月に舞う桜

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2021年12月31日(金) 2021年の振り返り

今年も去年に引き続き、何もしないまま、一年があっという間に虚しく過ぎていった。そんなだけど、とりあえず振り返りを。

★今年の「人生で初めて」★
・小説のタイトル募集企画に応募(堂場瞬一の新作小説)
・読書メーターを始めた
・ハイレゾのスマホ
・美容院で芸能人の髪型をオーダー(「山口もえの前髪にしてください」と)
・MRI検査
・クリスマスケーキを予約

★音楽★
今年もライブに一度も行っていないけど、配信ライブは何度か観た。
・スピッツ
・櫻井和寿 × 小林武史 (音楽イベント『ワン・バイ・ワン・プラス 』
・B'z × ミスチル(B'z主催のRock Project『B'z presents UNITE #01』)
・B'z × GLAY(同上)

相変わらずToshlove(Toshlファンのこと)だけど、ここ2年ほどは正直、LOVE度が以前より下がっている。どんなときでも明るく前向きに、新たな挑戦をし続ける!……みたいな言葉を私が受け入れられなくなってしまった。
以前はToshlの出演番組なら全部観ていたのが、最近は観る番組を取捨選択するようになった。
それでも、ニコニコのチャンネルに出したお便りメールが久しぶりに読まれて、名前を呼びかけられて嬉しかったり(名前呼ばれたさに、本名で出してる)。
来年は、じっくり歌を聴かせるタイプの番組にもっと出てくれると良いなあ。今年は、『題名のない音楽会』が一番良かった。

★読書★
読みたい本を片っ端から図書館で借りて読んだ。図書館で借りれば、購入費用や保管場所を気にせずどんどん読めるので、助かる。
読書くらいしかやる気がない時期があり、読書すら気が向かない時期もあり、結果、一年で読んだ本は合計141冊。
一年に200冊、300冊と読む人は、いったいどんなスピードで読書しているのだろう。
いや、でもまあ、私は速読したいわけでもないからな。

今年読んだ中で特に印象深かった10冊
・綾屋紗月編著『ソーシャル・マジョリティ研究』
・村田沙耶香『余命』(『殺人出産』に収録)
・斉藤章佳『男が痴漢になる理由』
・デラルド・ウィン・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』
・紀藤正樹『決定版 マインド・コントロール』
・フェルナンド・バジェホ『崖っぷち』
・乃南アサ『暗鬼』
・レイ・ブラッドベリ『華氏451度』
・小野賢二他編『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』
・柚月裕子『臨床真理』

でも、最も強烈で、忘れられない言葉は、川上未映子『ヘヴン』の
「生きてる自分からは誰も自分を守ってくれない」
だった。
この言葉が強烈に焼付いて、一瞬、それ以外のすべて(ストーリーや登場人物たち)が背後に退いてしまうほどだった。
ときどき、こういう“忘れられない一言”に出会える小説がある。
そして、全体としては好みの小説でも、際だった一言に出会えるとは限らないのが、おもしろいところだ。

「村田沙耶香を読破計画」は、2月に『丸の内魔法少女ミラクリーナ』を読み終わったところで、一旦は完結した。
去年から始めた「東野圭吾と金田一耕助シリーズ読破計画」は、引き続き進行中。

読みたい本リストを作っているのだけど、1冊読む間に、読みたい本が2,3冊増えたりして、なかなかリストが減らない。
来年は、シオランをもっと読みたいし、ドーキンスも読んでみたい。あと、日本国内の社会問題や、戦時中の加害性に関する本もたくさん読みたい。そして、もちろん小説も。

