月に舞う桜

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2016年02月17日(水) 経験者でもあり、客の立場でもあり

mixiニュースに「離職率は9割! 知られざるコールセンターの実情とは」という記事があった。
タイムリーだなぁと思って、書いてみる。

おととい、某業者のコールセンターに電話した。
私からかけたときの担当者は問題なかったのだけれど、手続きの確認で折り返しかかってきたときのオペレーターが、思いっ切りスクリプトをそのまんま読み上げてる感、まる出しだった。
何なら、スクリプトのページをめくる音まで聞こえてくるくらい。

おそらくオペレーター自身が内容をしっかり理解しないまま読み上げているから、こっちには何にも伝わってこない。
伝えようとしているんじゃなくて、ただ読んでるだけ。
何回か、噛むし。
もうホント、朗読の練習に付き合わされているのかと思った。

どうしても確認しておきたいことがあったので質問したけど、保留のあげく、要領を得ない答えが返ってきた。
私の質問の意味も、ちゃんと把握できていないような印象を受けた。

で、諦めた。
またいつか、こちらから問い合わればいい。運が良ければ質の高いオペレーターが出て、私の疑問を解決してくれるだろう。

もし私がコールセンター経験者じゃなければ、「全然わからないから、上の人に代わって!」と言うところなんだけれど、前職がオペレーターなもんで、実情が分かるばっかりに、ちょっとオペレーターがかわいそうになった。

今回、私は新しいサービスに移行する手続きをしたのだけど、その新サービスのために急ごしらえで立ち上げられたコールセンターなんじゃないかと思う。
オペレーターは、まともな研修も受けさせてもらえず、「とりあえず、このスクリプト通りに言えばいいから」って、スクリプトをポンと渡されただけなんじゃないかなあ。
んで、そういうセンターに限って、エスカレーションした回数をチェックされて査定に響きそう。

※エスカレーション
・・・イレギュラーな判断を求められたり、オペレーターの技量不足やクレームなどで対応が困難になったりしたとき、上席の人に対応を代わってもらうこと。

まあ、上記はすべて私の勝手な想像なんで、根拠はありませんが。
でもねえ、ちゃんとした研修体制が整っているセンターだったら、あんなレベルのオペレーターを着台させないと思うもの。

実際のところ、あのオペレーター個人の問題なのか、センター全体の問題なのかは分からないけど、センターの質の問題なら、私が文句を言ってオペレーターが嫌な思いをするのはかわいそう。
きちんと教育してもらえてない人に怒りをぶつけたって、ねぇ。
ただ、お客様対応させていいレベルじゃないよ! ってことを上席に分からせるためには、SVを呼んだ方が良かったのかなとも思う。
もしSVの質も低かったら、そのときは客としてブチ切れるけどね。

※SV
・・・スーパーバイザーの略。オペレーターの教育・管理や、高度な判断などをおこなう人。

離職率9割かあ。
うん、わかる気はする。

私がいたコールセンターは、私の入社当時からわりと長い新人研修があった。
でも、あんまり体系化されていなかったので、私が新人研修担当になってから、カリキュラムを組み立て直して、研修体制を強化した。
これまでの職務経験の中で、この新人研修体制の構築が一番の成果だと自負している。
……って、私の自慢はどうでもよくて、そんなふうに一応オペレーター育成の仕組みがあったとしても、実情はまぁ大変なわけですよ。

信じられないことを平気で言ってくる客なんて、わんさかいるんだから。
コミュニケーション能力と図太い神経と人の話を聴く集中力と頭の回転の速さを求められるのに、オペレーターなんて誰でもできると思われてるんじゃないかって気がしてならない。
お客様とファーストコンタクトを取る最前線の職種なんだから、本当はそれなりの人を採用して、教育とフォロー体制は手厚くなきゃいけない。

怒鳴られても理不尽な言葉を浴びせられても、電話なんだから殴られたり刺されたりするわけじゃない! 私が怒られてるんじゃない、会社が怒られてるんだ!
……って開き直れるようになるまでは、時間がかかるよねぇ。

例えば「死ね!」って言われたら、心の中で「お前が死ね!」って思いながら笑声と神妙な声を駆使して乗り切るわけだけど、そういう大変さを、そもそもコールセンター運営会社が分かってないんじゃないかなぁ。
そして、SVやら、その上のマネージャーやらが、必ずしもオペレーターの防波堤になってくれるとは限らないという現実。
いや、私がオペレーターやってたときのSVさんは、いい人たちでしたけどね……ゴホンゴホン。


2016年02月08日(月) Voiceless Screaming

ひとりで生きなくちゃ、と思った。
何があったわけでもなく、ただ、夜の風が冷たかったから。
ひとりで生きられるはずもないのに。
でも、結局は、人間誰しもひとりなんだろう?

