読書記録

2014年12月02日(火) 海があるということは          川崎洋詩集


 川崎洋の詩集で、この本の編集がされていた2004年10月21日に残念なことに死去されている。


     木々の枝が風に揺れている
木々の枝が
風に揺れている
その土地の言葉で
存分にしゃべり合っている人々のよう
わたしはわたしの言葉で
こんなにざわめくことが出来るか
〜〜〜
木々の枝が
風に揺れている
意味を伝えようとするでなし
感情を表そうとするでなし
さりとて独り言でもない
だんだん わたしは おまえに
似てきたようだ







     これから
これまでに
悔やんでも悔やみきれない傷あとを
いくつか しるしてしまった
もう どうにもならない
だが
これから
どうにかできる 書きこみのない
まっさらの頁があるのだ
と思おう
それに
きょうこの日から
いっさいがっさい なにもかも
新しくはじめて
なにわるいことがある










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