読書記録

2004年10月29日(金) 青い棘             三浦 綾子


いったい、人間らしく生きることをこばみ、人間をうちこわしていくものはなんだろう。その最大のものは戦争だろう。だが、それだけではない。戦争がもたらした心の傷、それもまた、よく踏みしめなければ、やがていつか人間をこわしていく力となり、棘となるだろう。いや、人間をこわしていく力となる棘は、平和な日常のなかで、その日常のありかたを問う心の姿勢をうしなっていくとき、現代人のなかで急速に成長していくだろう。




(一体、人間はいつの日を境に年を取っていくのだろう)
昨日と今日と、さして人は変わらぬと思う。
昨日と変わらぬと思っている日が、幾百日も幾千日も重なって、年を取る。


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