ゲンゾー日記
2006年08月30日(水)  出張命令 

今日のボクは少し淋しい。
ボスから今日、ボクに出張命令が出たのである。

何でも来月のはじめ、ボスのおかあさんのところにいるボクのセンパイ犬
「大チャン」が10日くらいボクの庭に来るので、ボクはアキコのパパの
家に出張に出されるらしいのだ。
センパイはもうお年寄りで体の調子もあまり良くないので「センパイがこ
こ、ボクがあっち」なのだそうである。

今日まで番犬や守備走塁コーチとしてガンバってきたボクであるが、あの
怖ろしいセンパイが来ると言うのでは、どうすることもできない。
体の調子があまり良くないと言ってもあのセンパイでは、ボクに勝ち目は
ないのである。

でも、パパとママはボクにビスケットやギュウニュウやゴハンをたくさん
くれるのだ。
淋しいけれど、ちょっと嬉しい。
今日のボクは少し複雑なので、顔も複雑な表情になってしまうのだ。


2006年08月29日(火)  アキカラマツ 

写真はアキカラマツの花である。
この草は花が唐松の葉っぱににている「カラマツソウ」の仲間で、秋にも
花を咲かせるから「秋唐松」というのだそうだ。

花と言っても、この花には花びらがないのだ。
開花するとガクも落ちてしまって、おしべとめしべだけになってしまうら
しい。めしべは小さくて見えないので、花らしい部分は全部おしべなのだ。
花びらがないので派手さはないが、線香花火のようでなかなか面白い花で
ある。

この草は花が咲くまで名前がわからなかった草なのだ。
葉っぱの形が独特で、葉っぱを眺めているだけでもなかなかステキな草な
ので、葉っぱだけの頃からアキコがよく写真を撮っていた。
草の名前がわかったのも、つい最近のことらしい。
何なのかわからなかった植物の名前がわかった時、アキコはとても嬉しそ
うである。
これで来年小さな葉っぱが出てきた時にも「アキカラマツの新芽が出た!」
と喜ぶことができるというものである。


2006年08月28日(月)  ヤブラン 

写真の花はヤブランである。
ランという名前だが、蘭の仲間ではなく百合の仲間らしい。
ヤブに生えて、蘭に似た花を咲かせるのでそんな名前がついているのだ
そうだ。

この花が咲くとそろそろ秋が近いことがわかるのだ。
ヤブランは、ここのところ少し涼しかったので秋が来たかと思って花を
咲かせたのに違いない。

ヤブランは花もかわいいが、秋から冬にかけてできる実もとてもかわい
いのだ。
昨日、気になるあの子に会いに行くのを阻まれて少しハートブレイクな
ボクであるが、だんだん花が少なくなる季節にボクを楽しませてくれる
ヤブランが咲いたので、ボクの心はまた明るくなった。

ヤブランの実がなったらネックレスを作って、またブロック塀の向こう
にいるあの子に会いに行こう。


2006年08月27日(日)  ムクゲ 

今日の散歩はアキコと一緒だったのでボクは好きなところへ歩いて行けた。
アキコがボクのいいなりに歩いてくれるので、ボクはご近所のメス犬のと
ころへ行ってみようと思いつき、アキコをグイグイ引っ張って歩いた。

このメス犬はご近所で飼われている雑種の犬なのだ。
この家は広い庭のまわりをぐるりとブロック塀で囲まれているので、声は
聞こえても実際に会うことは滅多にできない箱入り娘である。
ボクの作戦は大成功しブロック塀のところまで辿り着くことができた。
ブロック塀のすぐ横にはムクゲの花が満開であった。

「もうすぐ会える!」とボクの胸の高鳴りが最高潮に達した時だった。
引っ張るボクをアキコがすごい力でぐいと止めたのだ。
アキコは「きれいなムクゲだね。これを見たかったの?」と言ったまま
カメラを構え、ボクがどんなに引っ張ってもびくともしなかった。

