My life as a cat
My life as a cat
DiaryINDEXpastwill


2013年12月31日(火) 星のように眠る

会社の引っ越しやら家の大掃除でドタバタとしていたが、どうにか大晦日には一息つけるまでには片付いた。年越しだからといって特に何もすることがないような日頃から常に整理整頓された家を目指しているのだけどね。。。なかなかそうもいかないものだ。

今年も色んなことがあったが、地味なようでいて大きく人生に影響を及ぼしたのは佐藤伝さんの本との出会いではないだろうか。30代になってから眠りが浅くなって疲れやすくなっていた。単に年をとったせいだと思っていたが、彼の本と出会い、本当に短時間でぎゅっと深く眠れるようになった。決して″全てを前向きに捉えよう″などと書いてある本ではなく、″正しい苦しみ方″や″感情の管理のしかた″を教わった。眠ることは一度死ぬこと、毎日死んで、翌朝、新しく自分が生まれる、そして目覚めたことに感謝する。生きてるとうまくいかないこともいっぱいあるけど、それでも自分はちゃんと宇宙に守られていると思えて幸せになる。宇宙や自然って本当に逞しくて忠実。どんなにしても夜を運んできて、どんなにしても朝を運んでくる、そしてどんなにしても桜は花を咲かせる。人も彼らからもらう恩恵に報いるように強く生きなければと思うと、力が湧いてくる。

さて、夕方は恒例の家族・親戚の宴があるので午後から準備にかかる。カウントダウンもいつもと同じ夢の中であろう。

よいお年を。


2013年12月24日(火) クリスマス・プレゼント

クリスマス。これといったイベントもなくふつーに過ごした。夕飯は豆乳とショウガのスープ(味噌とハチミツ入り)と柚子と紫蘇とシラスのパスタ。柚子って大好き。味もいいけど、これを食べると寒い冬を丈夫に乗り切れそうな気分になるもの。甘めのシラスはクロエちゃんにもお裾分けした。

ラジオは″クリスマスに会いたい人″というテーマでメッセ―ジを募って、読み上げてはクリスマスソングを流していた。″会いたい人″ってもちろん会えていないから願うわけだ。家を出て行ってしまった奥さんに帰ってきて欲しい旦那さん、旅のみちずれでたった数週間を一緒に過ごして別々の国に帰って、次に彼に会えたらプロポーズするという女性、天国のお父さんに会いたいという娘さん。。。。切々と人を思う気持ちが伝わってきて、胸が温かくなった。

夜にカミーユ君からメッセージが来た。ロアンヌにある妹の家で甥っ子や姪っ子と賑やかに過ごしていると。そして″I miss you"と書かれていた。写真が欲しいというので送ると、とても喜んで、あちらのも送ってくれた。わたしの思いは花を咲かせはしなかったけど、芽くらいは息吹いたのかもしれない。空港に見送りに行って、ひとりでしくしくと泣きながら帰った夜を思い出して、そんな時間も無駄ではなかったのだと納得した。誰かがどこかで″会いたい″と思ってくれている、その気持ちが何よりのクリスマス・プレゼントだった。


