おうち鑑賞

2008年06月30日(月) 『デルス・ウザーラ』

 
人間の清廉さ、品位。

黒澤明監督作品を見ていつも感じるのは

テーマとして(作為的に)伝えられているのではなく

黒澤明監督自身が滲み出て(表現されて)いるということだ。

心をゆだねるような感覚だ。





2008年06月27日(金) 『忍ぶ川』 『赤い橋の下のぬるい水』 『ゴッドファーザーPARTII 』 『羅生門』Re

たてつづけに見てしまって頭がふらふら。


『忍ぶ川』

背景に流れる暗い音楽や物語の背景に

二人の恋路が悲恋に向かうことを想像して

どんよりしてしまった。でも違ったのね。(結末の時点では)

想像していた以上に(恥ずかしいくらいの)純愛ストーリーだった。

こういうのわりと好き。

ホウ・シャオシエン監督や山下敦弘監督タッチで

現代版の『忍ぶ川』を見てみたいと思ったな。






『赤い橋の下のぬるい水』

清水美砂さんって嫌いじゃないけど

あんまり入り込んで見るタイプの女優さんじゃない。

エロスと現代社会の抱える問題とちょっぴりサイエンス?が

混じったような不思議な感覚の(綺麗な闇鍋のような)映画だった。

あんまり期待してなかったせいもあるのかな、おもしろいと思った。





『ゴッドファーザーPARTII 』

細かい記憶がとんでしまってる。

マフィア(ヤクザ)系の映画を見ると

そういうことが往々にしてある。

(映画を見た日と日記を書いている日にはタイムラグもあり)

印象に残っているのは、マーロン・ブランドの若き日を演じる

ロバート・デ・ニーロの演技の形の美しさ。

ロバート・デ・ニーロとマーロン・ブランドが

同一人物である(ドン・ビトー・コルレオーネである)ことに

何も違和感を感じさせない精神性が凄いと思った。







『羅生門』

また時間を置いて見直してみるつもり。







2008年06月26日(木) 『座頭市と用心棒』


岡本喜八監督作品、1970年製作。

タイトル通り、座頭市=勝新太郎、用心棒=三船敏郎。

ショックで暫らく立ち直れなかった。

何がって。

こんなにも監督の違いによって役者の魅力が無くなってしまうものなのか。

黒澤明監督作品の三船敏郎は光の矢が突き刺さってくるようだった。

勝新太郎の凄さ上手さの自負、でも観客を平伏せさせてどうするの?

監督より監督しちゃってどうするの? と、いう気分にさせられた。

岡本喜八監督の魅力をよくわかってないせいもあると思う。

前後してレンタルしていた『日本の首領』シリーズ3部作(三船敏郎出演)

見ないまま返却してしまった。


今はあまりにも大きな存在が心を占めているから。

またいつか見たいと思う日がきたらそうしようと思う。












2008年06月25日(水) 『勝手にしやがれ』 『望郷 サンダカン八番娼館』


『勝手にしやがれ』

ジャン・リュック・ゴダール監督作品を見たのは初めてだと思う。

物語性があるタイプの作品ではなく

淡々というのもちょっと違うけど

アート的な雰囲気の中に人間が描かれていて。

その平熱的(?)な表現に対し

終始、気分が高揚し感覚が刺激されて

おもしろい! と、ずっと琴線触れまくりで見た自分が

何でなのかよくわからなかった。






『望郷 サンダカン八番娼館』

かつてサンダカン八番娼館で働いていた(働かされていた)という

「おばあさん」から微妙で複雑な気持ちの揺れが伝わってきて

何という深みを演じる役者さんなんだろうと思った。

それも押し付けがましくないかたちで。

と、思ったら田中絹代さんだった。

ああ、この人が田中絹代さん!

(『殺陣師段平』『赤ひげ』の田中絹代さんを

見ているはずだがあまり印象に残っていなかったのだ。)

田中絹代さんの他の出演作品も見てみたくなった。












2008年06月24日(火) 『暴走機関車』 『江分利満氏の優雅な生活』


『暴走機関車』


黒澤明監督の原作作品なので見ようと思ったのだが

最初はタイトルを見て気乗りしなかった。

だけど想像していたイメージと(やっぱり)違った。

アクションを背景に人間が描かれていて

派手さはないけどずしりと胸にくる作品だった。

ふとスティーブン・スピルバーグの『激突』を思い出した。

ずいぶん前のこと、作品名も監督名も知らないまま

夕刻帰宅して、つけたテレビでたまたまこの映画を目にして

釘付けになったのだ。

その時のニュアンスとオーバーラップした。










『江分利満氏の優雅な生活』


岡本喜八監督作品。

好きか嫌いかで言えば

自分の好きなタイプの作品ではないと思う。

この作品が製作された1963年当時は

現在見て感じるよりもっとエキセントリックに

映ったのではないのだろうか?

