ことばとこたまてばこ
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2005年01月31日(月) 惚れただの腫れただの、それよりも。

「私は彼に情を抱いてしまったの」と、僕から去ろうとしている彼女が言った。

あーは。

『好きになった』でもなく、『愛してしまった』でもなく
『情を抱いてしまった』のなら、はーは、それはもう実にいやはやのうふふ。

まったく勝ち目ねぇや。


2005年01月30日(日) 声の具現化

ある聾の翁の手は、黒く焼けて太い血管が這っており堅く筋張っていた。

声がそこに見える不思議。


2005年01月29日(土) 不遜に神と

君のおっぱいに顔をうずめて、おれは神を抱いたかのよう。


2005年01月28日(金) 満天星空

私は「流れ星って可哀相」
父が「ほわあい」
私は「もう2度々輝けなくなるから」
父が「ほわあい」
私は「え。見えなくなって消えちゃうじゃん」
父が「ほわあああい」
私は「おっさん、なにゆうてはるねん」
父が「ほわああああい」
私は「おいこらおっさん、いくらわたしがガキだーらってなめとったらあかんど」
父が「ほわあああああああい」
私は「こらぼけぃ」

父が「はっは、落ちた星は見えなくなったところでまた輝いてるかもしれないじゃない」
私は「ほわああああああい」
父が「姿が見えなくなったら悲しまなければならないのかい」
私は「ほわあい」
父が「めくらは見えないからって悲しんでばかりじゃねいよ」
私は「ほわああああああい」
父が「もしかしたら見えるものよりもどえらくおもろいもんを見てるからさ」
私は「ほわあああい」
父が「そうしないと生きていけへんのよさ」
私は「ほわい」
父が「儂もよぅしらんけど。そういうものなの」
私は「はて」


2005年01月27日(木) ルイとの逢瀬

暴力的な海風が吹きわたる浜辺で僕はルイと最後の逢瀬を慈しんで。
風にあおられた砂がルイの黒く綺麗な髪の毛の間に細かく潜り込む。
波は白い飛沫をたてて僕らの足をたっぷりと濡らす。
陰鬱な雲が立ちこめていて、風も水も存外冷たく僕らはすっかり冷え切っているのだけれど。
ずぶぶるぶると過剰に水分を含んだ砂に、僕らが頭の先まで飲まれて沈みゆく感触を覚えた。


ルイ。
声で名を呼ぶ。
声は風に吹き飛ばされた。

ルイ。
手で名を奏でる。
手はそこにある。


非情な時が迫った。時の経過と共に僕らの情は際限なく高まる。
でも僕らは相手を抱くことができない。
抱いてしまうと僕らの言葉が無くなってしまう。
僕らはまるで不能者のようにただ相手の前に立ちつくすだけ。

空で雪白のカモメが飛んでいる。
僕は視界の片隅でそれを認め、いつまでも飛んでいておくれよと願う。
このやるせねぇ暗い空を少しでも彩ってくれよ、と願う。
せめてこの瞬間の僕らのために、と願う。


ルイが僕に何かを囁こうとした。
声は風に吹き飛ばされた。

ルイが僕に手で何かを語ろうとした。
手はそこにある。



時はもはや衝突寸前。
僕はルイの背中に手を回し、全身全霊でしかと彼女の身体をかき抱く。
ルイは僕の力に任せるまま抱かれ、そしてまた彼女も渾身の力で僕を。

ルイの手はふさがれ、ルイの顔は僕の顔の真横。
しかしそれまで恐れていた沈黙の空虚は、なかった。
それどころが言葉にも声にも手話にも表情にもどのいずれにも勝る充足感が末端神経の隅々にまで染みわたる。瞬時、ようやく僕は知った。


いつしか言葉すらも超越する関係を僕らは築けていたのだね。


やがて僕らの言葉つまり互いの手を取り合い、砂丘の頂へと駆け登る。
その時カモメの糞が幸せなことに僕の頭に落っこちた。はは、運付き。ルイ逃げた。ひとりで茫然自失。くわあ。