2013年12月21日(土) 月夜の宴

クラシック音楽同好会の忘年会へ行ってきた。一人一品食べ物と飲み物を持ち寄って、楽器のパフォーマンスもご自由にという会で、ピアノ付きの小さなスタジオでの開催だった。国際色豊かな同好会なだけあって、テーブルにはあらゆる食べ物が並んだ。欧米人の皆さんはやっぱり雑穀入りの茶色いパンが好きみたいだ。自家製のを焼いてきてクリームチーズやサーモンを乗せたのが何種類か並んでいた。他にはマッシュルームとクスクスのサラダ、ケークサクレ、寿司、フリッター、ヨーロッパのチョコレートにチーズケーキ、料理好きが多そうだ。そして、乾杯をしたらすぐに演奏が始まった。ひとりめはクラシックギターを初めてたった2ヶ月のインド人の男の子。もちろんたどたどしくて、観客席から″カワイ〜″などという声が湧いていた。ここまではわたしが想像した通りの学芸会のようなノリだったが、次に出てきたイギリス人の男の子のピアノ演奏で空気が一転する。ホンモノだ。観客席は静まりかえり真剣ムードが漂う。彼は音大出身のようだ。次にドイツ人の男の子がピアノを弾く。なかなかの腕前。しかし、演奏を終わった彼が隣の席にやってきたので話してみると、日本に来てからピアノを持てないので練習は通っているピアノ教室でしかできないという。いやぁ、それで弾けてしまうのだから元々相当の腕前なのだろう。そして、うら若き日本人の女の子のバイオリン。このバイオリンも素人のわたしでも解るずば抜けたうまさだった。彼女はプロへの階段を着々と昇っているらしい。オペラを熱唱するブラジル人なんてのもいた。こんな本格的な演奏が間近で聴けるとは思わなかった。ひととおり料理と演奏を楽しんで、何も演奏できないわたしはキッチンでデザートを作っていた男性を手伝うことにした。イタリア人の祖父の″ザバイオーネ″の味をリプレイスするということだった。卵の黄身に砂糖とマルサラワインを混ぜて湯煎にかけてかき混ぜ続ける。10分くらいかき混ぜるとかなりとろりとしてカスタードクリームのようになってくる。それをサーブしてブルーベリーやラズベリーをたっぷり入れていただく。マルサラワインがかなり効いていて、アルコール入りのお菓子に目がないわたしにはたまらない。手伝った甲斐あって作り方も覚えた。今度自分で作ってみよう。

健やかで明るい人々、美味しい料理に美しい音楽、一年の締めくくりに相応しい素敵な会だった。


2013年12月19日(木) YES MAN

J-WAVEを聞いていたらピストン西沢がこんな発言をしていた。

「俺が好きになる女の子の共通点のひとつは″俺のことを好きなこと″。だいたい自分のこと好きになってくれたら、はい、いいよって付き合う感じだな」

ず〜っと前からこの人好きだったけど、(メッセージ投稿したりしてた。一度読んでくれたことがあったがノーコメントでスルーされた)、これ聞いて、あぁやっぱり成功する男はこうなんだよな、とあらためて思った。女のほうが夢中な関係は、女が相当うまく計算して立ち回らない限り、男になめられて都合良く使われてしまうというのが大方のパターンだ。そういうカップルをよく見るが、そうやって自分への好意の上にあぐらをかいてしまう男の共通点は社会で大して成功していないということ。わたしがカミーユ君が大好きだった理由は、一生懸命わたしの好意に答えてくれたからだ。わたしだけではなくて、友達もとても大事にしていた。誘いにはまずYESと答えてしまう。それから苦しいスケジュールを調整してなんとか都合をつけるというやり方だ。家庭を顧みないで″付き合い″をするような人は尊敬しないが、好意や必要とされていることに対する価値を適正に評価できるYES MANはやっぱり賢くて、成功する素質があるんだろう思う。

同僚にとんでもないワルイ男がいる。わたしと同年代で既に3度結婚しているのだが、それでも飽き足らず、夜な夜な色んな女の人とデートを楽しんでいる。しかも相手はいつも独身のいかにも社会人として真面目に生きてきたような人ばかり。彼は見た目がよく、性格も大人しくて、頭も良い。話題豊富なので話していて飽きない。しかし、それにしても、なぜそんなに彼はいとも簡単に女の人を堕としてしまうのか、不思議に思っていたら女の同僚がこんな分析をした。

「YES MANだからだよ。女の人の話をうんうん、って聞いて絶対否定するようなこと言わないじゃん。だからみんな″この人はわたしの味方″みたいな意識が芽生えちゃうの」

なるほどね。当人はどうやっても埋められない淋しさと格闘していて、人生において成功しているとは言い難いけど、″女の子を手に入れる″という点ではYES MANであることが功を奏しているわけだ。

男女関係となれば、女性にはこれは当てはまらない。それでもNOと言えばそこで行き止まり、YESと言えばその先に道が続いていてあらゆる可能性が広がる。女性だって時にはYES WOMANになることが人生を成功に導くこともあるだろう。

交通の便が悪くて、面倒くさくなってしぶっていた年末のお食事会、思い切ってYESと言ってみた。


2013年12月15日(日) グリーンピースのスープ

野菜を買うつもりで朝市に出かけたらついワインも買ってしまった。今時ワインはかなり安値で仕入れが出来るのだろうか。オーストラリアで10ドルくらいのJacob's CreekやYellow taleなどの手頃なテーブルワインがこちらでも1000円くらいで買える。輸入されて1000円なんてワインは疑ってかかっていたけど、案外悪くないのかもしれない。

