こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年12月31日(金) 一年最後の


 彼と今年最後のデートをしました。

 行きつけの中国料理のレストランでランチをした後、

 可愛いフランス映画を観に行きました。



 人もまばらなミニシアター。

 私が少し寒そうにしていたからか、

 彼が私の首に彼のマフラーを巻いてくれて、

 私の膝に彼のジャケットをかけてくれました。

 幾つかの面白いシーンでは声を出して笑ってしまいました。

 私が笑ったシーンでは、彼も笑っていたみたいです。^^

 途中でそっと彼が私の手を握って、手の平を優しく撫でました。

 この日は抱き合えないとお互い分かっていたから、

 触れ合いたい気持ちを繋ぐ手と手で感じていました。



 帰りの車の中で、

 
 「来年のデートはいつにしようか?」


 と彼に聞かれました。

 私は来年の一番初めのランチデートのことだと思っていたら、




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 毎週デートはするけれど、抱き合うのは月に一度だけ。

 それは二人で約束したことでした。 

 私達の付き合いに制限が与えられることになって、

 二人の求め合う気持ちが以前より強くなっていることは確かでした。



 「家に着く前にキスして。」


 私が帰りの車の中でおねだりしたら、

 彼は近くの誰もいない駐車場に車を止めました。

 彼は小さなキスを3回してくれました。

 きっと私は少しだけ悲しい顔をしていたに違いないのに、

 彼はとても嬉しそうな優しい笑顔をしていました。

 私だけに真っ直ぐに向けられた大好きな彼の笑顔を見ていたら、

 今年一年彼と一緒に過ごせてとても幸せだったという想いが

 胸いっぱいに溢れました。



2010年12月25日(土) 溶け合って


 今年も楽しい食事をして、愛し合って、

 去年と変わらない、去年以上に彼の想いを感じることが出来た

 クリスマスデートでした。



 この日は朝からとても寒く、街中の道路も凍結していました。

 外を歩く時はいつでも彼がしっかりと手を繋いでくれました。

 何年この街に住んでも、アイスバーになった道を歩くことが苦手な私。

 でも彼と一緒なら、私がどんなに転びそうになっても

 彼の大きな暖かい手が私を力強く支えてくれます。

 私にそんな幸せと安心感を与えてくれるのは彼の手しかないって、

 心から感じられるのでした。



 ホテルのベッドで愛し合っていた時、




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 トロトロに濡れた部分を彼のモノで突かれながら、

 私の中も熱く溶けてしまいそうでした。

 私は彼と溶け合って一つになりたい、

 そしてそのまま永遠に彼のものになりたいと強く望んでいました。



2010年12月21日(火) どうにもならないこと


 お泊りデートから数日後に私達は会いました。

 この日の彼は明るく穏やかで、

 ここ最近の疲れた表情は消えていました。

 ランチをしてから、いつものホテルにチェックインしました。

 お部屋に入ると彼は私を呼びました。

 彼は長いソファの端に座り、私をベッドの端に座らせました。

 私達は膝を付き合わせる格好になりました。

 彼は今まで見たこともない真剣な表情をしていました。

 そして穏やかな声で話し始めました。


 「理沙子はこれからもこうやって俺に会いたい?」


 その言葉を聞いた瞬間、私は別れを連想しました。

 元カノと別れた時も

 別れを切り出したのは彼の方だったと聞いていました。

 お泊りデートの時の彼の様子を思い出し、

 もう終わりなのかと思いました。

 そして、その先の彼の言葉を聞きたくないと思うと、

 私には何も言葉が見つかりませんでした。


 「俺は会いたいんだ。ずっとこうして理沙子と会いたい。」


 きっと私は泣き出しそうな顔をしていたのでしょう。

 彼は私を見つめて、優しく言いました。

 そして、彼はゆっくり彼の現在の状況を話し始めました。

 それは先月末に財政的な理由で

 彼が経営していた2つのレストランを手放したこと。

 現在、彼はオフィスで残務整理をしていて、

 そのオフィスも今月末で閉めるということ。


 「いずれにしろ俺は今無職なんだ。収入も無い。

  これからは今までのようなデートは月に一度しか出来なくなる。」


 私は彼の話を聞いて、とりあえず私が想像した最悪の状況、

 別れ話ではないことに少しだけ安心しました。

 ただ、私達はこの2年間、ほぼ毎週会って、ホテルで抱き合い、

 食事や飲みに出かけるというデートを重ねて来ました。

 彼との関係では、1ヶ月に1度しか会うことが出来なければ

 付き合っているとは言えないような気がしました。


 「Tさんと抱き合うのは月に1度でも私は大丈夫。

  でも、月に1度しか会えないなら、私はもう付き合っていけない。」


 私は思いつくかぎりの不安を彼に伝えました。

 私達は普段メールのやり取りもほとんどしないから、

 会う回数が減れば離れている時のお互いの状況が

 掴めなくなるような気がしました。


 「もし私にまだ話していない理由もあるなら全部教えて。」


 「今、話したことが全てだよ。」


 結局私達はホテルを利用するようなデートは月に1度しか出来なくても、

 毎週ほんの短い時間でもいいから会うことにしようと約束しました。



 話し合った後、彼はほっとした表情を見せました。