今年の全読書リスト
1.綾屋紗月編著『ソーシャル・マジョリティ研究』
2.横溝正史『犬神家の一族』
3.堂場瞬一のタイトル未定の小説
4.平野啓一郎『ドーン』
5.赤川次郎他『1日10分のごほうび』
6.東野圭吾『名探偵の掟』
7.鈴木邦男『〈愛国心〉に気をつけろ!』
8.横溝正史『女王蜂』
9.村田沙耶香『殺人出産』
10.コレッタ・スコット・キング編『キング牧師の言葉』
11.村田沙耶香『消滅世界』
12.横溝正史『悪魔が来りて笛を吹く』
13.東野圭吾『名探偵の呪縛』
14.東野圭吾『怪笑小説』
15.村田沙耶香『変半身(かわりみ)』
16.荒このみ『マルコムX』
17.鈴木邦男『言論の覚悟 脱右翼篇』
18.渡辺茂『あなたの中の動物たち』
19.東野圭吾『浪花少年探偵団』
20.藤田庄市『カルト宗教事件の深層』
21.東野圭吾『しのぶセンセにさよなら』
22.村田沙耶香『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
23.横溝正史『女が見ていた』
24.上坂昇『キング牧師とマルコムX』
25.横溝正史『迷路荘の惨劇』
26.横溝正史『幽霊座』
27.横溝正史『人面瘡』
28.東野圭吾『白馬山荘殺人事件』
29.平野啓一郎『かたちだけの愛』
30.唯野未歩子『正直な娘』
31.マーチン・ルーサー・キング『黒人はなぜ待てないか』
32.布留川正博『奴隷船の世界史』
33.ジョン・ロールズ『公正としての正義』
34.上杉忍『アメリカ黒人の歴史 奴隷貿易からオバマ大統領まで』
35.トニ・モリスン『「他者」の起源』
36.横溝正史『不死蝶』
37.スティーヴン・ハッサン『マインド・コントロールからの救出』
38.斉藤章佳『男が痴漢になる理由』
39.古谷経衡『毒親と絶縁する』
40.鎌田遵『癒されぬアメリカ 先住民社会を生きる』
41.ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏�� ジュスティーヌ』
42.ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏�� バルタザール』
43.ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏�� マウントオリーヴ』
44.横溝正史『幽霊男』
45.東野圭吾『学生街の殺人』
46.湯本香樹実『夜の木の下で』
47.横溝正史『生ける死仮面』
48.横溝正史『迷路の花嫁』
49.横溝正史『悪魔の手毬唄』
50.川上未映子『ヘヴン』
51.横溝正史『三つ首塔』
52.東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』
53.青木淳悟『いい子は家で』
54.田崎基『令和日本の敗戦』
55.本間龍『ブラックボランティア』
56.友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』
57.ロレンス・ダレル『アレクサンドリア四重奏�� クレア』
58.橋田壽賀子『安楽死で死なせて下さい』
59.奥田英朗『コロナと潜水服』
60.デラルド・ウィン・スー『日常生活に埋め込まれたマイクロアグレッション』
61.武田砂鉄『わかりやすさの罪』
62.ジョン・ロールズ『正義論』
63.東野圭吾『11文字の殺人』
64.ジェニファー・エバーハート『無意識のバイアス』
65.横溝正史『吸血蛾』
66.佐藤典雅『カルト脱出記』
67.いしいさや『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』
68.高田かや『カルト村で生まれました。』
69.アリス・マンロー『林檎の木の下で』
70.高田かや『さよなら、カルト村。』
71.たもさん『カルト宗教信じてました。』
72.紀藤正樹『決定版 マインド・コントロール』
73.奥田英朗『邪魔(上)』
74.奥田英朗『邪魔(下)』
75.たもさん『カルト宗教やめました。』
76.深沢七郎『風流夢譚』
77.山口広、滝本太郎、紀藤正樹『Q&A宗教トラブル110番』
78.フェルナンド・バジェホ『崖っぷち』
79.乃南アサ『凍える牙』
80.山寺香『誰もボクを見ていない』
81.オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』
82.能町みね子『結婚の奴』
83.ジョン・ロールズ『公正としての正義 再説』
84.宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』
85.エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』
86.横溝正史『毒の矢』
87.ジョージ・オーウェル『1984』
88.横溝正史『死神の矢』
89.東野圭吾『魔球』
90.乃南アサ『暗鬼』
91.櫻井義秀『「カルト」を問い直す』
92.ジョン・ロールズ『万民の法』
93.アーサー・C・クラーク『都市と星』
94.ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
95.高橋ユキ『つけびの村』
96.仲正昌樹『いまこそロールズに学べ』
97.東野圭吾『ウインクで乾杯』
98.ル・クレジオ『物質的恍惚』
99.伊藤計劃『ハーモニー』
100.東野圭吾『白鳥とコウモリ』
101.ジョージ・オーウェル『動物農場』
102.マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』
103.古沢良太、松田美智子『ゴンゾウ』
104.渡邉琢『障害者の傷、介助者の痛み』
105.鴻上尚史『不死身の特攻兵』
106.ジョージ・オーウェル『空気をもとめて』
107.横溝正史『華やかな野獣』
108.横山秀夫『臨場』
109.横溝正史『魔女の暦』
110.横溝正史『支那扇の女』
111.横溝正史『金田一耕助の冒険1』
112.横溝正史『金田一耕助の冒険2』
113.横溝正史『悪魔の寵児』
114.『教科書無償』編集委員会編『教科書無償 高知・長浜のたたかい』
115.横溝正史『火の十字架』
116.横溝正史『殺人鬼』
117.レイ・ブラッドベリ『華氏451度』
118.東野圭吾『透明な螺旋』
119.奥田英朗『無理(上)』
120.奥田英朗『無理(下)』
121.東野圭吾『十字屋敷のピエロ』
122.鴨長明、浅見和彦『方丈記』
123.マーガレット・シンガー『カルト』
124.マーサ・ヌスバウム『正義のフロンティア』
125.フランツ・カフカ『変身』
126.マイケル・サンデル『リベラリズムと正義の限界』
127.ジョージ・オーウェル『牧師の娘』
128.アルベール・カミュ『異邦人』
129.小野賢二他編『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』
130.アルベール・カミュ『幸福な死』
131.ふじいかつのり『えほん 障害者権利条約』
132.長瀬修他『障害者権利条約の実施』
133.『群像』2021年10月号
134.内田樹『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』
135.島本理生『ナラタージュ』
136.柚月裕子『臨床真理』
137.稲葉振一郎『ナウシカ解読 ユートピアの臨界』
138.伊藤詩織『Black Box』
139.青木理『誘蛾灯』
140.亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集』
141.デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』


