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2007年12月31日(月) |
years go by |
今年最後の種明かし。2007年度は、一度も「私」という主語を使っていない。最後の最後にこれが書きたかったばかりに、今年一年頑張ってきたようなもの(笑)。ああ長かった。
◇
「私」と書かないことによって、客観性を確保できるのかと思っていたけど、「私」という境界線がないことで、逆に「私」が偏在してしまうという、主観性の地獄をさまよった。
◇
大切な友を喪うことではじまった今年、「誰かのために生きたいと願うが誰かが見つからないまんまである」と書いた去年の大晦日がまるで昨日のことのよう。
◇
きっと来年もそんなふうに過ぎていくから、だからせめて、毎日を丁寧に、大切に、なぞっていこうと思う。
◇
どうか、良いお年を。
2007年12月30日(日) |
taxi driver |
イルミネーションの類に興味はないけれど、深夜のタクシーの窓から眺める対向車のヘッドライトや、高速道路のランプの灯は、本当にきれいだと思う。やけっぱち騒ぎで喉を枯らした後ならなおさら、このままずっと、どこまでもどこまでもどこまでも、走ってくれないものだろうかと、いつも思う。
2007年12月29日(土) |
when you're really really drunk like me |
階段にうずくまって吐いている若者、おそらく上司なのだろう、禿げあがって鼻の下ののびきったおっさんに抱きかかえられている女の子、そんな年末の光景を、飲み方をわきまえていないことはなんと恥ずかしいことだろうかと見やったはずの自分が家についたらでろんでろん、バッグのなかから居酒屋の飾棚に置いてあったはずの張り子のトラが出てきたりして、今猛烈に恥ずかしい。
2007年12月28日(金) |
stray cats |
キミに対する優しさだけは本物なんだ、と信じたいがゆえに、深夜雨の中を往く。偽善なく打算なく愛せるのだ、と信じたいがゆえに、濡れて汚れた身体を抱く。多分キミの不幸を利用している。なんてことだ。
2007年12月27日(木) |
beneath these dirty sheets |
穏やかさと善良さを望んだから与えてやったのに、おまえはそれらを卑しい理由で拒もうとしている。おまえは祈ったではないか、もう二度とあんな思いはしたくない、身を裂くような情熱に駆られることだけはもう二度としたくない、と。おまえは今試されている、おまえの祈りが、真実のものであったか否か。
2007年12月26日(水) |
exception & excuse |
今年のはじめに「エクセプションとエクスキューズは最小限にとどめる」、と書いたはずだけど、やっぱり例外と言い訳だらけの年末である。まっすぐに、正直に、なんて可愛いことを言ってると、結局周囲がズタズタに傷つくだけだから、まあ仕方がない。
2007年12月25日(火) |
winter light |
夜の思考と朝の思考は完全に別物で、昨日の夜はなにやらえらく絶望的で捨て鉢な考えを弄んでいるうちに酔っぱらって眠ったのだけれど、カーテンの隙間から差し込む朝の光に促されるようにして目覚めてみると、なんだか今日はきっといいことがありそうな、そんな気さえしてきて、こうしてキーボードを叩いている。青い空と、常緑樹、そして冬の光。
2007年12月24日(月) |
you can carry me home now |
you can carry me home now, とLISA GERMANOの気だるい声に合わせて歌いながら夜道を歩く。もう、疲れたから、ブーツの足が痛むから、早くあなたのところに帰りたい。
2007年12月23日(日) |
we never talked |
肝心のことだけはいつも言わない。伝えることは罪であり伝えないことも罪であるというような状況に陥ってなお、口を噤み続けるのは優しさかそれとも卑怯さか。
ただただ昔が懐かしく感じられるような。誰かに触れられるたび、貴方が溢れ出す。ありとあらゆる傷痕から、貴方が何度も何度も抉った、一番深い傷跡から。見上げる天井にいくつもの夜が呼び起されては消えていく。
1996年5月22日、心斎橋クアトロで聴いたscarloverはこんなもんじゃなかった。 i wonder where you are、の叫びを今なら少しだけ理解できる。
結局はマシュマロのように不器用さもぎこちなさも受け入れてしまう、このずぶずぶの受動性。おそらく誰の隣にいることもできるけれど、はたしてそこに愛はあるのだろうか?