ボクの作戦はここで終わってしまったのだ。
作戦失敗はすべてムクゲのせいである。
ムクゲの花はきれいだが、このブロック塀の中にいるむく毛のあの子の方
がずっときれいに違いないのに・・・。
ムクゲに作戦を阻まれた悲しいボクはムクゲを見た後、アキコにグイグイ
引っ張られて帰宅したのだった。


2006年08月26日(土)  ニラの花 

今日、ボクは散歩道でニラの花を見つけた。
どうして野菜のニラがこんなところに生えて花を咲かせているのかはわか
らないが、どこかの畑からこぼれた種が芽を出したのだろう。

ニラはネギやニンニクの仲間で、ボクたち犬が食べると毒になるらしい。
アリルプロピルジスルフィドという成分がボクの赤血球を壊すらしいのだ。
何だか長い名前の怖ろしい成分である。

ボクがネギやノビルやニラを見つけると毒だからとすぐに引き離すアキコ
なのだが、このニラの花だけはあまりにきれいなのでボクにもじっくり見
せてくれた。
ボクは昔から野草を見つけるとかじってアキコを困らせるのが好きなのだ
が、このニラの花はきれいなので食いちぎってしまう気にはならない。
これからしばらくの間、散歩の時にこの白くて美しい花を眺めながら歩く
のが楽しみなのだ。


2006年08月25日(金)  ワレモコウ 

まだまだ暑いのには変わりないが、どこからともなく秋の気配が入り込ん
できたような気がする。
裏の田んぼでは稲刈りも終わったし、散歩道を歩いていても重そうに頭を
垂れた稲穂が目立つ。

今日、ボクは散歩道の土手にワレモコウの紅い花を見つけた。
「赤」ではなく「紅」い色がなんとも言えずきれいなのだ。
アキコはこの草が大好きらしい。もちろんボクも好きである。
この花もどことなく秋の気配のする花である。

このまま空が高くなって、秋風が吹き、本当の秋がやってきてくれると良
いのだが、アキコは「まだまだ暑いよ」と言っていた。
ボクは1年の中で秋が一番好きである。
早く本当の秋がやってこないかな。


2006年08月24日(木)  マンモスロード 

今日、ボクは裏の田んぼを見てびっくりしてしまった。
裏の田んぼの稲刈りがいつの間にか終わっていたのである。

しかしボクが驚いたのは稲刈りが終わっていたことではない。
写真を見てもらうとわかる通り、謎のスペース「ゲンゾーロード」から左
の部分だけきれいに稲刈りが終わって、残りの部分は稲がそのまま残って
いたことである。

田んぼにあった一列の空間、あれはかしずく稲穂たちがボクのために空け
ておいてくれた「ゲンゾーロード」だとばかり思っていたのだが、少し違
ったようである。
ボクは今日にも「ゲンゾーロード」を歩いてしまおうと決意していたのに
歩かないうちにボクの王様道は消えてしまった。

これを見たボスとアキコは「なるほどね」と言っていたが、ボクにはどう
してここだけ稲が残っているのかまったくわからないままである。
「ゲンゾーロード」が拡張されてマンモスも歩ける「マンモスロード」に
なったのだろうか。
それとももっと大きな何かがここを通る予定でもあるのだろうか。
あまり大きいものがここを通るとボクはちょっぴり怖いのだ。


2006年08月23日(水)  サルスベリ 

ボクはサルスベリの木を知っていた。
幹がツルツルしていて「木登り上手のサルも落ちてしまうだろう」という
名前のついた、とても愉快な木なのだ。
ボクの住んでいるカモガワにはサルがいると聞いてから、ボクはサルが本
当にサルスベリの木を登れないのかどうか見てみたいと思っていたのだ。

でも、ボクはサルスベリの花がこんなにきれいだということを今までまっ
たく知らなかった。
いつも遠くから眺めるだけなので薄紫色のフワフワした花が咲いているな
と思うだけで特別感動も覚えなかったのだ。