2021年12月30日(木) 12月の読書記録

明日は今年一年のまとめを書きたいので、今月の読書記録は1日繰り上げて、今日書いておく。

★合計9冊
・『群像』2021年10月号
・内田樹『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』
・島本理生『ナラタージュ』
・柚月裕子『臨床真理』
・稲葉振一郎『ナウシカ解読 ユートピアの臨界』
・伊藤詩織『Black Box』
・青木理『誘蛾灯』
・亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集』
・デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』

大学の英米文学の授業をきっかけに好きになったディキンソンの詩を、久しぶりに読みたくなった。図書館で何か借りようと思っていた矢先、本棚を大々的に整理したら、ずいぶん前に買った詩集が出てきた。処分したと思いこんでいたけれど、捨てずにちゃんと取っておいたらしい。
内田樹の『他者と死者』も、ナウシカの考察本も、同じように本棚の整理で見つかった本だ。だいぶ古びて汚れているけど、読めて良かった。
買ったはいいが読まずに本棚に並べてあるだけの本が何冊かあるので、今月は図書館ではあまり借りずに、そういった積ん読を消化した。来月も、引き続き。


2021年12月28日(火) HDDからブルーレイに焼けない

困ったことが起きた。

HDDに溜め込んでいるToshlの出演番組を、まとめてブルーレイ(BD-RE)に焼こうとした。が、デッキがディスクを読み込んでくれない。
でも、そのブルーレイディスクは以前、同じレコーダーからダビングしたことがあるから、使えるはずなのだ。
ディスクが損傷したのかと思って、PCに入れたら、ちゃんと再生できる。
さらに、レコーダーに製品版ライブDVDを入れてみたら、これは読み込んで再生できる。つまり、レコーダーのディスク読み取り部分が壊れてるわけでもない。
だから、たぶん、レコーダーとディスクの相性が悪いのかと思うけれど、前は読み込めたディスクが読み込めなくなるって、どういうことなんだ?
しかも、新品の空ディスクも入れてみたけど、それも読み込めず……。
取説を見て、対応可のディスクを買ったんだけどなあ。
仕方ないから別の新しいディスクを買えばと思うけど、こうなるともはや何を買えば良いか分からない。
もしかして、DVDは読み込めるけど、ブルーレイだけ読み込めなくなったのだろうか?
いや、でも、そんなことないよねえ?

