読書記録

2018年08月30日(木) かがみの孤城 / 辻村 深月

 主人公、安西こころ。
中一の5月から不登校。
ある日 自室の鏡が光って手を伸ばしたら吸い込まれるように城に着いた。
そこには こころと同じような不登校の6人の仲間がいた。

何故か みんな同じ雪科第5中学の生徒。
こころは、1年4組。
ウレシノは、、1年1組。
フウカは、2年3組。
マサムネは、2年6組。
スバルは、3年3組。
アキは、3年5組。

ところが・・・みんなは パラレルワールド(並行世界)という私が聞いたこともない世界で生きていた。

さらに 驚かされたのは、7人が会える『城』の世界は ずれた時間を超越した空間だったのだ。

長久 昴、1985年。
井上 晶子、1992年。
こころと 水守 理音、2006年。
政宗 青済、2013年。
長谷川 風歌、2020年。
嬉野 遥、?年。

みんな7年ずつずれていて、さらに驚かされるのが、みんなにいろいろな伝達をしていた城の住人(・・・??)オオカミさまは、理音の13歳で亡くなったお姉さん、水守 実生。
そして こころに闘わなくていいよ、と言ってくれたフリースクール(心の学校)の喜多嶋先生はアキの結婚後の人。

いろんなオチがあって 本当に面白かった。


さすが、本屋大賞とか王様のブランチブック大賞とかを受賞するだけのことはある作品だなと納得した。






2018年08月25日(土) 悪佐府の女 / 伊東 潤

「悪佐府の女」 という表題だけれど 主人公は牋左府”こと藤原頼長か。
以前 大河ドラマ「平清盛」で頼長を演じていた 山本耕史を思い浮かべながら読んだ。

頼長の栄枯盛衰ぶりがとても興味深く ある意味 藤原家の氏長者になりながらも運がなかったということか。

何気に石田三成に通じるものがあるみたいで、基本的に仕事、権力、理想
そういったものにしか興味がない。

そういえば山本耕史は石田三成も演じてたなぁ。

悪辣非道な部分が多いけれど、何か憎めない部分がある。
政治の腐敗、貴族の衰退、武家の台頭。

そういった中で、とにかくまた藤原摂関家の力を取り戻そうとした中で身内に足をひっぱられ、下だと思っていた武士(清盛)や僧侶(信西)に追い込まれていく。

最後は あっという展開があって、思わず歴史ミステリーかと思った。

そしてもう一人の主人公、悪佐府の女とされている春澄栄子(はるずみえいし)、この人がすごくいい。
琵琶の名手。
頼長の企みで家門再建を餌に、近衛天皇・帝のこどもを生むように仕向けられる。
首尾よくお手が着いたけれど(あら・・・まぁ・・・)、この人物は実在したのか?
作者の想像だろうか・・・

そして生まれて成長した子が鴨長明だなんて。。。



やっぱり歴史は面白い!!





 



2018年08月18日(土) 天秀尼の生涯 / 三池 純生(よしまさ)

 豊臣家最後の姫


豊臣秀頼に子がいたことは知らなかった。
正室・千姫の子ではない。
それも二人、国松と泰姫。
母は渡辺何某の娘とかで、徳川の追及から匿うためにひた隠しにされてきた。

兄の国松は大阪城落城から何とか逃げ出せたものの、徳川に捕えられて処刑された。男子ゆえに向後のことを恐れての決断だったが僅か8歳。
そして 泰姫も捕えられて、江戸で千姫(天樹院)と親子の契りを結んだが、
すぐに尼にされ、女性として人並みな恋も許されない人生を、有無を言わさず選択させられた。
天秀尼と名乗り、あの女人駆け込み寺として有名な鎌倉東慶寺の、第二十代住持に就任した。

天秀尼については、あまり資料が残っておらず著者の素晴らしい知見から産まれた物語だ。

主人公の天秀尼は、幕府の強力な政治力が根付いていた江戸時代初期に、虐げられた女性の人権を守る寺法を復活させ、それを時の権力者に認めさせた、時代の先駆者である。

それにしても今まで多くの歴史ドラマ等で、大阪城落城の物語をみてきたが、豊臣家滅亡の所以は淀君の強い我のように伝えられているように思うが、この物語では秀頼の意志が前面にでていた。
秀頼は一部で伝えられているようなマザコンではなく、十分に豊臣家を継承していける人物だったようだ。
ただ まだまだ年若く、家康の老練には敵わなかったということだろう。






2018年08月09日(木) ほどよく距離を置きなさい / 湯川 久子


 90歳の現役弁護士が語る人との関係。
職業柄、色々な人の人生の修羅場というか様々な揉め事を見てこられたゆえのお話。

人との関係において 近すぎる糸はもつれる。多くの人間関係のからまりは、距離が近すぎるがゆえに起きるもの。
確かに・・・何の利害関係もなければ関わる必要なんてないもの。

人は、一人で問題に向き合って、考え込み、苦しんでいるときは、とても狭い視野の中にいますが、法の知識と第三者の目に触れるとき、自分の問題を客観的に見ることができます。そうすると、問題の見え方も変わり、解決策が見えてくるのです。

「子どもは成長する過程で、百粒を超える喜びと幸せを親に与えてくれるが、子どものことで傷ついた親は、百粒の涙を流す」と言います。子どものことで苦労した親は、人として成長し、人にやさしくなります。

「期待どおりにならない」のが子育て。
でも、子どものために流した涙が親も子も育ててくれる。
━━━子は言うことは聞かないが、親の姿を見て学ぶ

(やっぱり・・・私・・・母親失格だわ。。。)





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