購入したSTAUBで野菜くずを煮てスープストックを作った。1.5リットルの水と両手いっぱいの野菜くずと6僂虜布と匙一杯の日本酒を鍋に入れて弱火で30分ことことやるだけ。

さて、夕飯はグリーンピースのスープと焼きたてのフォカッチャ(ローズマリーフォカッチャとアンチョビ&ガーリックフォカッチャ)。それに朝仕入れたアルジェンティーナワインを開けた。このワイン当たりだ!奮発した甲斐あり。ワインと映画は蓋をあけてみるまでわからないものね。ワインを開けて一口目で″はずした″っていうのと映画が始まって15分で″はずした″という心境は似てる。はずしたと解ってもまだ残りがあるのだ。だから選ぶ時は結構真剣。スープはスープストックに塩だけで味付けした毎日でも飲めるようなとても優しい味。スープストックはアイスキューブにして冷凍しとけば何にでも使えて便利。次は何のスープにしよう。

美味しいワインとスープと焼きたてのパンがあれば幸せさっ!








2013年12月14日(土) STAUB

かなり長いこと熟考していた鍋、クリスマスプレゼントなんて託けてついに買ってしまった。鍋は全部で4つになった。ひとつめは極小のアルミ鍋。これは味噌汁とかクロエちゃんのごはんに。ふたつめは3ℓくらいのステンレス鍋。パスタ茹でたり南瓜や芋の煮物をしたり。みっつめは圧力鍋。炊飯とか大根の煮物用。もう事足りてるからよっつめのSTAUBは完全な贅沢品。

まずは普通のルゥのカレーを作ってみることにした。もう何年もルゥなど買っていないから、売り場で原材料を見て思い悩んだ。化学調味料が使用されているものは安くて動物性油脂が使用されていない。化学調味料が使用されていないものはより高く、動物性油脂が使用されている。化学調味料か動物性油脂か、どちらも嫌いだが、動物性油脂がバターならいいけど、牛脂などだったらきついだろう、いや、カレーは諦めようか。。。カレーのルゥごときで10分も眉間に皺を寄せて悩んだ挙句、化学調味料で妥協した。

まずは野菜(じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、ブロッコリ、蕪)をざっくりと大き目に切って、鍋に入れて蓋をしてとろ火で放っておく。20分を過ぎるころ、良い野菜スープの香りが立ち上がってきた。40分で蓋をあけてじゃがいもを味見。あっ、ホクホクにできてる。ルゥを入れる前にスープの味を見たが、かなりしっかりと味が出てる。ボテボテカレーは苦手なので、水を足してちょっとだけルゥを入れてさらさらめに仕上げる。

味のほうは、かなり良い。無水鍋だけに野菜の旨味がよくスープに溶け込んでいるようだ。

たまたまだが、一緒に購入した野菜スープの本。野菜のくずでスープを取って、それをベースにアレンジしていく。著者はわたしと同年代の男性。濃い味・高脂肪の物ばかり食べてきたのだが、35歳を過ぎた頃、血糖値などによからぬ変化が現れたのがきっかけで、野菜スープに目覚めた。便通がよくなり、胃腸が軽くなり、よく眠れて、肌の調子が良い、と良いことずくめのようだ。「底に残ったスープをパンの切れ端で拭うべし」って解る!スープとかパスタソースはきれいにパンで拭うと非常に気持ちがいい。

野菜スープを作るのも楽しくなりそうだ。


2013年12月08日(日) カテウラ・リサイクル・オーケストラ

ラフランスのタルトを再度焼いて、家族・親戚の集まりに持参したら、一同大絶賛して飛ぶように売れた。前回、″一昔前は普通のスーパーマーケットでラフランスなど売っていなかった″と書いたが、驚いたことに岩手出身の叔母(60歳)は子供の頃から普通に食べていたという。そんなに昔から日本でも栽培されていたのだね。

テレビ番組で、「カテウラ」というパラグアイの貧民街の子供達で結成されたオーケストラが紹介されていた。その名も″Recycle Orchestra"。ゴミを漁って換金し、生計を立てていた子供達がゴミから作り出された楽器で演奏をする。″ゴミ″と言っても、そのガラクタのような見た目とは裏腹になかなかちゃんとした音を出す。生まれながらにして貧困で、そこから抜け出す術も知らなかった子供達が、人と息を合わせて楽器を奏でることによって目の輝きと夢を得た。どこの子だろうと、誰の子だろうと、子供が健全に前進する姿を見ると嬉しい。彼らの奏でるカノンは格別だ。