困ったなあ。


2021年12月27日(月) わざと無知でいることは、加担すること

無知であることは罪ではないが、大人がわざと無知のままでいることは、大いなる罪だ。
この社会には、ひどいことが山のようにある。
私は、そのひどいことの、ほんの一部しか知らない。それでも、ときどき、社会のひどさに打ちのめされ、そんな社会で生き続けるのが嫌になってしまう。
だが、知らなければならない。
わざと知らずにいることは、山のようなひどいことに加担することでもあるから。


2021年12月26日(日) Facebookの光と影

Twitterで、「Facebookは、分断なんてないような雰囲気を出さなければならない、ポジティブな発信しかしてはならない、という空気感がしんどい」というツイートを見た。その人は仕事柄、多くの人々のつらさに触れているから、自分だけが楽しい雰囲気を出すことはできなかったそうだ。
そのツイートに触れ、「どうでも良い日常生活報告にはいいねがつくが、政治ネタにはまったくつかない。『君らがそんなだから今のこの国はこうなんだぞ』と溜め息をつく」と言った人もいた。

どちらも、共感する。
Facebookでも社会問題を発信してるインフルエンサーはいるけれど、リアルの友人たちは、たいていポジティブで楽しい雰囲気しか出さない。
私も、そういう空気が最近しんどい。
彼らは、コロナや五輪の話も、あくまで前向きな話に終始している。政治含む社会問題や、人々の辛さや苦しみなんて存在しないかのようだ。
この社会のしんどくてひどい状況を分かりつつ、あえて楽しい日常だけを発信しているのかもしれないし、そういうSNSなんだよと言われればそれまでなのだが、それにしても、日常生活の報告と政治ネタに対する反応の落差が激しいので、みんな現実を生きてる? 大丈夫? と思う。
まあ、そんな私も、どうでもいい日常のことや、おいしいものの写真も投稿してるわけだけど。
でも、せっかく繋がっているのだから、楽しいことばかりではなくて、自分が認識している様々な問題や痛みを少しでも知ってもらえたらと、社会問題や政治ネタを投稿やシェアすることもある。
けれど、社会の分断以前に、自分とリアル友達との隔たりを感じるから、Facebookはそろそろ潮時かな……と、思い始めてたところだ。
とは言え、たまにFacebookでしか入手できない有意義な情報もある。
切りがいいから今年でFacebookをやめようかとも思ったけれど、そういう情報があるからアカウントを消すのはもったいない。
あと、Facebookのアカウントを削除することでインスタのアカウントもなくなったら困る。


2021年12月25日(土) 強くて明るいふり

遠い昔、恋愛対象として好きな人に「桜井さんは強いよね」と言われた。
強くいないと生きていけないから強く見せているだけだったので、そんなふうに言われて少なからずショックを受けた。そして、そのショックを自分でごまかすように、「いったい人の何を見てるんだよ、バーカバーカ」と心の中で悪態をついた。

私は、あの頃と何も変わっていないのではないだろうか。
つい先日も、人と話していて、「あ、いまの言葉と態度は絶対、私を明るくて前向きな人間だと思わせてしまっただろうな」と思うことがあり、自分をそう見せてしまったであろうことを後悔した。

明るく見せるのは悪いことではないし、嘘をついたということでもない。
けれど、偽りの自分を見せていることが、自分への裏切りに感じる。相手への罪悪感ではない。

平野啓一郎の言う「分人」も理解できなくはないけれど、私はやはり、いくつもある(かもしれない)分人の土台として確固たる個人があるという考え方を捨てきれない。
自分が納得した上で、意図的に、相手と場面に合わせた分人を見せることは構わない。けれど、自分の意に反して、「強くて明るくて前向きな私」を見せてしまうことは、私という個人(陳腐に言うなら、「私らしさ」)を蔑ろにしているように感じて、苦しい。

今日、お礼なんて言いたくないし、言わなくてもいい場面なのに、「ありがとう」を言ってしまった。
来年は、そういうことはやめたい。
リアルでそれがすぐには難しいなら、せめてネットでは、偽りの自分を見せるのはやめよう。

