読書記録

2018年12月28日(金) 墨の香 / 梶 よう子


 夫から訳も分からず離縁され出戻った雪江は、筆の指南所をひらく。
「仁知礼信義」で進む章立てと、離縁のきっかけになった事件や登場人物たちの様々な事情というか出来事が同時進行で進む。

主人公の生き様というか、清々しい墨の香りが常に匂い立ち、爽やかな気持ちになる。
男の世界である書の道を極める女性には芯があるのだ。

師の巻菱湖は実在した書家だったんだ。

読みやすいけれど、何気に物足りなさを感じたが、私はやはり時代小説というか女性が凛として生きる物語が好きだ。



2018年12月21日(金) 老いた親へのイラッとする気持ちがスーッと消える本/榎本睦郎


 老いた親としてみれば、エラいタイトルの本だな、と思ったけれど、反面教師のつもりで読む。

言い換えれば、子どもにイラッという思いをさせない方法。


何度もくり返される同じ話・・・
些細なことで突然怒りだす・・・
モノを捨てずに溜め込む・・・
身だしなみに無頓着に・・・

毎月1600人を超える高齢者を診察している老年病科の医師の現場からの報告です、ということ。

人生100年時代。
高齢者と付き合う5つのルール。
.瀬畚个靴擦此△曚瓩襦
寄り添う。
ポジティブな声かけ
ぬ魍笋魍諒櫃垢襦
コ擇靴犹間を作る。

まぁ、私が子供たちにこんな配慮をしてもらうことはたぶん・・・ないだろうが、老いって哀しいね。



私の覚書
〇サルコペニア
加齢や病気によって筋肉量が減り、全身の筋力が低下したために体の機能が衰えること。

〇ロコモティブシンドローム
筋肉や骨、椎間板などの運動器に障害が起きたために、立ったり歩いたりする運動機能が低下してしまうこと。

〇フレイル
高齢者の虚弱。
健康な状態とは言えないけれど、まだ要介護状態でもない、その中間の状態。



「高齢診療科」
認知症から内臓の病気まで、高齢の患者一人ひとりの全身管理を一手に引き受ける科のこと。
これはなかなかない、町のかかりつけ医がその役目を果たすのだろう。







2018年12月14日(金) 鏡の背面 / 篠田 節子

 ミステリー。

 薬物依存症患者やDV被害者の女性たちが暮らすシェルターで発生した火災。聖母のように優しい「小野先生」と盲目の看護師の二人が入居者を助けて焼死。だが皆が悲しむなか、マザーテレサのような小野尚子の死体は別人だと発覚した。歯形から分かった人物は半田明美。明美の周辺で5人もの男性の不審死があったがいずれも不起訴になっていた。

 試行錯誤で小野尚子の後継者になった優希とフリーライターの知佳とが真相をさがす物語。
稀代の毒婦である明美が何故聖母になったのか。
はっきりコレだ!というのはなかったけれど、今はもう使わなくなったフロッピーを再現したら、明美の内面が記された日記のような書き込みが見つかった。

明美が小野尚子になり替わる前に彼女を追っていた事件記者の長島の存在がキーポイント。

分厚い物語でどうなるかとちょっと心配したけれど、無事に読み終えて良かった。








2018年12月04日(火) うなぎ女子 / 加藤 元

 お不動さんの参道にある昔ながらの木造瓦屋根のうなぎ屋『まつむら』。
そこにうなぎを食べにくる女子の短編集。

だけど登場する女子にみんな関係しているのが、影の主人公とでもいうべき権藤佑市。
死に役ばっかりのあんまり有名でない俳優。
年齢不詳で何気に得体のしれない男だが、いっつも女の存在がある。

肝焼き
う巻き
うざく
うなぎの刺身
うな重

それぞれの巻で登場する女子が注文したものだけれど、最後のうな重に登場した女子は佑市の母親と娘。
娘は祖母に育てられたが、高3で祖母を亡くし、その後『まつむら』で働く。


この物語を読んでいて、最近めっきり値が張って口に出来なくなったうなぎがすごく食べたくなった。
今は晴れの日というか記念日とかでもない限り、庶民の口には入らなくなったものなぁ。







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fuu [MAIL]