月に舞う桜

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2011年12月30日(金) 贅沢ランチ

大学時代の友人と恵比寿でランチ。
年末恒例になっている「年に一度くらいは思い切り贅沢しよう」の会だ。
(会と言っても、二人だけだけれど)
今回は、ウェスティンホテルのフレンチレストラン「ビクターズ」に行った。
恵比寿駅からスカイウォークをてくてく歩いて、スカイウォークから外に出てホテルまでまた少し歩く。風が吹いて、寒かった。
高級ホテルのすぐ隣にTUTAYAがあるのは、何だかシュールな光景だった。

ホテル前の石畳みを通っていると、車で出ていくお客さんを見送っていたホテルマンが駆け付けてくれ、「ここはガタガタしますので、入り口までご一緒いたします」と言った。そして、ドアの前のちょっとした段のところでスムーズに車椅子を押してくれた。
その言葉の掛け方や車椅子の押し方が、決して押し付けがましくなくスマートだったので、好感が持てた。
ホテルに入るとエレベーターがどこにあるのか分からなかったので、フロントに聞いた。すると、「ご案内いたします」とエレベーターまで連れて行ってくれた。私としては、「あちらの通路の奥です」と手で示してくれるだけで良かったのだが……恐縮である。
普段こういうホテルに縁がない身分としては、ガタガタ道の件やエレベーターの件のような高待遇を受けると、それだけで気分が良くなる。

さて、22階に着いて友達と落ち合い、レストランへ。
入ってみると、落ち着いた雰囲気はありつつも、明るくてなかなか開放的なレストランだった。
私たちは、せっかくだからと、奮発して一番高いコースを頼んだ。
ランチなのに、ドリンクも入れて9千円も払っちゃったヨ!

コースメニュー↓
・ニンジンのムース
→分厚いガラスの立方体の器で出てきた。ムースの上にコンソメゼリーと千切り柚子が乗っている。柚子が程よいアクセント。ニンジンのピンクがかったオレンジ色が目に鮮やか。

・フォアグラとマンゴーのマーブル仕立て
→フォアグラとマンゴーが交互に並んび、マンゴージャム(ソースと言うべきか?)と塩、小さなブリオッシュが添えられている。フォアグラはしつこくなくて食べやすい。マンゴージャムと塩をつけると、おいしさ倍増。

・コンソメスープ
→貴婦人がかぶるつばの広い白帽子を裏返したようなスープ皿。大皿だけれど、スープを入れる部分がかなり小さく、お上品である。スープには、赤と黄色のミニトマト、絹さや、エビ、マイタケが浮かんでおり、それに薄くスライスした生姜が乗っていた。スープはもちろんのこと、お皿自体も温めてあり、加えて生姜効果でいっそう体が温まる。ミニトマトの赤と黄色に絹さやの緑と、これまた目に鮮やかな一品だった。

・寒平目のパン粉焼き黒トリュフ風味
→残念ながら、一般庶民の私には黒トリュフの風味はよく分からなかった。でも、その黒トリュフ風味らしきソースと何やら白いソースを合わせて寒平目につけて食べたらなかなかの美味であった。付け合わせは、ポロ葱と芽キャベツ。

・牛フィレ肉と野菜のグリル牛蒡ソース
→レストランの人が気を利かせて、「お肉は切ってお出ししましょうか?」と声を掛けてくれたので、お言葉に甘えることにした。これも、お皿そのものが温かかった。お皿には、らせん状に浮き出た模様が入っていて、そのらせんの間に付け合わせの野菜が並んでいた。盛り付けも、料理の大切な要素の一つだなあと改めて思う。付け合わせ野菜は、カブ、ニンジン、玉ねぎ、インゲン……だったかな。玉ねぎがめちゃくちゃ甘い。お肉はけっこう分厚かったけれど、とろける柔らかさで食べやすい。ソースはちゃんと牛蒡の風味を感じられた。フレンチだけど、ちょっぴり和テイスト。

・デザート盛り合わせ
→デザートが想像以上にすごかった! だって、6種類もあるんだもの! 水色の涼しげな正方形の大皿に、それぞれ小さな器に盛られたデザートが6種類。小口切りの柿が乗ったパンナコッタ、黒胡麻アイス、洋梨ゼリー、栗のプリン、ブルーベリーやラズベリーの盛り合わせにクリームがかかったもの、そして南瓜タルト。こういうふうに、少しずついろいろなものを食べられるのって、嬉しい。柿、梨、栗、南瓜と、思いがけず秋の味覚を堪能させてもらった。黒胡麻アイスは濃い胡麻の風味。また、ここでも和テイスト。栗のプリンは結構甘かったけれど、しっかり栗の味が楽しめたので満足。ベリーにかかっているクリームはチーズが入っているようだったので、クリームをどけてベリーだけ頂いた。ベリー好きの私にはたまらない甘酸っぱさ。甘くなっていた口の中が、ちょっと落ち着いた。南瓜タルトは、小麦粉じゃないような味がした。 
 