以前の職場で、私が居ない場所でのことだが、Aさんが「桜井さんは、天使みたい」と言ったところ、Bさんが「桜井さんは天使みたいじゃないよ?」と返してくれたらしい。
それを、あとになってBさんから聞いた。
私は、Aさんの言葉より、Bさんの言葉が、とてもとても嬉しかった。分かってくれる人は、分かってくれるのだ。

天使じゃないから、天使の衣は脱ぎ捨てよう。
そして、悪魔を見せるの。


2021年12月18日(土) 断続的な痛み

お尻の奥から下腹部にかけての痛みの件、ここ10日ほどは、耐えられない痛みはない。でも、ロキソニンを使うほどでないものの、確かな痛みが断続的に出る。
痛みをやり過ごしたり、いつ痛くなるかと気になったりして、QOLは確実に下がっている。なので、早いところ、どうにかしたい。
しかし、MRIの結果が出るのは来年……。


2021年12月16日(木) 寒い夜と、極上の幸福での本音

寒い夜、湯船に浸かって温かいお湯に全身を包まれたら、天国みたいに気持ちが良かった。
「このまま眠るように死ねたら幸せなのに」と思った。
続けて、
「お風呂で眠るように死ねたり、コンセントからプラグを抜くように一瞬で人生を終えたり、そういう安楽な最期が約束されていないのに、なぜ私は生まれさせられてしまったのか、なぜ私の人生は始まってしまったのか……」
と考えたら、悲しく、やるせなくなった。

これまで、人生で最高に楽しかったと思えるくらいのライブが何度かあった。
その帰り道は、いつも極上に幸福だった。
そして、そんなときは決まって「この帰り道で突然心臓が止まればいいのに」と願っていた。
反面、そこまで熱中できるライブの最中でさえ、心のどこかは常に現実的だった。
歓声を上げながら、翌日の仕事を考えて憂鬱になったり、「これが終われば、また疲弊の日常に戻るのだ」と頭の隅が醒めていたり、どうすれば楽に人生を終えられるのだろうとぼんやり考えたりする。

いつも、幸福に浸っても、浸りきれない。

これが、私の心の奥底にある本音で、実情。


2021年12月15日(水) 細く尖った凶器で、ガラスを突き刺されるような

昨日の日記に、人生で初めてMRIを撮ったこと、検査はスムーズに進んだし先生もユニークで感じの良い人だったことを書いた。
12月14日の日記
けれど、実は、私の人生に象徴的な、嫌な思いもした。

検査後、看護師が私ではなく同行者に体を向けて、同行者の顔を見て、説明を始めた。注意事項の用紙も、私にではなく同行者のほうに差し出した。
患者は私なのだから私に説明してくれ、私に紙を見せてくれ……と意思表示するために、看護師の顔をがっつり見つめ、用紙を受け取るべく手を出し、少し食い気味に相槌を打った。そうしたら看護師は気づいてくれて、私の顔を見て話し、私に用紙を向けた。
それでも、そのあとも気分は穏やかにならず、ずっとわだかまり続けている。

たった一回そういうことがあったくらいでは、傷ついたりはしないだろう。
けれど、あれは数多のうちの一回だ。
障害者としての私の人生で、そういうことが無数に繰り返されてきた。これからも繰り返されるのだろう。

ああ、私の人生って、そうなんだなあ……と、改めて思い知らされた。

ひとめで、明らかに手足に障害があると分かる。でも、意思疎通や会話内容の理解が可能であることも、容易に分かるはずなのだ。
それでも、対等な意思疎通の相手として見なされないことが何度もある。

私が買い物するのに、同行者に「袋は必要ですか?」と聞く店員。
私が乗降介助してもらうのに、同行者に行き先を聞いたり待機場所を指示したりする駅員。
私が診察を受けるのに、同行者に説明する医療従事者。

そのたびに、同行者の方を向いている顔を見つめ、同行者が答えてしまう前に、言葉を返す。穏やかに、明るく、明瞭な声で。

どこ見てんだよ。
こっちを向けよ。
私と会話しろよ。
バカにしてるのかよ。
舐めるなよ。

そんな言葉や態度は飲み込んで、心の奥底に押さえつけて。

そう言えば、福祉職の人に一言の断りもなく体を触られ、動かされたこともあった。
(9月10日の日記参照)