しかし今日、ボクはアキコと一緒に少し遠くまで散歩に出かけてサルスベ
リの花を見た。
サルスベリの花は薄いフリルのような花びらが風に揺れて、本当にステキ
な花であった。
ボクはサルスベリの美しさに感動して、ふわふわと気持ちよく酔っぱらっ
たような気分になってしまった。
これも恋心なのだろうか。

ボクの庭にもサルスベリの木が1本欲しい。
毎年近くでこの花を楽しみたい。
サルがサルスベリの木から落ちるとしたら、幹がツルツルしているからで
なく、きっとこの花に感動して落ちるのだろうとボクは思う。


2006年08月22日(火)  カボチャ文字 

今日、ボスとアキコはに丸山というところに遊びに行った。
ボクはオルスバンであった。
アキコは「ホームページのため、つまり仕事のために行ったんだよ」と
言っていたが、帰って来た時にアキコが「あー、楽しかった」と言った
のを聞いたボクは二人が遊びに行ったのだと確信したのだ。

でも、アキコが丸山で撮った写真をいろいろ見せてくれたので、ボクは
オルスバンをさせられていたことを忘れてしまった。

ボクが気に入った写真は、このカボチャの写真である。
このカボチャには「暑中お見舞い申し上げます」と書いてあるらしい。
「暑いけど、体に気を付けて健康で過ごしてね」ということらしいが、
この文字はカボチャが小さいうちに切り込みを入れて作った文字らしい
のだ。
カボチャに切り込みを入れておくと、カボチャがカサブタのようなもの
を作るので、文字がきれいに浮き上がるのだそうである。
すごいのだ。
来年はぜひボスに「ゲンゾー」と書いたカボチャを作ってほしい。



このカボチャは南房総市(旧丸山)のローズマリー公園の直売所にあり
ます。行く予定のある方はぜひ見てくださいね! by 売店のおばちゃん

2006年08月21日(月)  栗のイガ 

今日ボクは裏の栗の木に実がなっているのを見つけた。
秋になると茶色くて固いイガイガになって地面に落ち、うっかり歩いた
ボクの足を驚くほど痛くする、あの栗の実である。

この栗のイガイガの中にはとてもおいしい栗の実が入っているのだとア
キコは言うのだが、ボクはイガイガしか知らないのであまり好きではな
いのだ。

今日見つけた栗のイガイガはまだ黄緑色をしていた。
「触ってごらん」と言うアキコにダッコされてちょっと触ってみたら、
イガイガは思いがけずやわらかかった。
でも、イガイガは先が尖っていてやはり少しチクチクするので、ボクは
あまり好きにはなれなかった。

アキコは「早くイガが茶色になって栗が熟れるといいな」と言っていた
が、ボクはいつまでもイガイガが茶色にならないといいな、と思った。


2006年08月20日(日)  愛の告白 

実は今日、ボクは誰かから愛の告白を受けてしまったのだ。
ボクが庭をうろうろしていたら、心臓型の石、つまりハート型のラブラブ
石を見つけてしまったのである。
これはボクへの愛の告白に違いないのだ。
一体誰からなのだろう。

ボクの庭に来る人や動物で、ボクのことを愛しているのは・・・。
カエルくん?ユウビンヤさん?野良猫?どこかのかわいいメス犬?庭の鶏
たち?
心当たりがありすぎてボクは悩んでしまいそうである。
ボクを愛している誰かのためにも、ボクはガンバって活躍しなくては。



ゲンゾー、毎日なんだか石をかじってなかった?
これは自分で作った石なんじゃない?             アキコ

確かに最近石をかじってたよ。                 ボス

2006年08月19日(土)  斬新サオトメ流 

今日、ボクは庭の裏でサオトメ殿を見つけた。
サオトメ殿というのは「ヘクソカズラ」のことである。
ヘクソカズラという名前はこの草の葉や花を揉むととても臭いためそんな
名前がついているらしいが、別名「サオトメカズラ」という名前もあるの
で、ボクは「サオトメ殿」と呼んでいるのだ。

