日々の泡

2010年01月20日(水) 春色クロワッサン

ほの青い空に三日月
今夜はそんな宵のはず。
 大寒なのに南風が吹いている。夕闇が濃くなるほどに嵐の前のような吹きっぷり。
何かメッセージが隠れていそうな特急便の風。
どきどき…

「細野晴臣分福茶釜」 著者 細野 晴臣著 鈴木 惣一朗聞き手 
還暦を超えた細野さんと音楽仲間の鈴木さんの人生問答。
エピローグで細野さんが語ってることが衝撃。
六十を超えて、それまでと全く違ったモードに入っている…と細野さん。
「固まったと思ってても、やっぱり何かが変わるんだよ…」
そんな境地に達することができるというのは羨ましい。

ごくたまに、同僚たちの中のひとりが小さなプレゼントをくれることがある。
記念日でも誕生日でもないのに。
立ち寄った店の中でふと見かけたものがわたしのイメージを喚起させたという。
たとえば小さめのマグカップ。砂漠に駱駝が佇んでいて淡い青の空には三日月が浮かんでいる…そんなデザインのカップ。カップに触れながらわたしのイメージはやはり「静」なんだろうなと思ったり。
昨日プレゼントされたのは小さなヘアクリップ。
薄紫色の花がデザインされている。
わたしのイメージに重なったのだそうで、頂いてすぐにちゃっかり髪に留めているわたしを観てうれしそうにしている。
なんという奇特な人々だろう。
彼女たちの日常のイメージにふとわたしなどを思い起こしてくれるだけでもうれしいのに…
そんな突然の贈り物の翌日の今日の宵の空
あのマグカップのような三日月の空
偶然の贈り物と ロイヤルブルーの空とクリーム色の月が優しく重なる…
帰りの駅のホーム
同僚が夜空を仰いでわたしに説明してくれるその空の色。
暖かな風…
少しずつ春の色がぽちぽち…
だれかがひそひそ…
春ってそんな感じだ。
そうだった…少女の頃の春ってそんな感じだった…
ひそひそと楽しげな内緒話のように
春はそこまで来ている…



2010年01月13日(水) 氷の女王

大げさかもしれないけれどこの世の終わりかと思った。
あんまり凄かったので記録のため書いておこう。
昨日の氷雨から一転、気持ちよい空の下出勤した
。仕事について朝のお茶など呑んでいたところ、ゴゴォーと凄まじい音と共に冷風が建物のあちこちから吹き込んできた。
私の職場は鉄筋コンクリート五階建て、密閉された空間にはそうそうすきま風など入ってくることはない。
ところが、驚くほどの風圧と共に先ほどまで春めいていた穏やかな空気とはほど遠い骨の髄まで凍らせる冷たい風が通過できうる限りの微細な空間から吹き込んできた。
空には黒雲が現れ、雪片が渦を巻いて縦横無尽に踊り狂って降っているという。
何度も何度もたたきつけるように暴風が吹き付ける。
吹き付けるたびに体感できるほどに建物と共に冷やされていく。
これはあれだ…雪の女王とか、雪女とか、そのたぐいが荒れ狂って怒りまくっている!
すべてが凍るまで彼女の怒りは収まらない…
凍ったビル
氷の町…
ほんの十分程度のことだったけれど
とても驚いたのだった。



2010年01月03日(日) 日曜の午後のお約束

 明日から仕事。
サンデーイブニングブルーを打破するには動くしかない。
バッグの中を改めてあすの洋服を組み合わせて靴を磨いて…
安いかずみさんの作品を追いながら、彼女の人生を振り返る特別番組を観た。
彼女の闘病日記「ありがとう」を以前読んだことを思い出した。
それは夫・加藤和彦さんと夫婦二人で病気と闘ったせつない日記。
本当に献身的に看病される加藤さんの姿に安いさんはきっと病気ではあったけれど幸福だったんだろうなと思った。
 番組は時代の世相と安井さんの作品を重ねながら進行していたけれど
やっぱり歌謡曲の作詞より加藤さんと結婚されて以降の作品が本当に彼女が書きたかった世界だったんだろうなと感じた。
ガーリッシュで軽快でおしゃれな世界。

 「バラの回想 夫サン=テグジュペリとの14年」
著者 コンスエロ・ド・サン=テグジュペリ著 香川 由利子訳
を読み始めた。
星の間を飛び回ることこそふさわしい夫 疑われがちな美しい妻
とても興味津々…
さて、今宵も夢と現を漂いながら、あっという間にあすの朝になってしまうんでしょうね…
そういえば、日曜の午後四時ぐらいまでに月曜の準備を全部終わっておくこと!日曜の夜遅くまでぐずぐずしているのは愚かなこと…
そう教わったのは安いかずみさんのエッセイだったな。
おやすみ…ズズ…Zzzz…



2010年01月01日(金) おめでとうございます

モーツアルト クラリネット五重奏曲 第二楽章始まった!
一年が輝く太陽と一緒に回り始めた。
大人にとってお正月という日は、年賀状の準備やら大掃除やら何かと心の枷になったりするものだけれど
明けてみると「さて、行くぞ…」というエネルギーがどこからともなく湧いてくるのが不思議…
わたしは まだまだ大丈夫だ… そんな確信が体の核に小さな火を灯す。
それでもいまだに混沌の中にいることはいるらしい。
なかなか一掃はできないけれど「
コバルトの球体が 
金色の太陽を静かに自転しながらひとまわりするように
少しずつ クリーンアップして行こう。

みなさまの一年が
穏やかで清々しくありますように…
この曲に願いをこめて…
クラリネットの音色が天界に充ち満ちて 光となって燦々と降り注ぎます。


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茉莉夏 [MAIL]