ヒロの夢日記

2020年08月18日(火) 偽善者

一仕事終えて適当な飯屋に入った。私は江戸時代の語り部で八人の養子がいた。子供達には白飯を食べさせた。自分だけ玉子焼きをおかずにしている事が後ろめたくなり、子供達のお碗にごま塩を振ってやった。ふと右側を見ると小人のこじきがおからを食べている。私は八人もの子供達を養っている事を誇りに思っていた。その日はとても気分が良かった。大きな子供が小さな子供の面倒を見てくれるので養育は其ほど大変ではない。街道の道端で語り部をしていると、沢山の子供達を抱えている私に同情して通行人から多くの投げ銭を貰えた。なので生活には困っていない。性格柄倹約家なだけだ。子供達が立派に一人立ちするまでは、今の生活を続けようと思っている。



2020年07月09日(木) 戻れない町中

明日から西武デパートで個展を開催する。一階に有るギャラリーへ下見に行くとお洒落な婦人がコサージュの様な物を展示している。私は自分の部屋がある三階まで歩いて登ることにした。二階から三階に上がる途中で何故か外に出てしまった。どうやらデパートの裏口らしい。辺りはとても辺鄙な町で、どうやってデパート正面に戻ったら良いのか解らない。迷路のような小路の所々に不良少年が番兵みたいに立っている。私は彼等を無視しながら歩いていたのだが、一人が話し掛けてきた。「道に迷って困っていらっしゃいますね?私が大通りまで案内しますのでついてきて下さい」不良少年は私を気にもせず駿足で小道を走っていく。少年を見失った私は彼の足跡を頼りに畑道や住居の私道をクネクネ歩く。足跡は大きなビニルハウスに消えていた。中から不良少年の声がした。「此処が精力絶倫魚の干物工場です。貴方は死ぬまでここで働くのです」中をチラリと覗くとこれから天日干しされるであろうグロテスクな深海魚が並べられている。私は恐ろしくなってその場から立ち去った。闇雲に歩いていた。気が付くと大通りに出ていた。しかし見回してもデパートの影はない。仕方がない...。タクシーを拾おうか。



2020年07月07日(火) 生き物の観察

六本足の熊が仰向けになって尻から濡れた坂道を滑り落ちていくのを観察している。カラフルなトゲトゲの大きなダンゴムシの観察をしている。



2020年07月03日(金) 朝寝坊

軍事教練の最終日、朝寝坊してしまった。起きたら宿営地にテントを張っているのは自分だけだった。ぼんやりとした頭で考える。そう言えば最終日だけ撤収時間が早まると昨晩教官が言っていたような気がする。テントやシェラフを背隱に詰めながら思い悩む。仲間達に追い付いて教官に謝罪するか、このままバックレて田舎へ帰ってしまうか...。



2020年06月30日(火) 台風亀

深夜、台風が近づいている。村では台風亀が大量発生している。台風の直進を免れる為に男衆は神社にお供え物を届けようと夜道を軽トラで爆走する。ヘッドライトの灯す中に台風亀が蠢く。軽トラは台風亀をひき潰しながら社を目指す。私は荷台にしがみつきながら漆黒の闇夜を睨んでいる。


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