ボクが見つけたサオトメ殿はススキの葉先にしがみついて、その葉にぐる
ぐる巻き付いて登ってきたらしい。
サオトメ殿のぐるぐる攻撃にススキが「許して」と言っている声が聞こえ
るようである。

サオトメ殿はススキにぐるぐる巻き付きながら小さなつぼみをたくさんつ
けていた。
もう少しするとススキの葉を柱にした見事なサオトメ殿の花を見ることが
できそうである。
このサオトメ殿の作った「サオトメ流」芸術はなかなか斬新である。
花が咲いたらまた見に来ることにしよう。


2006年08月18日(金)  ゲンゾーロード 

裏の田んぼに謎のスペースがある話は前にも書いた。
6月28日の日記である。

あれから51日、田んぼの稲は大きく育ってそろそろ稲刈りも近いのだが、
謎のスペースは何のためにあるのか未だに判明していない。
しかし、最近このスペースが何のためにあるのかボクに解ってきたのだ。

稲が日に日に大きくなって稲穂が頭を垂れてきたら、稲穂がみんなこの謎
のスペースに向かっておじぎをしはじめたのである。
大勢の稲穂たちが集まった場所で、皆が道を空けてボクにかしづいている。
まるでボクに「ここを歩いてください」と言わんばかりなのである。
ボクには「ささ、どうぞ、どうぞ!」「ゲンゾー殿!ゲンゾー殿!」とい
う稲穂たちの声が聞こえる。
謎のスペースはボクのための「ゲンゾーロード」だったのだ。

散歩の時にここを歩こうとしたらボスにひどく叱られるだろうことはわか
っているが、最近どうしてもここを歩いてみたくて仕方がないボクなので
ある。


2006年08月17日(木)  タマスダレ 

写真の花はタマスダレという花である。
地面からまっすぐに生えた細い葉が群生している姿がスダレに似ているの
で、花の後にできる実を玉に見立てて「玉簾」という名前がついたらしい。

野草ではなく観賞用の花なのだが、ボスもアキコも植えた覚えはないらし
い。昔この家に住んでいたおばあちゃんが庭に植えたものが毎年白い可憐
な花を咲かせているのである。

このタマスダレは「花が終わってしまったな」と思っていると、また次の
茎が地面からにょっきり伸びてきてまた白い花を咲かせる。
雨が降るごとに花を咲かせるので、英語では「レイン・リリー(雨百合)」
という名前がついているらしい。
なかなかステキな名前なのだ。

暑い時季は野草たちが夏休みをとって花を咲かせるのを休んでしまうので
ボクの庭はこの頃少し淋しかったのだが、最近は雨が降る度にこのタマス
ダレが花を咲かせてくれるので、庭が華やかになるのである。


2006年08月16日(水)  ボクの庭の七不思議その1 

今日はボスもアキコもボクと遊んでくれたので、ボクはとても満足である。
今日は気分が良いので、ボクの庭の七不思議の一つを紹介してしまおうと
思っている。

ボスの家の横には柿の老木が生えている。
秋になると毎年おいしいアマガキの実をたくさんつける木である。
実は、不思議なことにこの老木には夏の午後になると猫が実るのである。

暑い夏の午後、ふさふさに葉を茂らせたこの老木の枝によく猫がぶら下が
っているのを見かけるのだ。
ボクは猫が木に登っているところを見たことがないので、猫たちはこの木
に実ったのに違いないのである。

ボクの庭には野良猫がいつもウロウロしているのだが、きっとこの猫たち
はこの木になった猫なのではないだろうかとボクはにらんでいる。
毎年こうしてたくさんの猫たちがこの木から育っていくのだ。
この木の幹には育った猫が木から下りてくる時につけたツメの跡もたくさ
んある。
猫が実る柿の木なんて、本当に不思議なのだ。




夏になると野良猫がよくこの木の枝で夕涼みをしています。
裏の納屋>わが家の屋根の上>柿の木というのは野良猫たちの通路です。
たまに子猫が3匹、枝から足をダラリと下に垂らしていることもあって
とてもかわいいのです。                   アキコ

