読書記録

2003年03月23日(日) るりはこべ           丸山 健二

荒野に産み落とされた野良犬は言う。「人間には2種類ある。いかなる権力にもへつらわず、いかなる権威にもおもねらない人間と、それ以外だ」
ルリハコベに育てられた野良犬は言う。「自由には1種類しかない。神仏にも身分にもかしずかず、独りで生き、独りで死んでゆく自由、それだけだ」



るりはこべという花を私は知らない。
ネットで調べても『るりはこべ』という植物名は探しだせなかった。結局は瑠璃色のはこべ、だろうと解釈する。物語の舞台は沖縄だろうか。主人公の犬は野良犬だが、犬も飼い犬と野良犬の2種類あるのだ。えさを人間からもらって鎖に繋がれるのか、鎖には繋がれないで時には飢えても自由でいるのか。野良犬ゆえに世間が人間がよく見えるようだ。



2003年03月18日(火) ふたたびの雪        原口 真智子

 脳梗塞で寝たきりとなった妻を介護する中年男(北見輝夫)は、誰にも打ちあけられない罪を背負って生きてきた。昨日までは単なる隣人だった女(広野優理)が、心に重荷を背負ったとき、ふたりはお互いを、必要な存在として意識し始める。
 幸せをつかみとるために起こした行動が、自らを苦しめる。償いきれない罪の意識にさいなまれるふたりは、激しく惹かれあう。
「言えないこと」ひとつの言葉に共鳴し、心を揺さぶられる。プラトニックな純愛なのか、弱さをさらけ出すことのできる相手を必要としているだけなのか。


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