陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2007年09月29日(土)      本 業

 纏まった数の陶器のご注文をいただき、
 久しぶりに本業に精を出しました。それも
 原土から作るとても作家魂を奮い立たせて
 くれる製作でした。80個の作品を仕上げ、
 検品し、ホッとしています。さあ、あとは
 箱詰めをして梱包、納品です。
無事にお客様へお届けするまでが 『仕事』 集中を
切らさぬようきちんと勤めて完結させましょう。





2007年09月27日(木)      朔 望

 十五夜はおとついでしたが、月齢が満ちる
 のは今日です。旧暦のズレの原因ですが、
 月の暦にずれが出るのはしかたないこと
 です。来月は十三夜のお月見があります。
 十五夜と十三夜は2つセットで1つですから
 片月見にならぬよう来月も月を愛でませう。

       神妙に見上げて月に何祈る





2007年09月25日(火)      すきしゃ

茶人 『古田織部』 を主人公にした稀有な漫画が出ています。
その名も 『へうげもの』 これは、ひょうげものと読みますが、織部
の焼かせた美濃焼の器を、時の数寄者たちが 『ひょうげたるもの』
と評したことから来ている言葉であろうと思います。

 まだ1巻しか読んでいませんが、作者の山田芳裕
 さんの書く絵は漫画らしい 「くどさ」 があり、安土
 桃山のアクの多い傾いた武将たちを実にらしく描いて
 います。織田信長、羽柴秀吉、明智光秀、千宗易な
 どなど・・・そして何といっても主人公に古田左介を
 持ってくるあたりニクい設定です。歴史家の間でも謎
 の多い織部は、武人でありながら利休の弟子として
 茶道を学び、織田、豊臣、徳川に仕えた茶人です。
今でも人気のある 『織部焼き』 の発案者でもあり、目利きとしても
辣腕を振るったということです。しかし、突飛な物を多く作らせた
ことから、少々危険な人物として疎まれたという記述もあります。

漫画では、名物に惹かれ、憧れるがゆえに更に上を目指す俗人として
描かれていますが、武人のくせに美の解る奴として信長や利休に一目
置かれるキャラクターが好ましく描かれ、焼物屋の目から見てもとても
面白く読める内容になっています。単行本は5巻まで出ているようです
ので、ちょぼちょぼ買い集めて読んでみようと思います。





2007年09月24日(月)      鶏わさ

 鷺沼よしみやさんへ蕎麦つゆをいただきに
 伺って、お土産に 『日向赤鶏』 の笹身を
 頂戴しました。わさび醤油で食べる、所謂
 『鶏わさ』 です。丁度今日は涼しいので、
 これを肴にお燗で呑んでいます。美味い!
 ここのところ忙しくて、参っていましたが
なんだか元気が出ました。ちょいとしたボーナスを貰った気分
です。大塚さん、誠にありがとうございました。そのうちゆつくり
お蕎麦を手繰りに伺いますね〜。





2007年09月23日(日)      お は ぎ

 お彼岸の中日といえば、やっぱり
 『おはぎ』 でしょうな。甘党の皆々様に
 は、この餡子のバクダンはたまりますまい。
 甘いものがめっきりいただけない不調法者
 にはこんな餡だらけの食いもんのどこがいい
 のかトンと合点がいきません。とまれ涼しい
風も吹いて良いお彼岸になりました。つい窓など開けて寝込み、
風邪など引き込みませぬよう、重々ご用心願います。

       つい涙もろくなりけり秋の雲





2007年09月21日(金)      ひがん

 彼岸に入りました。
 またまた今週末は3連休、お勤めの人には
 良い骨休めになりましょう。週明けの25日
 は十五夜のお月見です。日中はまだ蝉が
 鳴くような陽気ですが、過去冬が来なかっ
 た年は無いようなのでなんぼ残暑とはいえ
いいかげん終息して、すずしい季節が訪れるでしょう。

政治の世界では、この週末が正念場のようです。
来週には新首相が決まり、またぞろ所信表明から国会の
仕切りなおし・・・平和ですなあ、にっぽんは。





2007年09月20日(木)      えほん

今月の芋乃市場に出品していただく斉藤俊行さんが、
絵本原画を持ってきてくれました。今月はじめに出展をお願いし、
ご快諾頂いてからとんとんと話が運び、綺麗な絵が並びました。

 すでに出版されている 『おでこにピツッ』
 と、今月出る新刊 『かぜフーホッホ』 の
 2冊からえりすぐりの原画が12点、そして
 『おでこにピツッ』 のサイン本も販売
 します。斉藤さんの絵はパソコンで描画
 し、プリンタで刷る言わばデジタル版画。
 日本的な色使いと細やかな自然観察眼で
描かれた絵は、原作者の個性的な音表現を叙情豊かにふくらませ
ているように見受けます。どちらの本にも脇役に鳥が出てきます。
原作者の三宮麻由子さんが野鳥ファンであるかららしいですが、
登場するヒヨドリやセキレイが実に正確に描かれていて、鳥好き
の私もうなりました。