幸い、運の良いことに、これまでの人生で、鈍器でガラスを叩き割るような差別には遭ったことがない。
けれど、細く尖った凶器でガラスの一定の箇所を何度も突き刺して削られるような経験は、嫌と言うほどある。
一度ならダメージがなくても、何千回、何万回と繰り返されれば、いずれガラスにひびが入って割れるだろう。
割れたら、元には戻せない。
割れる前に、削られてひびが入りかけた場所を修復できるのだろうか。


2021年12月14日(火) 人生初のMRI

先月から悩まされている謎の腹痛の件で、画像検査専門のクリニックでMRIを撮った。
そういうクリニックがあるとは知らなかった。
普段通っているクリニックでは検査できない場合、かと言って大きな病院で検査するとなるとすぐには予約が取れないし、検査当日の待ち時間が長くなる。その点、今回行った画像検査専門のクリニックは、ほぼ予約時間ぴったりに検査が始まって、スムーズで良かった。
ただ、検査結果が出るのは年明けなので、腹痛の原因判明と治療開始は年を越すことになってしまったけど。

私の中では、ダグラス窩の子宮内膜症だろうと勝手に決めている。原因が分からないくらいなら、むしろそれであってほしい。

ちなみに、先生は説明が分かりやすいし、ユニークで気さくな人だった。造影剤をどこから入れるかという話で、私は腕に血管が出づらいので手の甲で採血してもらうことが多いと言ったら、先生が「僕もなんだよ」と、自分の血管を見せてきた。いや、あなたの血管に興味はないけど……と思いつつ、別に悪い感じはしない。


2021年12月13日(月) 卑怯な施策

JR東日本が、駅のバリアフリー化の費用を確保するため、料金を引き上げる方向だそうだ。
元は読売新聞の記事だけれど、ヤフーニュースにも転載されていて、ヤフコメに書かれた障害者差別がひどいらしい。
私はヤフコメを読んでないけれど、「だろうね」という感じだ。読まなくても、どんな惨状だか想像に難くない。

ひどい障害者差別を書き込む輩と、それを放置するヤフーが大きな問題であることは当然として、そもそもバリアフリー化費用を料金に転嫁する制度が問題なのだ。
バリアフリー以外の面での駅改修や車両刷新などにも費用はかかるわけだけど、なぜ、バリアフリー化の費用については顧客に負担させることを行政が是とするのか。本来なら施設建設時にバリアフリー化すべきところ、行政と事業者の不作為のせいで、長年著しい不便と負担を強いられてきたのは、我々障害者だ。それを、今になって「急に莫大な費用がかかるから」みたいな顔をして、バリアフリーを最も望んでいる層に矛先が向くような施策を打つのは、卑劣きわまりない。これまで自分たちがどれだけ差別的な状態を放置してきたのか、自覚がなさすぎる。
駅のバリアフリー化は、障害者や高齢者等々へのお情けではない。国と自治体と事業者が共同で取り組むべき責務であり、心情的には、「今まで申し訳ありませんでした」という顔で臨んでもらいたいくらいだ。
費用を料金に上乗せするなら、今までバリアフリーについて考えたこともない人たち、そんなの必要ないと思っている人たちの運賃に全部転嫁してほしい。

◆JR東、首都圏在来線を値上げへ…バリアフリーの費用確保(2021.12.11 読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211210-OYT1T50420/?fbclid=IwAR2G7_CSVBYuApM4IZLpUzCyero_ikrqMIXxKJU-a6hV4xqoj4Z7LuUyG-w


2021年12月05日(日) 生きている限り解消できない

生きるということは、基本的にそれ自体、疲弊することであり、面倒なことであり、ストレスになる。
何かストレスになるようなことが積み重なるというよりは、生きていることそのものがストレスだ。
そして、それはいまに始まったことじゃなく、実は、昔からそうなのだ。
例えば、ライブに行ったり買い物したり、おいしいものを食べたりしてストレス解消すると言っても、それはあくまで一時的なこと(いわば解消したかのような錯覚)であって、生きていることのストレスは根本的には解消できない。生きている限りは。