2006年08月15日(火)  スネるボク 

ここのところアキコが全然遊んでくれないので、今日ボクは少しスネてみ
せることにした。

スネている時は、「怒っているんだぞ」という雰囲気をかもし出すために、
どんなことがあっても決して喜んだ顔など見せてはならぬ。
おいしそうなものを目の前にちらつかされても、決してシッポを振ったり
ヨダレを垂らしながら物欲しそうにじっと見つめたりしてはいけないのだ。

ボクがスネていると感じたアキコはさっそくボクの目の前にビスケットを
ちらつかせ始めた。
アキコは動物がみんな食べ物に釣られると思っているらしいが、それは大
きな間違いだということを思い知らせねばなるまい。

ボクが知らんぷりしていると、アキコはビスケットをフーフーと吹いて、
おいしそうなニオイをボクの方に向けたり、むやみに「ビスケットだよ」
「ギュウニュウ飲みたいね」と言ったりした。

ボクはギリギリのところまで我慢したのだが、ボクの本能がとうとうヨダ
レを出させ、ビスケットを見つめさせてしまったのだ。
犬としては最長記録であろうほど長時間ガンバッタのだが、やはり本能に
は勝てない。

ギリギリまでガンバッたおかげで、もらったビスケットはいつもの何十倍
もおいしかった。
明日からはアキコもいつも通りに遊んでくれるそうである。
スネてみせるのは大変なので、スネるのが今日で終わりになりそうでとて
も助かった。


2006年08月14日(月)  ハッキーとボク 

最近アキコは日記をさぼりがちである。
ボクは日記を書く気まんまんなのだが、アキコが忙しくしているので日記
を書くことができないでいたのだ。

アキコは高校生の時のドウソウカイというものに出るために、いわき市と
いう遠い所へ出かけたり、妹のヒロコサンがカモガワに遊びに来たので一
緒に海に出かけたりして全然ボクと遊んでくれないのだ。

仕方がないのでボクは独りさびしく庭に生えているハキダメギクと話をし
て過ごしていた。
この前アキコにガムテープをたくさん巻き付けられて痛い思いをしたこと、
いつもアキコが庭に水を撒くついでにボクにもジャージャー水をかけるこ
と、ボスとアキコで変な笛を吹いてボクをドキドキさせること・・・。
ボクはハキダメギクにいろいろグチをこぼしたのだが、ハキダメギクは黙
ってボクのグチを聞いてくれた。

ハキダメギクは自分のグチは言わなかったが、ハキダメギクの言いたいこ
とはよくわかる。自分の名前のことだろう。
最近ボクはハキダメギクと仲良くなったことだし、今日からは可愛そうな
名前は呼ばずに愛称「ハッキー」と呼ぶことにしよう。


2006年08月10日(木)  台風一家 

今日は遠くの山の稜線までくっきり見えるほど湿気がなくて気持ちがいい
1日だった。モクモクと入道雲ができては風に流されて消えていった。
もちろん、ひどく暑かったのだが、こんな爽やかな暑さは久しぶりのこと
である。

ボスとアキコが話しているのを小耳に挟んだのだが、何でも今日はみんな
「台風一家」なのだそうである。
ボスとボクとアキコも台風一家、庭の鶏たちもカエルたちもカタツムリも
みんなみんな台風一家らしいのだ。
特に今日が台風一家だということは、いつもは家族だと感じたことのない
アリンコやハチやセミたちも今日は一家の仲間入りなのだろう。

そういえば、お日さまの光はみんなに同じように注いでいるし、気持ちよ
く吹き抜ける風もみんなの顔をすり抜けて同じように吹いている。
これはきっと一家仲良く暮らすようにと、自然がボクたちにくれた気持ち
の良い1日なのかもしれない。
いつもは虫やカエルくんたちを追いかけて遊ぶボクであるが、今日は一家
の長男として弱い動物たちにも優しくしてやることにしよう。