最終日30日には、斉藤さんご本人も会場に来てくださいます。
絵本好きの皆様、どうぞご来場下さい。





2007年09月19日(水)      ぶんしちもっとい

山田洋次監督が今度は歌舞伎を撮るそうです。
それもつい先だって8月24日の日報で中村芝のぶ丈について
書いた、新橋演舞場の 『人情噺文七元結』 の台本に山田氏
なりの演出を入れての撮影だそうです。

 歌舞伎を映画にした例は過去にもあるそう
 ですが、舞台をそのまま撮るなら別に映画
 監督が乗り出す必要はない訳ですからねえ。
 他でもない山田氏がメガホンをとるわけで
 すから何かやはりそれなりの企てがあって
 のことなんでしょう。ともあれ、主役の勘三郎
 さん演じる 『左官長兵衛』 の娘 『お久』 役
 の芝のぶさんも自動的にこの映画に出演という
運びになるわけですな。時間とお足を拵えて分不相応な芝居見物
と洒落ようかなどと思っていましたが、映画で公開してくれるなら
それを見せてもらえばいいかなとも思います。しかしながら山田氏
はあれだけ藤沢周平作品をいじくり倒した張本人、今回も諸手を
挙げて歓迎はできかねます。

10月の公演中に撮影が決行されるということですが、公開はたぶん
来年でしょう。さてさて山田版文七元結、いかが相成りましょう。





2007年09月17日(月)      旗 日

暑い暑い敬老の日になりました。
曜日も祝日も関係なく勤めている自営業は時に休日である
ことも忘れています。自動車で横浜市営バスとすれ違うと
付けている国旗で、ああ今日は旗日かと思い出します。

 敬老の日は第三月曜日になって久しいです
 が、今日17日は東京モノレール開業記念日
 だそうです。1964年開業といいますから、
 東京オリンピックの年ですなあ。私はほぼ
 同い年です。車で首都高速の横羽線を走る
 ときには大井競馬場の先でモノレールの
軌道と並行して走りますので、列車が来るのが楽しみです。

子供の時分には夢のような未来の乗り物に見えましたが、
今は少し旧弊なものに見えるもんです。きっと自分も端から
みればそういった者に見えるんでしょうねぇ・・・

モノレールと一緒に加齢していくのも乙ですな。





2007年09月16日(日)      ライスカレー

県立瀬谷高校の文化祭に行ってきました。
20数年ぶりに赴いた母校はずいぶん老朽化していましたが、
建て替えもせず、思い出深い中庭や非常階段がそのままの
姿で残っていることがなんとなく嬉しかったです。

 久しぶりに食堂のカレーを食べてきました。
 いやあ、すごい食物です。見ようによっては
 食品というよりは 『なみのら』 にさも似たり。
 これで普通盛ですからねえ。大盛りは一体
 どうなるのでしょう・・・しかしながら、
 辛くなくてねっとりとしたこれぞ日本のライス
カレーは大好物。懐かしさも伴って、美味しくいただきました。
因みにお値段320円。さすがに学食、お手頃価格ですなあ。

今年の文化祭は終わりましたが、来年またカレーを食べに
行こうかなあと思います。

※『なみのら』 → 懐かしの「みかか変換」で・・・





2007年09月14日(金)      You Cannot Do That

 すっかり知名度の上がった大泉洋さんが
 缶コーヒーのコマーシャルで懐かしいフレーズ
 の歌を歌っています。原曲は、『爆風スランプ』
 の初期作品 『無理だ!!』 元歌はイカレた
 お調子ロックですが、それなりに気合いで歌う
 サンプラザ中野氏には共感を覚えたものです。

最近は魂のロックミュージシャンが少なく、一人甲本ヒロト氏が
頑張っているのが嬉しい限りです。ズガーンと腹でぶちかます
ロックは好んでは聴きませんが、けっこう好きであります。

無理だ!!(You Cannot Do That)歌詞
http://www.uta-net.com/user/phplib/view_6.php?ID=4440






2007年09月13日(木)      あべしっ!

