロディだから」かっこいい。あと3人それぞれが辞世の句を詠んでいました。きたろうさんの朗読がかわいいので気持ち悪がる大竹さん。大竹さんの句が微妙すぎた。

映画「遠い少年の日」:多摩川で水切り教室をひらくリストラサラリーマン福森さん(きたろう)とその生徒の外資系リストラサラリーマン(大竹)。それをドキュメンタリー風にとるカメラ。大竹さんがおじいちゃんにしかみえない!!シティボーイズ好きな人が撮ったんだろうなあ、というショートフィルム。二人がコツコツ積み上げたリアリズムをぶちこわす道場破りの浮浪者(斉木)。

トーク:↑はまさにシティボーイズの関係性。つっこみの大竹さんとお笑いボケのきたろうさんが積み上げたものを、反則大ボケの斉木さんが破壊する。そんなトークの合間にも舞台にいない斉木さん。大竹さんときたろうさん小競り合い(フリ)→ハハーンさん登場!このくだりが2回あった!わーうれしい!10年以上も前のキャラ・ハハーンさんが拍手と歓声で迎えられる不思議。斉木さんはハハーンさんが好き。

ドキュメンタリー「中村有志」:きたろうさんが中村有志の異常性に密着。生でナレーションするきたろうさん。内容は詳述しがたいなあ。格闘技三昧→カビ訴訟→炊き出しという流れ。炊き出す側に電撃ネットワークと田代マーシーが!

トーク:中村さん登場。異常だという自覚がない中村有志。体の右側にAさん、左側にBさんが入っていて二人が円柱の場合と球状の場合で歩き方は変わってくる。パントマイマーは仮想現実に生きているから。うん、喋ってる意味がほとんどわかりません。大竹さん「気違いだよ!」でも斉木さんにはわかる。斉木さんも自分はいたってノーマルだと主張。きたろう「異常な人ほど自分の異常性には気付かないんだよ、ドン小西だってそうだよ」ドン小西違う。しかも後ろで斉木さんが自分を忍者だと主張している。いとうせいこうを呼べ!大竹さん一人では全然追っつかない。

映画「dark on dark」:大竹まこと監督作品。これも内容は書きあらわしがたい。あの年でこういう世界観を撮ろうというのは若いなと思った。大学生の作品でも違和感ないよね。老いさらばえた身体が笑いどころ。

EDトーク:意味なんて考えたらダメだときたろうさんが言っていました。大竹さんの映画論がいつかのカリカ家城さんのシュール論と同じだったので、へーと思う。映画の世界がこちらの世界と全然違っていて理解が至らないとしても、向こう側の世界が世界として成立していたらそれでいい、あとはこちら側の解釈次第、というもの。とすると家城さんのほうが演出者としてはすごいな。
映画に出演した斉木さんが勝手にコマ割を決めてしまって思ったものが撮れなかったと大竹さん。いくつになっても仲の良いことで、素晴らしき哉。

最後は例によって斉木さんのリサイタル。「dark on dark」に出てきた大道芸フワダンス(その前に中村有志の最低なダンスがあったのだが、あれは心の大事な場所にしまっておきます)。ドレスも映画中では未完成だったのが、やっと完成しました。そんな呑気な。歌も完成したらしい。途中、子どもがツボって大笑いしてたのがほほえましかった。


あんなバカでかいホールでやる必要はひとつもないライブでした。くだらねー、とにこにこしながらチャリで帰ってきた。いつものGW公演は10月にやるそうです。チケットとれたら行こう。
しかし彼らおじさまっていうか、もうおじいさまかもしれない。それもまたよし。

途中でどっか寄る気力もなく帰ってきたら、兄作のやきそばがあった。いつもごちそうさまです!しかし材料ないのにどうやって作ってるんだろう。


気になる
・前売り500円とリーズナブルすぎるBコース羽生先生の単独ソロライブ、行きたい。でも5月中は東京に行く余裕がない。だれかレポ書いてくんないかな。
・無煙タバコ発売。嗅ぎタバコは鼻の粘膜から吸うものだ!ニコチン中毒者は潔くあれ。
・google・yahoo等のクローラーのアクセスがはんぱないけど、エンピツで検索避けできないのかしら。
・ブラマヨとサバンナとフットのバランスシート、私は今んとこフット>サバンナ>ブラマヨ。芸人として。

2010年05月18日(火)



 どこまで行っても同じことさ

■ルミネtheよしもとダメ芸人グランプリ2010~ダメエピソードNO.1決定戦!2010/05/03/Mon_19:00-@ルミネTHEよしもと

こちらは完全に消化試合です。新宿近辺で時間つぶしに取った公演。ライス・囲碁将棋・ロシアンモンキー・LLRあたりが出てるとついふらっと取ってしまう。あと泥の2期。
GWの中日、ルミネは満席&立ち見でいっぱいでした。MCはできる子ピース。
エピソードはシチサン等で聞いたものばかりで特に新味はなかったのですが、ブレーメン岡部の磁場はやはりすごいなと。相方スター関根もよい仕事をしていた。10期は強いよね〜。LLR福田のプレゼンはうまいというかきついというか、彼はどこかがとてつもなくおかしい。あとグランジ大のダメさに涙が出そうになりました。あれはまさしく芸人。そう考えるとポイズンのぼっちゃん率いる東京大吾組はおかしな面々が揃っているなあ。

珍しくおとなしかったBコース羽生先生が最後に「みなさんこの2時間で他のことができるでしょう!」「お笑いなんてくだらない!」「お笑いを嫌いになるんだ!」と至極尤もな意見をアジっておられて、心に深く沁みました。
そしてお笑いを嫌いになるために、この新緑の季節に「RG vs ハブ」をやるとのこと。うおおおお!!周りから浮くテンションで吠えましたが、肝心の開催日と場所が聞こえなかったんだ...。よしもとのサイトにもまだ情報ないみたいだし、ご存知の方どうかどうか情報をお願いします。東京にいる日であってくれ!

2010年05月04日(火)
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