2007年12月20日(木) |
words aren't able to speak of love |
程度の低い、というと失礼かもしれないが、言い換えるとするなら幼稚、なコイバナ咲き乱れる職場である。別に聞く気もないけれど、不可避的に聞こえてくる弾んだ声のせいでどうにもペースが狂いがち。狩りをするつもりの動物がそんなに騒々しくてどうしますか、と言ってやりたい老婆心である。
2007年12月19日(水) |
synchronicity |
貴方にもらったロロピアーナのマフラーを、今もまだ使っていることに深い意味は別になく、ただ単にそれよりも良いものを自分で買うことができないから、なのですが、あの人と待ち合わせをしていた今日、何故だか会社に置き忘れてきてしまいました。深い意味はまったくないのですが、不思議な偶然もあるものですね。
2007年12月18日(火) |
though i know i've done no wrong, i feel guilt. |
こんなふうにして過ぎていく日々に対してはただ罪悪感を感じる。疲労でもなく、屈辱でもなく、倦怠でもなく。何かを徹底的に損ない続けることに対して。たとえそれが社会の要請であり、おそらくは正しいとされることをしているとしても、拭いがたい罪悪感がどんよりと、流されていく日々の底辺に澱んでいる。
2007年12月17日(月) |
sun comes up, it's Tuesday morning |
近頃いろいろ無理をしているせいか休みの前の日にはもう着替えることも化粧を落とすこともできないままに眠りこけてしまう。もちろん目覚めは最悪で、疲れもちっとも取れない。これだから仕事なんて…、と言えた時期はすでに遥か後方に、追いたてられて急きたてられて適当に流されていくことを受け入れはじめた朝の顔が日々、老けていく。
2007年12月16日(日) |
hell is other people |
一人が二人になるとより不自由になり、二人が三人になるとさらに不自由になる。組織が大きくなればなるほど、誰が何をしているのか分からなくなり、末端部分では絡み合って縺れ合って足を引っ張り合い、いつしか地獄を形成する。邪魔だ。ものすごく、鬱陶しい。
2007年12月15日(土) |
nobody teaches how to laugh... |
同僚の一人がお誕生日だというので、とりたててほかに予定もないし、仕事帰りに飲みに行った。そうしたら、お誕生日プレゼントとか、ケーキとか、あげくは「今日の主役」なんていう襷まで用意されていて、ああ、ジンセイって、そうやって楽しむものなんだな、と、カシスオレンジ1杯で酔っぱらってほっぺたを真っ赤にしている可愛い可愛い今日の主役を眺めながら、思った。
2007年12月14日(金) |
complicated |
けれどもしずめきれないままに午前6時半のアラームが鳴り時間切れ。あわただしく追い立てられて満員電車に詰め込まれ、お早うございますの挨拶をするころにはもう、ざわざわざわざわ、堅牢堅固な灰色のビルの中では視線と視線、言葉と言葉が絡み合い、実はけっこう、複雑な立場にいたりする。
2007年12月13日(木) |
calm down, come down |
何もしなくていい日は徹底的に何もしない。どこにも出かけないし、誰にも会わない。ざわついた心をしずめるには、それが一番。
2007年12月12日(水) |
did you really want? |
ああ、そうだ、欲望が価値を作り出す。欲望と欲望が交錯する地点には余剰価値が発生する。そうして騙される。あなたはそれを本当にそこまで欲していたのではない、他人が欲するからあなたも欲しただけのことだ。
2007年12月11日(火) |
everything means nothing to me |
「寒くない?」とか、「大丈夫? 僕の代わりに休憩行ってきていいよ?」とか、やさしい言葉をかけてくれる人はたくさんいて、そのたびにいちいち嬉しくて、いちいち可愛らしく笑ったりしている自分がいるけれど、たった一人のたった一言が永遠に欠如しているばっかりに、結局今夜も溜息をいくつかついた。
2007年12月10日(月) |
easy living |
会社を休む。一日寝る。以上、ごく簡単な一日。あまりに簡単すぎて、いやになる。
2007年12月09日(日) |
now i lay me down to sleep |
風邪はどんどんひどくなる一方で、鼻水のせいで重くなっていく頭に比例してどんどん気弱になる一方なので、絶望的な妄想が首をもたげはじめる前に、寝ます。
犠牲を払わないことには何事もなしえないのだと思っていて、何事もなしえないのは犠牲が足りないからだと思っていた。今はただ、完全に失敗に終わった自己犠牲のあとしまつをどうするつもりなのか、宛先を喪失した言葉の束を前にして途方に暮れている。犠牲とはたぶん、守るべきものがあってこそ有効に成り立つ概念なんだろう、ということに、気づくのが少し遅かった。
2007年12月07日(金) |
before you sleep |
二日も続けて適当な眠り方をしたので風邪をひいてしまいました。きちんと歯を磨いて、電気を消して、ベッドで眠ることは、とても大切なことです。そうでなければ、あらゆる今日は、ずるずると明日に持ち越され、いつまでたっても新しい明日はやってきません。夜眠る前に、その日一日にケリをつけておくべきです。そうしてできれば、明日の朝目覚めたときには、あらゆる昨日と、決別していられますよう。
2007年12月06日(木) |
too bad on your birthday |
貴方がどこで誰とどんなふうに生きていようと、もう何も、関係がないのだから、お誕生日おめでとう、なんてメールを送るのは、今年こそやめておこう、と思っていたのだけれど、そんなメールは自分のもとには送られて来た試しがないけれどもしももらったらうれしいよなとか、ちゃんと覚えているのだから、せめて覚えていることだけでも伝えておこうかなとか、いろいろ考えているうちに眠っていた。12月7日午前9時半記。
2007年12月05日(水) |
give me a reason to be a woman |
それにしてもたまらない鬱陶しさである。そんな日があることくらい、もうけっこう長いこと女という生き物をやっているので分からないではないのだが、目に映るものすべてがこうまで鬱陶しいとなると、女であることのみならず人間であることをやめたくなってくる。
だから何もせずに寝ました。12月6日午後7時半記。
2007年12月04日(火) |
she's ready to confess |
たとえば小さく正しく生活を守っていく姿勢。乱されず、揺らされず、責められず、憎まれず、恨まれず、咎められず、謗られず、詰られず、拒まれず。それはいい。なかなかいい。けれども、ここに連ねた「〜れず」は、愛されず、という一言に収斂していく。そろそろ本当のことを書こうか? もうそんな小さくて正しい生活には反吐が出そうなくらいうんざりなんだって。
2007年12月03日(月) |
and i hate disintegration |
大勢の人と一緒に笑っている自分になど慣れているわけもなく、気持ち悪さすら漂っていたこの週末、マイナスの要素を表現することは得意でも、プラスの要素を書かせればただたんに「楽しかった」としか書けない自分の貧弱な語彙ではとうてい太刀打ちできない体験を前にして、言葉に変換する努力を放棄した。「自分らしさ」にこだわっているうちは、新しい言葉を書くことはきっとできない。
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