 総理が国会中にヌケヌケと遁ずらを決め、
 与党は事後処理ですったもんだしています。
 なんだか江戸末期の徳川慶喜の尻まくりに
 似ているようで、そのお粗末さに呆れてい
 ます。何やら後継総裁選びにキナ臭いもの
 を感じますが、誰がなっても一緒でしょう。

肝の据わった義のある政治家はいないのかしら日本には・・・





2007年09月12日(水)      プログレス

ウェザーリポートで一世を風靡したキーボーディストの
ジョー・ザビヌル氏が亡くなりました。75歳でした。
フュージョン大好き世代の私は、ウェザーリポートの1st
アルバムを入り口にフュージョン音楽にのめっていきまし
たので、このニュースには感慨深いものを感じました。

 日本のフュージョンバンドの草分けと
 いえばズバリ!『四人囃子』 でしょう。
 森園勝敏のバリテクギターに、変拍子の
 アレンジ、そして意味深長な歌詞が倦怠した
 メロディーに乗って訥々と歌われる長めの
 楽曲は、非常に完成度の高い、正にプロ
グレッシブというに相応しい作品に仕上がっています。衝撃の
アルバム 『一触即発』 を初めて聞いたときには、がっぷりと
前まわしを掴まれ、次いで発表された 『ゴールデンピクニックス』
を聞いたときには、もろ差しから吊り上げられて土俵下に突き
落とされていました。その後、プリズム、カシオペア、スクエア
などなどフュージョンバンドはいくつも出ましたが、このバンド
を超えたと思われるものはでていない様に思います。復刻版の
紙ジャケCDも出ているようですので、機会を見て購入しましょう。

ザビヌル氏のご冥福をお祈り申し上げます。

四人囃子の名曲 『なすのちゃわんやき』 YouTube
http://jp.youtube.com/watch?v=n8f2jxsigM8





2007年09月10日(月)      saury

 サンマが美味しいですねえ。
 新鮮なものはお刺身でいただくのが乙。
 焼いてよし、煮てよし、暫くの間はこの
 秋の味覚を楽しむことが出来ますな。
 何といってもやはり炭火でじっくりと
 塩焼きにしたものがうまいですねえ。

     酷きこと棚上げして喰う秋刀魚かな





2007年09月09日(日)      重 陽

菊の節句になりました。

 重陽の節句は 『男色の日』 でもあるそう
 です。陰陽道で奇数は 『陽』。その中で
 一等位の高い9の字は陽の横綱!いわゆる
 凸と凸。で、おのことおのこの重なる日とい
 うことであるそうです。現代では少々影に
 隠れた感がありますが、江戸時代には男色
 は珍しいことではなく、結構おおっぴらに
 罷り通っていたそうです。
菊が臀部を示す隠語であるのも何かの縁。男色云々は措いた
にしても、男子と生まれたからには陽の力がみなぎる今日の
この日を祝わない手はありません。おいちょかぶなら最強の
カブです。じゅっくん、いっぱち、さぶろく、にしち、出た〜
じゃりんこチエちゃんもぶっ飛ぶ大逆転、ごろんぱー!!

9の字には東洋独特の力を感じますなあ。






2007年09月08日(土)      秋 暑

 快晴になりました。『晴れ男』 なんてえ
 のがいるとしたら、今日あたりは本州中
 の人がそれですな。何万人いることやら・・・
 おかげで厳しい残暑になりましたがあの
 酷暑をくぐりぬけた人間にはこれしきの
 暑さはぬるいぬるい。ばりっと仕事をお
さめ、冷たいビールでもきゅうぅっと呑って、夏を惜しみましょう。





2007年09月07日(金)      鳥人間

大嵐が過ぎ去って一安心。安普請の工房も雨漏り程度の
軽微な被害にとどまり、無事に今朝を迎えほっとしました。

 昨日はそんな嵐の中、『鳥人間コンテスト』
 を見て楽しみました。今回で31回を数える
 大会は三つの部門に別れ、それぞれに良く
 できた機体が飛行し、ワクワクします。
 昨年は30km超の飛行をする機体も現れて、
 人力飛行機の進化に驚くばかりです。
なんといっても、若い人たちの情熱と結束と応援の元気を
頼もしく感じます。飛行機製作と実飛行はとても現実的です。
知恵を絞り、仲間と協力し、緻密な設計が必要です。そして
何より夢を抱き続けなければ実現できないでしょう。頭ばっ
かりでも、体ばっかりでも、夢ばっかりでもいけません。

昨年の秋、滋賀へ赴いた際に会場になっている 『松原水泳場』
を見てきましたが、琵琶湖は広いなあと思いました。この湖
を自作の飛行機で飛んだらさぞいい気持ちでしょうなあ・・・
この大会に出場して湖面を飛ぶ人たちは幸せですねえ。