 その後、ベッドで抱き合った時も

 何度も「好きだよ。」と囁いてくれました。



 私達の付き合いがこれからどうなっていくのか私には想像も出来ません。

 そして、私達の気持ちがこの変化についていけるのかどうかも…。



2010年12月13日(月) 午前0時のアイスクリーム


 その日、私は彼に買ってもらったポンチョコートを着て出かけました。

 私が彼の車の助手席に座ると、


 「それいいね。お洒落だよ。」


 と彼が褒めてくれました。



 夕方から映画を観て、おでん屋さんで食事をした後、

 コンビ二でお酒やアイスクリームを買ってお部屋に戻りました。

 ちょうど0時になった頃に2人でソファーに座って、

 ハーゲンダッツのアイスクリームでHappy Birthday!

 本当は一年で一番喜ばしくない日だけれど、

 今年も彼にお祝いしてもらって幸せな誕生日を迎えることが出来ました。



 翌朝は真っ白な雪が降り積もっていました。

 明るいお部屋で少し激しく愛し合った後、

 私達は車で郊外のフレンチレストランに出かけました。

 お店に入るとすぐに、

 私達はお洒落なウェイティングスペースに案内されました。

 そこには小さな暖炉があって、オレンジ色の火が燃えていました。

 私達は暖炉の近くに並べられた小さな可愛い椅子に座りました。



 夏に彼が初めてそのレストランに連れて行ってくれた時、

 「誕生日はここがいいなぁ。」と呟いた私のわがままな言葉を

 覚えていてくれた彼。

 私が飲み物のメニューを見ていると、


 「お祝いだから、シャンパンにしたら?」


 と彼が勧めてくれました。



 レストランの大きな窓から見える公園の景色は、

 夏の光に輝く緑から美しい雪景色に変わっていました。

 あれから半年も経っていないのに、

 私には最近彼が急に年を取ったように感じられることがありました。

 この日、楽しい食事をしている最中にも、

 彼は時々とても疲れた表情を見せていました。

 この頃、彼の身に起こっていた大きな出来事。

 私はそんな彼の心の内も知らずに、ただ彼の優しさに甘えていました。



2010年12月06日(月) 今のふたり


 今週末、既に彼が前売券を用意してくれた映画を観た後は、

 シティホテルにお泊りすることになっています。

 翌日は私の誕生日。彼と一緒に誕生日を迎えることが出来ます。

 先週のデートでランチをしていた時に、

 彼は今度のデートの二日間のうちのどちらかに

 ショッピングに出かけようと言いました。

 私の誕生日プレゼントを買おうとプランしてくれていたようです。

 でも、師走の土日はどこのお店も沢山の人で込み合っています。


 「知ってる人に会いそうだなぁ。」

 
 私が少し躊躇うように呟くと、


 「じゃあ、今日これから行こう。」


 と彼が言いました。


 急に話が決まって、

 ランチの後にプレゼントを探しに出かけることになりました。

 自分の誕生日に何が欲しいかなんて何も考えていなかった私は、

 なかなか欲しいものが決められませんでした。


 「私、何も要らない。いつもご馳走してもらってるし。

  Tさんをくれればそれでいいから。^^」


 「そういうわけにはいかないよ。

  何か欲しいものはないの?俺以外に。(笑)」


 幾つかのお店を見て回った後で、

 私は自分で買おうかなと思っていたものを

 彼にプレゼントしてもらうことにしました。



 最終的に私がプレゼントを選んだブティックの周辺の駐車場は

 とても混んでいて、いつになったら入れるか分からない状況でした。


 「俺、ここに車を止めて待ってるよ。決まったら電話して。」


 私が先にお店に行って欲しいものを決めて、彼に電話をしました。

 私が選んだのはシックなデザインのポンチョコートです。


 「じゃあ、包んで貰っておいて。後で俺が取りに行くから。」


 私はお店の人に包装をお願いすると、車に戻って彼に言いました。




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 夜、カウンターで美味しいおでんを頂きながら、

 私達はこんな話をしました。


 「俺が後からお店に行った時、『ええっ、この人が旦那さん?』なんて

  目で見られたりしなかったよ。^^」


 「私達、夫婦に見えるってこと?^^」


 「『素敵な旦那さん!』って目で見てたよ。(笑)」


 彼は年が離れている私と夫婦に見られて嬉しかったのかな。

 何だかそんな感じでした。

 彼が誕生日を迎えて、私の誕生日ももうすぐだから、

 彼は少し年齢を意識していたのかもしれません。


 「20歳の時の理沙子に会ってみたいよ。」


 彼にしては珍しい言葉を口にしました。




 ホテルのお部屋に戻って、ベッドで愛し合う前に、


 「ねぇ、20歳の私の方が良かった?」


 と聞いてみたら、


 「当時だったら理沙子が俺のことなんか好きにならなかっただろう?」


 と彼が言いました。

 彼らしくなく、少し弱気になっていたのかもしれません。


 「きっと今の私の方がいいと思うよ。」


 私はそう呟いたけれど、

 本当はあの時、もう一つ伝えたかったことがあったの。


 「今のあなたが好き。今のあなたに会えて良かった。」って。


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理沙子

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