普遍性という観点から見ると時間の流れと共に

風化を受ける作品のように思う。

そして男性的な作品だと思った。

(ワシ的にあまり好きじゃないという意味で。)












2008年06月23日(月) 『野良犬』Re


再び見る。



2008年06月22日(日) 『静かなる決闘』Re


再び見る。



2008年06月21日(土) 『静かなる決闘』Re


再び見る。



2008年06月20日(金) 『醜聞スキャンダル』Re


再び見る。



2008年06月19日(木) 『醜聞スキャンダル』 『八月の狂詩曲』


『醜聞スキャンダル』


黒澤明監督作品を見て

タイトルにいまひとつ惹かれない気がしても

冒頭のシーンが意外と普通っぽい?などと思ったとしても

物語がすすむにつれどんどん濃密になっていって

引き込まれることがある。

大向うを狙ったタイトルに、

インパクトのある掴みであとは尻すぼみ、という

よく見かけるパターンの逆だ。

黒澤明監督の人間性そのままなのだろうか?


『醜聞スキャンダル』は大好きな作品だ。

魅力的な登場人物たちにしびれる。









『八月の狂詩曲』

現代の若者たちというより、ひと昔ふた昔前の

清く正しい青年像という感じがした。

被爆を経験したおばあさんを演じた村瀬幸子さんという

役者さんのことを私は知らなかった。

この作品の要の役柄であるわけだけど

何か伝わりきらないもどかしさが残った。

(後日見た熊井啓監督の『サンダカン八番娼館 望郷』の

田中絹代さんのような深みを感じたかった)


ラストシーンが胸に迫った。

だけど、心を激しく揺さぶられる、という見方とはちょっと違う。

ただ黒澤明監督の他に誰がこの作品を作れるというのだ。

この作品が存在することに意義があると思う。










2008年06月14日(土) 『ゴッドファーザー』


かなり前に見たように思うがニュアンスしか憶えてない。

黒澤明監督作品を見るに付随してフランシス・F・コッポラ監督の

名前を目にすることがあったので見てみることにした。


語弊があるかもしれないが、ワシ的にはマイルドに感じた。

なんたって深作欣二監督の『仁義なき戦い』や

『県警対組織暴力』を見て縮みあがった時のことを思うと

「何てお洒落な映画なの?」とさえ思ってしまう。

全然別の個性を持った作品なのは言うまでもないけれど

同じマフィア(ヤクザ)を舞台にした物語ということで

オーバーラップしてしまうのだ。

『仁義なき戦い』を見た時もそうだったのだが

敵、味方、裏切り、寝返り・・・など、複雑な人間模様を

背負った人たちのお顔の区別が(相関関係図が)

あやふやな認識のまま見た感じ。

広がりのある映像を見てもスケール感をあまり感じず

力が内に向いてる印象だった。(スーラの点描画みたい?)

DVDで見たせいかな。











2008年06月12日(木) 『浮雲』


成瀬巳喜男監督作品を見るのは(たぶん)初めてだ。

「名作」「傑作」と言われている作品だけど

私にはよくわからなかった。

もちろんそれなりに(何様)面白く見た。

だけど、世間の評価がどうであれ

「自分はこう感じた」という感覚がよくわからないのだ。

何がそんなに「名作」なのだろう。

その事がわかって、わかった上で

(私にはよくわからなかった、と)

言えるのであればいいんだけど。もやもやした気分。

男女の機微というテーマに乗り切れないのかな?







2008年06月11日(水) 『椿三十郎』Re


再び見る。



2008年06月10日(火) 『どん底』Re 『隠し砦の三悪人』Re 『羅生門』Re


再び見る。



2008年06月09日(月) 『どですかでん』


6/3に見た時は冒頭から睡魔に襲われ

そして今日もまた睡魔に襲われ二度見直した。

これまで見てきた黒澤明監督作品とは全く違う作風に

最初は戸惑って見入ることが出来なかったのだ。

しかし、次第に引き込まれていった。

この作品にはたくさんの登場人物が登場するのだけど

(全ての登場人物が係わり合うのではない)

それぞれに強烈な存在感があり、それぞれが際立っている。

まるでいくつもの物語(人生)が一作品に物凄い密度で凝縮したようだ。

冷静に見ていたつもりが最後、放心している自分が意外だった。







2008年06月08日(日) 『用心棒』Re


再び見る。



2008年06月06日(金) 『夢』


全8話からなる(黒澤明監督が見た?)夢をテーマにした作品。

この作品を見てから約1ヵ月経っているのだけど

印象に残っているのは2〜3話の場面だった。

一番最初に頭に思い浮かぶのは笠智衆さんのシーン。

淡々とした佇まいの笠智衆さんが台詞を言うと

お説教臭くなく心に染みこんでくる。

そして狐の嫁入りの幽玄的なシーン。

それから、マーティン・スコセッシが演じたゴッホのシーンなど。

また時間を置いて見直してみようと思う。

(今は初期の作品を見る方に気持ちが行ってしまう。)