・コーヒー、パン、小菓子
→食事のときに、2種類のパンが出た。一つはひじきとおからが入っていて、もう一つは味噌を練り込んであるとのこと。やはり、和テイストなフレンチレストランである。「お好みで付けて下さい」と、玉ねぎペーストがパンとともに出された。デザートになると一緒にコーヒーが出てくるのだが、なんとクッキーと一口サイズのナッツ入りパンまで付いてきた。デザートがあれだけ豪華な上に、さらにクッキーとパンである。驚いた。

・コースメニューじゃないけど、ドリンク
→まだお昼なので、二人ともノンアルコールにした。私はアップルジュースをペリエとライムで割ったもの、友達はジンジャーをオレンジジュースで割ったものを頼んだ。細長いグラスがおしゃれ。


というわけで、年に一度の贅沢ランチだったので、事細かに書き記しておいた。
奮発しただけあり、量も内容も大満足だった。一品一品は量が多くはないけれど、食べ終わると満腹になっている。そういうのが、良い。
お金もだけど、時間も贅沢に使ったようで、コーヒーを飲んで一息ついたら3時間が経過していた。

友達とは、いつものように近況報告し合った。
私は、秋に立て続けにライブに行った話や、イブの第九の話なんかをした。友達は、新しい趣味を始めたようだ。
私たちに共通しているのは、周りがみんな結婚してしまって、独身なのは自分くらいだということだ(私は、一番付き合いの長い親友が一人、まだ独身なのだけど)。でも、私も友達も、なぜか今はそんなに焦っていない。仕事や趣味で忙しく、それなりに毎日楽しくやっているのだ。とは言え、お互い、良い出会いを求めてはいる。

次回の贅沢お食事会のためにも、それまでまた2012年も頑張っていきましょう!


2011年12月09日(金) 組合女子会

組合に入っている女性社員が集まって、女子会があった。
場所が某チェーン居酒屋だったので、料理は取り立ててどうと言うことのないものだったけれど、そんな中でもデザートのアイスブリュレはなかなか美味だった。
クレームブリュレのプリンの部分が、アイスなんである。アイスだけど器は熱々で、もちろんアイスの表面には焼きカラメルが乗っている。だから、早く食べないと溶けてしまう。
アイスとカラメルの甘さはちょうど良いし、両方の食感がうまく口の中で合わさるのも好ましかった。アイスの冷え冷え感が、カラメルの熱で適度に和らいでいるところも。

女子会は、幹事さんが楽しい話をたくさん提供して盛り上げてくれた。おかげで、とても楽しいひとときだった。
なぜか、「私は実は人見知りするタイプなの!」というアピールをし合ったり。そして、互いに「えー、あなたは人見知りするようには見えないよー」と否定に走る。
いや、でも、私は本当に人見知りが激しいんですよ!
いつも、新人が入るたびにめっちゃ緊張するんだから!

デザートも食べ終わってひとしきり盛り上がった頃、別の店で本社の人たちと飲んでいた課長が、ひょっこり顔を出した。
居酒屋の入り口が開いて課長の姿が見えた途端、それまで盛り上がっていた場がシーンと静まり返り、「何で来るの? 来なくていいのに!」と言いたげな視線を送った。が、その視線にもめげず、勝手にテーブルに入って来て、しばし雑談。
「俺の悪口でも言ってたんでしょ?」と言う課長に向かって、「いえ、話題にも上ってません」などと返して、いじめ倒す私たち。
「女子会って、怖えーな」とつぶやいて帰っていく課長。

こうやって、寄ってたかって冷たくあしらえるということは、それだけこちらが物を言いやすい課長だということだ。
今回の飲み会は勝手に集まった私的なものじゃなく、組合というオフィシャルな集まりだ。だから、課長も気になってちょこっと顔を出したようだ。これまでの課長なら、考えられないことだ。
いまの課長は、業務中も頻繁にフロアを見回って、社員とコミュニケーションを図ろうとしている。他の面でイラっと来る部分はあるけれど、社員を気にかけるという点では、いまのところは期待できる人なんじゃないだろうか。

何はともあれ、この女子会はなかなか楽しかったので、また開催してもらいたい。
今度は居酒屋じゃなく、もう少しイイお店にしましょうね、と幹事さんは言っていた。私も賛成だ。せっかく女子会やるなら、女子っぽいところへ行きたい。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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