2005年01月26日(水)

1回足を前に押しやるということは1歩闊歩したことになる。いささか短足気味である僕が2歩進むその後を我が媼は4歩かけてついてくる。いくら僕の祖母であろうとも壮絶に宇留虎な短足というんではなく、彼女の背が大きく湾曲して若き日の半分以下の身長になっているが由縁。ちとてたてた。ちとてたてた。

母の通訳にて媼の昔話を知る。
母の通訳にて媼と翁のなれそめを知る。


時折、御機嫌麗しき媼が僕に語りかける口は皺だらけで年輪の刻まれた良き顔。
しかしながら僕は首かしげ眉軽くひそめて言うてること理解出来ないヨと意志を示す。
瞬間の媼の眼と口はふるふるりんと緩み、母に顔を向ける。
いつものごとく我が母は母の母の言うたった事柄を手話と口話交えて通訳。
茶のそそがれた湯飲みが並ぶこたつの中、媼、母、僕の3人の足は入り交じっている。


2005年01月25日(火) 踊り

壁にふくよかな体つきの女性が描かれている。
踊っている。踊っている。踊っている。
壁画の女性が身をよじり頭髪を振りまいて踊っている。

洞窟内を照らす黄色い電球の明かりの中、
土のむせかえる匂いが充満する中、
いとも高き頭上の穴からのぞく空は煌めいて愛おしく青く鮮烈に。

踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
壁画の女性はたわわな乳房を震わせてタップ。

踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
襲って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
現世は些かの変化もなく日夜は過ぎて。

踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
襲って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
幾星霜が過ぎ、星が崩れても、太陽が崩れても。

踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
踊って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
襲って踊って、踊って、おどっておどっておどって!
女性はふくよかな体つきのまま、壁の中で恒久の刻を踊っている。

何も変わりなく。


2005年01月24日(月) ヒヒーン

そんな君でも最期にはせめて笑って去ってって。
そんな君だから最期にはせめて顔ゆがめて去ってって。

お願い。そうでないと、わたしがあまりにも惨めすぎる。


2005年01月23日(日) 雪白の荒野

銭湯上がりのホコホコにほてった身体へ降り注ぐ雪。
際限なく愛おしい、と思う。

なにゆえ?私を冷やすから。
なにゆえ?私を覚ますから。


私はしあわせばっかりで、私はふしあわせになりそうだったから。

お降りなさい。
お降りなさい。

そして。
冷やしなさい。
覚ましなさい。

蛍光灯の明かりに照らされて降りしきる無数の雪は塵埃のごとき。
降り積もって降りしきって辺りは一色の白に埋め尽くされて笑う。


2005年01月22日(土) 恐れて怖がる

あまりにも透明な君の気持ちに触れてしまい僕は怯える。
怯える僕。
パソコンのキーボードを叩く指も小刻みに震えてる。
あまりにも怯えて。
寒くもない部屋で僕は毛穴開いてひとり怯えている。
力一杯、骨も折れよとばかり両手を握りしめてやがてピキん、人差し指が折れた。
夜の月光を背にして震える木々のようにいびつな方向に曲がりくねる指。