余談。

私も一週間くらい前に「こんな夢を見た」。

お茶屋さんのような木の造りの

古い映画館の階段を降りて行く途中

粋なお姐さんと擦れ違った。

お姐さんに「背が高いねぇ」と話しかけられた。

別の年嵩なお姐さんが壁に二枚並んだ

古い映画のポスターの説明をしてくれた。

年嵩なお姐さんは左の方のポスターを指して

「こっちにおし」とその古い映画を薦めてくれた。

という夢だった。








2008年06月05日(木) 『乱』


武将の父仲代達矢と三人の息子たちが話をする

冒頭のシーンから、あまり引き込まれる感じではなかった。

映像の構図とか色彩とか色々な要素にそう感じたのだと思う。

初期、中期の作品とは違う作風なので余計にそう思ったのかもしれない。

初期、中期の黒澤明監督作品を見た時のことは忘れて(?)

スイッチを切り換えて(?)また見直したい。



印象に残ったのは原田美枝子の鬼気迫る演技。

凄いと思った反面、(ワダ・エミさんの衣装同様)

作品の中で突出している存在感が好きじゃなかった。

(演出や編集に関わることなのだろうか?)

『影武者』に比べるとこちらの作品の方が

エンターテイメント性があり(良いか悪いかは別にして)

面白く見られたように思う。
















2008年06月04日(水) 『影武者』


当初、武田信玄役だった勝新太郎が降板し

仲代達矢が引き継ぐことになったという経緯を知って

見たせいもあるのか、信玄役が勝新太郎だったら

どんなに面白くなっただろうという思いが離れなかった。

ファニーで野放図な勝新太郎の信玄があってはじめて

成立する作品のように思ってしまう。

仲代達矢が醸し出す空気はシリアス過ぎて

(言わずと知れた名優であっても)

適材適所の役ではないような気がした。

登場人物たちが談笑するような明るい(?)場面も

全体的に重苦しい気分のまま見た感じだ。

そして、印象に残っているシーンがあまりないということに気付いた。

(日記を書いている現在、この作品を見てから約1ヵ月経っている)

なるべく先入観を持たないような状態で

また時間を置いて見直してみるつもりだ。

それにしても、黒澤明監督と勝新太郎を上手く橋渡しする人が

いれば良かったのにとつくづく思う。












2008年06月03日(火) 『椿三十郎』 『赤ひげ』 『どですがでん』VS睡魔


『椿三十郎』

若武士たちの青臭いひよっこぶりが

ユーモラスで微笑ましい。

(正義のためのすったもんだ。)

何だかんだ言いながら幼稚園の先生のごとく

若武士たちの面倒を見る椿三十郎(三船敏郎)の男っぷり。

小川を流れてくる椿、入江たか子の馬になり踏まれて顔を歪める三船敏郎、

母娘と全然テンポが合わなない椿三十郎と若武士たち 等々。

印象的な場面にわくわくする可笑しみを噛み締める。






『赤ひげ』

赤ひげ(三船敏郎)の医者としての姿に感銘を受け、

(いわゆるエリート志向だった)志が変化していく

医者の卵の若者(加山雄三)。

悩んだり迷ったり怒ったり、

自然で等身大の若者の姿が清々しい。

迫力、勢いというより老練さを感じた作品だった。





『隠し砦の三悪人』あたりから、三船敏郎の役柄が

ストーリーテラー(??物語の進行役の意味で使った)のように感じる。

黒澤明監督作品の中で何か変化があったのだろうか。

『赤ひげ』が三船敏郎にとって

最後の黒澤明監督作品出演作だ。

ショックだ。もっと見たい。















2008年06月02日(月) 『隠し砦の三悪人』


金鉱堀りのために捕らわれた民衆らが

反乱を起こし城から溢れ出る圧倒的な数の迫力。

馬で敵を追撃、馬で女子を拾って爆走するシーンの

シビレるようなかっこ良さ。

そして勝気で一本気な姫様の可愛らしさ。

黒澤明監督作品で描かれている女性は

良くも悪くも男性の幻想としての女性像ではなく

一人間として描かれていると思う。

黒澤明監督は女性を描けていない、と

何かで読んだ(か聞いたか)ことがあるが、

私は黒澤明監督の描く人間像に(性差なく)共感することはあっても、

根源的な部分で違和感や不快感を感じたことはない。

(普段、映画やドラマでちょっとした違和感を感じる事は多い。)


この作品には出演してないけど

千石規子さんもとても魅力的。

それにしても姫様の初々しいがなり声が

耳について離れない。











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Barbara [MAIL] [バイオトープの庭]

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