大学の卒論を書くためにNGO団体とカテウラを訪れ、支援プロジェクトに関わったことがきっかけで、彼らに協調性と楽器の面白さを教えたファビオさんという音楽家の方がこんな言葉を残していた。

「物と同じように人間も簡単に見捨ててはいけない」


2013年12月06日(金) Tarte aux poires

旬のラフランスでタルトを焼いた。余計な隠し味など一切使わないとてもシンプルなレシピで、主役の素材の味がしっかり生きてる。これは最高。この時期の定番になるでしょう。

少し昔は日本ではラフランスなどちょっとお高いスーパーでしか売っていなかった。オーストラリアで初めて口にした時は、クリーミーにした梨のようなその味の虜になって、しばらく毎日食べていた。はじめは日本の梨と同じ感覚で、固いうちに皮を剥いて食べていたのだが、ある日イタリア人のおばあちゃんが、食べる?と差し出してきたラフランスは皮を剥いていなかった。そのまま口に入れると、すごく甘くてみずみずしくて喉につるりと入ってしまった。ラフランスは収穫してから1ヶ月も追熟するのが通常らしい。火を通したり酒に漬けたりする時は少し固めを、そのまま頂くときは、よく熟したのを皮ごとが一番の食べ方だと知った。


2013年12月04日(水) 爪痕

先日、友人とカフェでおしゃべりしていたら、カミーユ君が去って心にぽっかり穴が開いた、とか、わたしがもっと魅力的な人だったら結果は違ったのかと悶々と考えて悲しくなる、などと、グチグチと心の片隅に溜まった膿のような感情が溢れてきてしまった。友人はこんな言葉をかけてくれた。

「それでも、彼の心に大きな爪痕を残したでしょう」


ふと気付く。何かに取り付かれたように勉強に没頭しているのは、無意識にカミーユ君が去って心にぽっかり開いた穴を埋めようとしていたに違いない。ふとカリカリと勉強する手を止めたら、涙がぽろぽろと出てきた。

しかし、わたしはそういうところでは健康な女の典型で、大泣きした後は妙にすっきりして、泣いた理由すら忘れてしまう。

すっかり元気になっていたところに、カミーユ君からメッセージが届いた。

″I miss you"

の文字をそこに見つけた。

「仕事が忙しい時は無我夢中で何も思い出さない。でもふと自由な時間が出来ると、君と家族が恋しくなるんだ」

と書かれていた。空港で別れる時に″あなたの住む町を訪ねたら案内してくれる?″と言ったら″訪ねてくれるならシンガポールに来て。当分はそっちにいる日が多いから″と返してくるくらい、「適当なこと」を言えない性分なのだ。友人の言葉通り彼の中に爪痕くらいは残すことが出来たのかもしれない。

先日拝見したあるある勉強熱心な方の書いた記事。その方は資格マニアや学歴マニアではないものの「人生は一生勉強」と世の中をもっともっと知りたいとあらゆる資格を取ったり学校を出たりしている。「人生は一生勉強」という箇所に賛同して読み進めたが、ひとつだけ賛同できなかったのは、「勉強に励むには独身であることが望ましい」ということ。デートなどで勉強の時間が減ることや、人はもともと孤独でありそれが当たり前であるというようなことが書かれていた。

わたしはいくら勉強に没頭したってこんな風にはなれないだろうし、なりたくもない。どんなに色んなことを知っていたって、それを話す相手がいなくて、試験に合格したって一緒に手を取り合って喜んでくれる相手がいなくて、そしてそれを寂しいとも思わない自分にはなりたくない。失恋を原動力にして勉強し、友人や大好きだった人の温かい言葉に励まされ、それがまた大きな原動力となる。結果として独身で生涯を終えることになるとしても、誰かと分かちあうことの価値を見失なったら、何か人生で一番大事な勉強をし忘れたということではないのか。