鬱血。赤黒い。赤黒い。
赤黒い。

心身共に凍り付く程怯えども、君はそんな僕に一瞥を向けることもなく、ただひたすら行ってしまって。

ウーゥ。ウーゥー。
呻く。


2005年01月21日(金) セブンイレブン

セブンイレブンにて玉子、糸こんにゃく、ウィンナ、大根を購入。
セブンイレブンにて密やかにエロ本のシールを剥がして立ち読み。
セブンイレブンにて今度産むを購入せりし若学生男女を見て驚愕。
セブンイレブンにて片端からの雑誌を読み尽くさんどと貧乏な俺。
セブンイレブンにてうら若きおなごストッキング購入姿見て昂奮。
セブンイレブンにて小学馬鹿男子、立つ女子高生のスカート覗く。
セブンイレブンにて釣銭足らず「あ、いっすいっすスンマセン」。
セブンイレブンにて生意気店員に怒髪天を衝き御握りキュッ潰す。
セブンイレブンにて赤巻き毛、深紅の口紅、強烈な香水の婆店員。
セブンイレブンにて夜な夜な集う不良になりきれぬ童貞中高男児。
セブンイレブンにて未購入の商品を開けてへらへら使用する馬鹿。
セブンイレブンにて誰も購入せぬ初期PS2ひっそり埃かむって。
セブンイレブンにて用事を済ませ店内から脱出すれば服おでん臭。


2005年01月20日(木) 風に泣きすがる

まなこを見開いて自転車で夜の坂道を駆け下りる。
身も引き締まる冷風が容赦もなく吹き付けてきゆる。
まなこの潤いは急激に失われて乾びる。
まなこは水分を発する。

永い坂の半ば。
自転車の加速は増す。
尚も冷風は強まって。
尚もまなこは水分を発して、溢れて。

永い坂の終わり。
自転車の加速は最高に達す。
尚も冷風は強まって。
尚もまなこは水分を発して、頬を伝って。

いささか泣くことを忘れている時、わたしはこうして思い出す。
頬を伝う水の冷たくも不思議に安堵を覚える感触を。


2005年01月19日(水) ぽんぽこり

僕は君を守ってあげられない、と宣言した瞬間、僕は君を守っていたことになる。
だってほらおれまじばいおれんすだからさあ、ほーんとどたまにキたときってほらあれぶちのめしたくなるんよ。ほらだからあれ、僕は君を守ってあげられない、と宣言したっつんの。それを何、それでもいいとゆうの、あんた、ほーんとまじばっかだなあ、はは、あほ、ぽこりといったろか、ほらそーれ、ぽこり。

ぽこり。
ぽこり。

ぽこぽこり。


2005年01月18日(火) 熱女

のどかに叡智を尖らせて、君の眼を見据える。
蛇蝎のごとく忌み嫌われて尚微笑む君の眼の奥は透明過ぎて濁っているようだ。
金木犀が香る季節、君が囁きました。

触って、ねぇ、触って

触れた君の中は尋常ならざる熱さで、ほんと。
君が熱くなるほどにおれは泣けてきて。

触って、ねぇ、触って

君の中は灼熱のごとく熱が凝縮している。

触って、ねぇ、触って
触って、ねぇ、触って

愛して、ねぇ、愛して


2005年01月17日(月) 生きてるわたし、ほわい?

ヒッと鋭く息を飲んでわたしは突如として哀しみの塊。
わたし存外大変。この無気力感。いったいどうしろと!
最高に暗黒満ちていると思っていた闇が、依然ただの紺色でしかなく、
更なる暗き闇があるということを知った瞬間、この無気力感。
いったいどうしろと!

無気力に気を失ってまで、わたしは、生きて。
無気力に気を失ってまで、わたしは、生きて。

死ぬっつんんも、ほほ、実に甘美とちゃうの、と思えど死ねないのはほわい?