2007年09月06日(木)      台風なので

予報どおり台風9号は関東地方をめがけて北上して
まいりました。皆様、暴風雨には充分にご注意を願います。

 最近、会話の中で語尾を上げて話す人
 はだいぶ少なくなりましたが、接続助詞の
 働きをする 『なので』 を文頭に持って
 くる人が多いことに不快感を感じます。
 増して語尾をのばして、「なので〜」 と
 だらしなく発音しながらの説明などを受け
ると相手の方の知性さえ疑いたくなります。一見、客観的な
説明にも受けとれるためにこの言い回しが伝染しているよう
ですが、裏返せば主観的な説明を避けた結果、主体性を欠い
てしまい、説明する側の曖昧さを投げかける結果に陥ってし
まっていることが多いのではないでしょうか。

説明上手の人ほど例えを巧みに引用し、吟味した情報を整理し
て提示するものです。『だからー』 『なのでー』 をたくさん並べ
れば並べるほど、自身の幼稚な解釈を披露してしまっているこ
とに気がつかないのは滑稽です。まるで、『要するに』 を多用
しているのに要約の下手な方を見るようです。

いずれ、品詞としては 『だから』 同様接続詞としてゆるやか
に認知され、聞きづらくはなくなるでしょう。しかしながら問題は
その品詞の使い方と頻度です。端的に、整理された、簡潔で、
知性ある美しい言葉を使うようにしたいものですねぇ。





2007年09月05日(水)      にじっせいき

来そうですねぇ、台風が・・・やですなあ。

 店頭に二十世紀梨が並び始めました。
 昭和生まれの中年にとって梨といえば
 やっぱり、二十世紀でしょう。最近は
 甘いだけの水っぽい梨が多く、またそう
 いったものを好む方々が増えたようです
 が、五味揃ってこその美食の誉。

夏を凝縮した初秋の滋味をしかと堪能いたしましょう。





2007年09月04日(火)      暑のもどり

『寒のもどり』 とは言いますが、『暑のもどり』 とは
言いませんなあ。今日はいかにもそういった一日でした。

 しかしながら、暑さの度合いは真夏のそれ
 ではなく、夏好きの方には頃合いの陽気
 だったのではないでしょうか。二百十日
 も過ぎ、重陽も間近です。朝夕の日足も
 ずいぶん短くなりました。月が替われば
 スーパーの店先から冷し中華も姿を消す
でしょう・・・さみしいことです。『蚊取線香』 と 『冷し中華』は、
まるで 『ひと夏の経験』 のやうですなあ。 ももえちゃ〜ん!





2007年09月03日(月)      マラトン

世界陸上大阪大会が終わりました。
女子マラソン土佐選手の3位は見事でした。

 しかしながら、女子マラソンの選手は痛まし
 いほどの姿になってしまうものですねえ。
 女性らしい体形はどこへやら、無駄な肉と
 脂肪はすべて削ぎ落とし、走るために必要
 な骨と筋肉だけの体で死にものぐるいで
 10里の道を走る姿は悲壮と言えましょう。
 走る道々、色んなことを考えるのでしょう
 ねえ、げに、哲学的ですなあ・・・

9月になって、学校も始まり、巷は夏の喧騒から秋の支度へと
様変わりしていきます。台風9号(フィートウ)も何やら不穏な
動きを見せています。ちと、気になりますねえ。





2007年09月02日(日)      ありがとうございました。

8月の終わりとともに 『芋乃市場』 も無事に終わりました。
暑い中にもかかわらず多くの方にご来場いただき、今月も
実り多い 『市』 になりました。小林圭子さんの銅版画も
とても評判がよく、手さげの展示作品もどれも素敵でした。

 友人の陶芸作家ウメちゃんこと梅原さんの
 ご紹介で、イラストレーターの斉藤俊行さん
 ご夫妻がいらしてくださいました。よく聞いた
 ら岩間の分校に住んでいたころに会ってい
 た旧知の方で、はじめまして久しぶりってな
 感じで、ご縁の不思議を改めて感じました。
画像は10月に福音館書店から発売される絵本 『かぜフーホッホ』
の斉藤さんの挿絵です。文章はエッセイストの三宮麻由子さん。
温かいイラストは、作家の目線の低さと丁寧な筆の良さでしょう。
斉藤さんのサイト 『工房水銀堂』 には、たくさんの絵が紹介
されています。

斉藤さんの奥様祥子さんもやはり分校で会っていた方で、ご夫婦
で埼玉にアトリエ 『あおぞら工房』 を開設し、地域の方々と図工
教室などを開かれているということ。われわれの芋乃市場同様、
分校の分校のような場を作っている方がここにもいらっしゃいました。
だんだんと日本中にこういった空間が増えていくと楽しいですなぁ。
ぜひとも頑張っていただきたいです。そして何か一緒にできること
があれば、更に面白くなると思います。じっくり企てましょう。

工房 水銀堂 http://suigin.com/blog/
あおぞら工房 http://suigin.com/aozora/index.html




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