2013年12月02日(月) Other half

ブイヤベースを食べて家に帰る途中の電車の中での話。

3つ並んだ優先席の真ん中が空いていたので座ろうと腰を下ろしかけた時、2mくらい先に背中の丸まった小さなおばあちゃんがいるのが見えた。目があったので、座ろうとしていた席を指さして手招きすると、何度もお礼を言って嬉しそうに座った。わたしはその付近に立って本を読んでいた。

次の駅でガラリと席が空いた。今度はおばあちゃんが右側の席にずれて、わたしに向かって真ん中の席を指さして、座りなさいと促した。今度はわたしがお礼を言ってそこに腰を下ろした。そして左側に若い男が座った。また本を読み始めると、数秒後こんな声が聞こえた。

「妊娠してるのはわたしなんだけど〜、なんであんたが優先席に座るわけ?」

ぎょっとして顔を上げると、近くに立っていた左側の男の連れの女が男に向かって言っているらしい。そんなこと言われたら誰だって女の腹に目が行く。推定身長160僉体重80圈年齢38歳。地味な紺色の事務服でスカートは膝下丈に靴下にサンダルを履いている。髪は時代錯誤のソバージュ。つわりが酷くて身なりにかまっていられないのだとしか思えない。わたしが席を立つべきなのだろうと狼狽えているとおばあちゃんもおどおど狼狽えている。とそこに、男が言い放った。

「オマエなんて妊娠するかよっ。デブなだけだろっ」

え?そうなの?譲ろうと浮かしかけた腰をひっこめるわたしとおばあちゃん。男は20代前半くらいで渋谷を歩いていても違和感のないカジュアルな服装の至って標準的な見た目。そしてなおも続ける。

「大体妊娠するような年かよっ。俺よりひとまわり上だろ」

「ひとまわり?うるせんだよ!」

「大体お前の産むのなんて人間の子じゃないだろっ。死ね」

「おまえこそ、死ねよ」

二人ともかなりの低能のようだが、これは兄弟喧嘩か何かなのだろうか。とそう思い始めた時、電車がガタリと揺れてよろめいた女が座っていた男の手の上に自分の手を重ねた。そしてそのままじっとしている。ぎょっとしてまたおどおどするわたしとおばあちゃん。そういう関係なの?それともこのひとまわり上の女の誘惑なのか?二人は手を重ねたままなおも罵り合っている。

「で、今夜何食べる?」

と女が聞く。はっ?やっぱりそういう関係なの?

そして次の駅で扉が開き、席を立った男が女の腰に手を回し、二人で嬉しそうに降りて行った。

結論は

「人はどんなであれ、自分と合う人に巡り逢えれば幸せである」

残されたわたしとおばあちゃんはショックのあまりしばらく固まったままであった。


2013年12月01日(日) C'est bon la bouillabaisse!

マルセイユ名物ブイヤベースを食べに青山へ出かけた。NHKのフランス語入門の番組で漁師がブイヤベースを料理する様子がやっていて、それはそれは食欲をそそられて、一度は試食してみたいものだと思っていた。ニンニクをボールの底に擦り付けて、そこに卵の黄身を入れてよくかき混ぜ、ピーナッツオイルを少しずつ足しながらディップを作る。これが″ルイユ″と呼ばれる。魚介類は漁で獲れたが商品価値のないものを適当に選び、セロリ、ジャガイモ、ハーブにスパイスなどと一緒に煮込む。サーブする時は魚はスープから出して、別々にする。まずはバゲットにルイユをディップして食べ、魚を食べ、スープを飲む。ルイユをスープに入れてみたり、バゲットをスープに浸してみたり、好きなように口に入れて、色んな味を楽しむ。テレビの中では日本の鍋のごとく、大勢で集まってわいわいと庭で食べていた。

さて、このレストランでは魚とスープが別々にサーブされなかったが、魚介の出汁がよく出たぽってりとした濃厚なスープとニンニク味のしっかりしたルイユは想像通りだった。マルセイユの海を見ながら食べたなら、もっともっと美味しいのだろうね、きっと。わたしがたった一日マルセイユを訪れた日はミストラルが吹き荒れていてそれどころじゃなかった。初ブイヤベースを青山で頂くとは奇妙だが、せっかちなフランス人のムッシューと日本人のマダムがやってるこのレストラン、″老舗″というだけあって、気張った感じがなく、味もサービスも店構えも自然と板に着いた雰囲気が妙にホンモノっぽかった。さすがです!


Michelina |MAIL