だってまだここにいたいのサー。
死ぬんんは怖くはないけれどもやりたいことがまだあるから。
まだあるから。


ほんと、まだ、こんなにたくさん。

あなたに会いたい。
あなたと愛したい。
あなたを知りたい。
あなたと共に居たい。
あなたと感じたい。
あなたと分かちたい。

あなたという人が居なければ、わたしはきっと死んでり。
あなたという人が居るからこそ、わたしはここに生きてり。

あなた、あなた、あなた、そこにいてるかぇ。


2005年01月16日(日) いるよいるよ

いてはる、いてはる。
狸の陰嚢、狙うとるおなご。


2005年01月15日(土) 母性と父性

もともと女性は母性を持ち合わせていないから、母性を強要した。
だから今、母性を否定する天才的過ぎて紙一重の学者達のおかげで幼児虐待続出。


もともと男性は父性を持ち合わせていないから、父性を強要した。
だから今、父性を否定する天才的すぎて紙一重の学者達のおかげでニート続出。


2005年01月14日(金) 焼ける雪だるまさん

雪だるまさん、雪だるまさん、燃えて、焼かれて。

雪だるまさん、雪だるまさん、お鼻のニンジン焼ぁーけ焦げてるよ。

雪だるまさん、雪だるまさん、つぶらな眼の黒豆落ぉーちたよ。

雪だるまさん、雪だるまさん、幼子の小さな指で作られた口、なぁーくなってるよ。

雪だるまさん、雪だるまさん、身体半分どろどろに溶ぉーけてるよ。

雪だるまさん、雪だるまさん、もうダメダメダメ、あなんた、もうダメダメダメ。

雪だるまさん、雪だるまさん、なごり惜しくあってもそろそろバイバイね。

雪だるまさん、雪だるまさん、あなんたもう水よ。

雪だるまさん、雪だるまさん、あなたの全身全霊詰まった水飲み尽くしてアぁーゲル。

だからだからだからだからだから、サヨナラサヨナラサヨナラサヨナラ。


2005年01月13日(木) 待ちし3匹

三途の川の向こうで雪白のフクロウが首を回転させて。
どごう、どごう、陰鬱なる川の流れ凄まじく。

三途の川の向こうで雪白の犬が蒼い瞳で我を凝視して。
びゅる、びゅる、陰鬱なる風の勢い凄まじく。

三途の川の向こうで雪白の人間が些かの情感もなく立って。
ぎゅぐ、ぎゅぐ、陰鬱なる雪の勢い凄まじく。

川を隔てた遙か彼方でいつまでも我を待ち続けている。
川も風も雪も狂瀾怒涛の勢いで荒れ狂って。
深く融けそうな、空の、紺碧。


2005年01月12日(水) 風と恋

恋はまるで風のようであることよなあ。
西からかぐわしい花の香りを運んできたり。
ふっふふん、んふ、ふーんふ。
かと思えば風向きは変転し、
東から肥溜めの香りを運んできたり。
くっせよ。くっせくせ。