2021年12月04日(土) 長生きはしたくない

お尻の奥から下腹部にかけて耐えがたい痛みに襲われる件(11月22日の日記参照)。
総合病院でCTを撮ったときは「しばらく様子見で構わない」と言われたものの、その後も痛みが治まらないので、先日、婦人科に行ってエコー検査してもらった。
この件で病院へ行くのは、これで3回目だ。そのたびに「○○かもしれないから、××の薬を〜」とか「とりあえずロキソニンで対応して、しばらく様子見て」とか言われるけれど、結局いまだに解決していない。後日、また婦人科に行く予定だ。

素人考えで「過敏性腸症候群では?」「子宮内膜症では?」などと思ったりもするが、これは素人の根拠なき妄想なので、もちろん医者に言ったりはしない。
でも実際、婦人科で子宮内膜症の可能性は指摘された。が、排便の状態もあまり良くなさそうなのが気になると言われ、子宮内膜症の詳しい検査の前に下剤を試しましょう、と。
婦人科の前に行った内科では、隠れ便秘が痛みの原因という可能性は指摘されなかっんだけどなあ。
せっかくの婦人科なのだから、下剤を処方しつつ血液検査もして、とりあえずMRI検査の予約も入れてくれればいいのに。下剤使ったけど治りませんねってなって、そこからMRIを予約して子宮内膜症の検査をして、検査結果を待って……とやってる間も、こっちは痛みで苦しむんだよ?
患者の痛みもコストとして考えてほしい。

ちなみに、今回のことでいろいろネットで調べてて、「ダグラス窩」なる部位?を知った。ダグラスは、マッカーサーくらいしか知らない。
やっぱりダグラス窩の子宮内膜症じゃないのか、これ。

今のところロキソニンが効く痛みなのが不幸中の幸いだが、痛くなり始めると耐えられない痛みなので、それが毎日起こると精神的に追い詰められる。

今回のことだけじゃなく、将来のことも考える。
今回のは、たぶんいずれ原因が分かって適切な治療ができるだろう(そうじゃないと困る)。でも、これから先、年を取るにつれて、こういうことが増えるのだと思うと、暗澹たる気持ちになる。
痛みなどの不調が起きたら病院に行く。それも、一回じゃ終わらなくて、2,3カ所回らないとダメかもしれない。しかも、医療はバリアフリー度が低いから、病院に行くのも検査も大変。特に、車椅子ユーザーにとって、検査の大変さは異常! 年を取ったら、たぶん、ますます大変になる。
で、いろいろ検査して原因が分かるまで時間がかかる。その間、痛み止めなどでごまかしつつ、つらい日々が続く。
年を取るって、たぶんこういうことが増えていくってことでしょう?

例えば、
痛み→鎮痛剤→痛みを感じなくなる
というふうに、まずは痛みが発生してからの対処なわけで、痛みの発生から解消まではどうしたってタイムラグがあるわけで……嫌だなあ。
痛みだって、いまは耐えられないほどとは言えロキソニンが効く程度の痛みだけど、高齢になったらどんな病気になるか分かったもんじゃないし、死に向かうときはもっとひどい痛みが長時間続くかもしれないし、それを抑えるほどの薬(モルヒネとか?)を使ったら、日常生活が営めなくなるかもしれないし、そうしたら結局QOLは下がるんだし。

ほんと、嫌だなあ。嫌すぎるよ。
女性の平均寿命から言うと、私はまだ折り返し地点にも行ってないくらいなんだけど、まだあとそんなに生きなきゃいけないのかと思うと……。
マジでほんと、元気なうちに死にたい。
人生にはたしかに良いこともあるけど、幸せで苦しみは帳消しにはならないんだから、長生きは勘弁してほしい。


2021年12月01日(水) 11月の読書記録

★合計7冊
・マイケル・サンデル『リベラリズムと正義の限界』
・ジョージ・オーウェル『牧師の娘』
・アルベール・カミュ『異邦人』
・小野賢二他編『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』
・アルベール・カミュ『幸福な死』
・ふじいかつのり『えほん 障害者権利条約』
・長瀬修他『障害者権利条約の実施』

11月は体調が優れなかったこともあり(謎の腹痛に悩まされる)、あまり読書がはかどらなかった。が、そのわりには、サンデル、南京虐殺、障害者権利条約と、真面目な本を読むことができた。


桜井弓月 |Twitter|Facebook


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