ひとりで生きなくちゃ。

自分の存在が唯一無二であることは、喜ばしいことでもなんでもない。
自分の人生を生きられるのは……生きねばならないのは、自分しかいない。
それこそが、人生最大の悲劇だ。

ひとりで生きなくちゃ。

Toshlの声が、いったい何だと言うんだ。
いったい、何の足しになる?

それでも、私は性懲りもなく、耳を塞いで、貴方の声を再生する。


何処に行けば 苦しみを愛せる
(Silent Jealousy/lyric by YOSHIKI)


Show must go on
Dancing on the mirror
主役はないまま
(Miscast/lyric by HIDE)


Voiceless Screaming Calling to me inside of my heart
(Voiceless Screaming/lyric by TOSHI)


2016年02月03日(水) 仙人は死なない

1月中旬にPATAが入院した。
PATAの状況と、XJAPANの今後の活動について正式発表があった。
大腸憩室炎及び門脈血栓症で、一時はICUに入っていたらしい。いまは小康状態とのこと。
3/12に予定されていたウェンブリーでのライブは来年3/4に延期、新アルバムの発売は、今後の状況を見て検討するそうだ。


去年末のMステを見た友達が「Xに仙人いるよね?」と言っていた。PATAのことだ。
友達は、XJAPANのファンではない。
メンバーやファンだけでなく、ファン以外の人にも仙人で通用するPATA。

仙人は、死なない。

でも、50歳で、去年のあのタイトなツアーを敢行して、おまけに酒ばっかり飲んでるんだから、そりゃあ体壊すよ。


いまはただただ、元気になることだけを願っている。


ウェンブリーもアルバムも、この際、どうってことないよ。
私たち、再結成やツアーやアルバムを、いったい何年待ってきたと思ってるの?
たかだか1年、それがもしも3年や5年になったって、待てないわけがないでしょ?
待つ時間が長ければ長いほど、お金を貯められるってもんよ。
いつ攻撃再開してもいいように、X貯金しながら待ってるから。

こういうときに忘れちゃいけないのは、一番つらいのはPATAだってことだ。
メンバーだってつらいし悲しいし残念だろう。私たちだって、心配でたまらない。
だけど、一番つらいのはファンじゃない。メンバーですら、ない。
PATAの悔しさや苦しさに比べたら、どうってことない。

大丈夫、どうってことない。

だから、誰も謝らなくていい。
YOSHIKIもToshlもHEATHもSUGIZOも、謝る必要なんてないんだよ。

PATAには……復帰したら、「心配かけて、どうもすいやせんでした」って、ちょっとは謝ってほしいかな。


今回、メンバーのコメントの中で一番頼もしく、安心させてくれたのは、HEATHのコメントだった。
あくまでも前を向いて未来とさらなる高みを力強く信じている感じと、ファンへの誠実さが伝わってきて、HEATHの言葉で、私も未来を信じられた。
YOSHIKIは、本当はまだコメントを出せるほどには気持ちの整理がついていないんじゃなかろうか。あまり、背負いすぎないでほしい。
PATAのこともだけど、YOSHIKIのことが心配になっちゃうよ。

もう、この際さ、みんなでいっぱい休んじゃえばいいんだよ。


野球に興味ないし、両親はアンチ巨人だし、私もあの組織のやり方はどうかと思うところもあるけれど、でも、今年はジャイアンツを応援することにする。
ジャイアンツが勝っていれば、PATAもどんどん回復すると思うから。
元気になって、また東京ドーム(PATAいわく、聖地らしい)に応援に行きなさいよ。


病院のドクター、看護師さん、そのほかのスタッフの方たち、どうかPATAをよろしくお願いします。

こういうとき、私は何もできない。
祈ることしか、できない。
たとえ、祈ることに何の意味もなくても、祈ることしかできない。

言葉少なで、ときどきちょっと口が悪くて、でも本当に愛情深く、やさしいギタリストへ、心からの祈りと、ほんのちょっぴり愛のムチを。

石塚! 酒ばっかり飲んでるから倒れるんだ! ちょっとは控えろ!
いつまでも待ってるから、また何食わぬ顔でギター持ってステージに出てこい!


仙人は、死なない。


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