翁、微笑んで。


2005年01月11日(火) すべて肉体に属するものは行く川の流れの如く




どこまでも



いっしょうけんめい、泣く。


2005年01月10日(月) そりゃあーね

「欲求に負けて、つい、息をしてしまいました」とは死者の弁解。


2005年01月09日(日) つれぇぜ

ふぅ と後から耳に息を吹きかけられた。
はっは、と心躍って振り向けば誰もおらず。

そうだった
そうだった

我の名を呼ぶ声が遠くから聞こえた。
はっは、と心躍ってみたら誰もおらず。

そうだったんだよね
そうだったんだよね

ふと手にぬくもりを感じた。
はっは、と心躍って見やっても誰もおらず。

そうだよね
そうだよね

抱いて抱いて抱き尽くした末に感じる熱いほどのぬくもり。
はっは、と心躍ってみれば夢。

そうそうそう
そうそうそう

否、違うよね。まだいるよね。
だってまだこんなにも身体がおまへのこと覚えてる。

うそうそうそ
うそうそうそ


2005年01月08日(土) ポスターシンドローム

酒を飲みながらポスターを眺めていたら、いつの間にかおれその世界に閉じこめられて。


2005年01月07日(金) はっ

ぽかぽかといい陽気。
よかお天候じゃあ。
だったら寝ちまうか!
ほっぽり!
ほっぽり!
しっししいっしーのしっ!
ぽっぽり!
なんもかもかもかがもがも、ぽっぽり!
寝ちまおうか!
寝ちまおうか!
あぁっははっは、太陽でけぇ。
あぁっははっは、太陽まぶしぃ。
ぽっぽり!
ほらそれ、ぽっぽっちまいナー!
寝るぜ!
寝るよ!
よい子は寝ちまいナー!
悪い子も寝ちまいナー!
馬鹿な奴だけ起きててあくせくしてナー!
おいこらそこそこほいほいそれだよそれそれおめぇだよ、ぽっっぽり!
ほっほっっっっほほほぅーーーーーーーい!
ぽっぽりぽっぴり!
チクショウ、なんてことだ、まったく最低にいい気分だァ!


ぽっっっぽり!


2005年01月06日(木) トゥムヤムクゥン

青い衣を身にまとい、銃を太陽に向けて撃つ。
弾は太陽の眉間を貫き、灼熱の炎をほとばしらせて絶命。
ほとばしった灼熱、地上にふりそそぐ。
衣まとったそれがし、肩をすくめて。

トゥムヤムクゥン!
辛いね。
旨いね。

黒い衣を身にまとい、銃を月に向けて撃つ。
弾は月の眉間を貫き、黄金の光をほとばしらせて絶命。
ほとばしった黄金、地上にふりそそぐ。
衣まとったそれがし、肩をすくめて。

トゥムヤムクゥン!
熱いね。
痺れるね。

トゥムヤムクゥン!
トゥムヤムクゥン!
トゥムヤムクゥン!


2005年01月05日(水) あああ…

おそろしい。

おそろしい。






おそろしい。




パンツが破れない。


2005年01月04日(火) けものの髪

野蛮なけものが広大な草原でわたしを見据えた。
けものはわたしが見てきた生物全てを合体したとしても余りあるほどの巨躯。
けものの顔は妙に人間の女性に似ていた。


けものは肢体を優美に伸ばす。
けものは鮮血したたる腕をくわえて。
けものは眼にいささかの情も込めていない。
けものは人形とわたしを思っている。
けものは尻尾を揺るわせる。
けものは散らばる無数のしゃれこうべを押し潰しながら、地響きを立てて悠然と歩く。

その時、音楽が鳴った。
それはまるで酸化したような音楽。
凄まじいヴォリュームで草原に満ち渡る。



なんという、暴力的な。


瞬間、幻惑的な日光に照らされていたわたしを巨大な影が遮る。
空で音楽に合わせて大蛇が泳いでいた。
雲も怯えているのか、大蛇が進む先を阻む雲は皆無だった。
凶暴に青すぎる蒼穹を闊歩する大蛇は、ぐらりぐらり首を振り続けて。



君の髪は綺麗だね。
貝が、どんぐりが、小さな花が、煌びやかな小石が、実に君の綺麗な黒髪に映えておる。


大蛇、けものに向けて言う。


だからほら、こんなに大きくなった僕で君を潰してあげよう。



大蛇はそう言ってけものを押し潰した。


2005年01月03日(月) ぎょっ

何の前触れも無く、おれのなかで幼子時の情感が弾けて驚愕。


2005年01月02日(日) ポーカーフェイス

割れた壺の破片をつまむ。
尖ってる。
するりと切っ先を腕に流れる静脈に沿ってぎぎりとなぞる。
白からピンクやがて赤黒いミミズ腫れがじわんとうかぶ。
淡々とポーカーフェイス。

割れた狸の置物の破片をつまむ。
鋭利。
ギリギリで皮膚が裂けそうなくらいの力でまぶたをぢぢりとなぞる。
スキッと一本筋が走って脂肪が覗いたかと思えば即座に血が滲む。
淡々とポーカーフェイス。


2005年01月01日(土) ゆめ

生きているかい、と地平線に大声で呼びかければ
まあまあ生きてるよ、と水平線から声が還ってきた。



夜遅い山奥にて、木々に囲まれて、そんな夢みた。


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