2006年08月09日(水)  大きな渦巻き雲 

今年もやって来た。
もちろん、大きな渦巻き雲の話である。
去年はこの大きな渦巻き雲のせいでアキコのパパとママの家はユカウエシン
スイというのになったのだ。
去年のボクは大きな渦巻き雲のことを考えると怖くて小屋に隠れたくなった
くらいだった。

しかし、考えてみると大きな渦巻き雲はお祭に比べたら静かなものである。
昨日ずっと眠っていたせいで、今日のボクは全然眠くない。
今日ボクは今度こそ大きな渦巻き雲の正体を見てやろうと決意し空を見張っ
ていることにした。

ボクは1日中小屋の前で大きな渦巻き雲の見張りをガンバッたが、大きな渦
巻き雲の正体を見ることはできなかった。
しかし1日見張りをしていたおかげで体がとてもさっぱりした。
風雨で濡れたボクの体をアキコが何度もゴシゴシ拭いてくれたからだ。
ボスに「もう外で雨に当たってはいけない」と怒られてしまったが、濡れた
体をゴシゴシ拭いてもらったらこざっぱりして生まれ変わったようだった。
怖い怖い大きな渦巻き雲が降らせた雨をシャワー代わりにしてしまうなんて
ボクはなかなか格好いいのだ。
大きな渦巻き雲が来ても怖いことばかりではないらしい。


2006年08月08日(火)  ボクの寝相 

今日、ボクは眠かった。
どうしてこんなに眠いのか、それは昨日まったくお昼寝ができなかったか
らなのだ。
どうしてお昼寝ができなかったか?
もちろん、昨日のお祭の笛や太鼓のせいである。

今日ボクはとにかく眠気に任せてとことん眠ることにした。
オリコウな犬に十分な睡眠は必要不可欠なのだ。

しかし、眠さに任せてお昼寝をしていたら、間抜けな姿を写真に撮られて
しまった。隠し撮りとはひどいアキコである。
しかもボクが上手にタオルに隠れて眠っていたのにアキコはタオルや小屋
に隠れている部分まで写真に描き込んで、ボクの寝相の悪さを全世界に公
表しようという企みなのだ。

確かにボクは小屋から頭がはみ出していたし、仰向けで足を広げて眠って
いた。
しかし断じて笑いながらは眠っていないのだ。
明日からはボクの格好いいところを日記に書けるように頑張らなくては!


2006年08月07日(月)  お祭りを楽しむ 

今日はボクの住んでいる地区のお祭だった。
去年のボクはお祭の音が怖くて1日中ドキドキしていたが、今年のボクは
少し違った。
朝からボスや近所の男たちと一緒に山の上の不動さんまで大きなオミコシ
を担いで上がり、夕方からは派手なチョウチンがたくさん点いたダシとい
うものを引っ張って近くの小学校まで練り歩いた。
お祭の最後に打ち上げられた大きな花火も楽しんだ。
ドーンという花火の音は、遠くの海で打ち上げられて花火とは比べものに
ならないほど大きくボクのお腹に響いて、たまらなく良かった。

・・・と言うのは全部ウソである。
本当は朝から晩までドキドキの連続であった。
朝から響く笛や太鼓の音、オミコシを担ぐ男たちの声、派手なチョウチン
のダシもとてもとても怖ろしかった。

ボスとアキコが心配して、お祭の花火の途中で帰って来てくれたのだが、
最後の花火の大きな音が怖くて、思わず「キュー」という情けない声まで
出してしまった。
今もどこかからまだ祭りの笛や太鼓の音が聞こえている。
お祭、早く終わらないかな。


2006年08月06日(日)  ミイラ 

今日、ボクはミイラにされてしまった。
ミイラというのは布でぐるぐる巻きにされているらしいが、ボクの場合は
ガムテープというものを体中にペタペタ貼られてしまったのである。

どうしてこんな姿になったのかと言うと、それはブラシをかけてもかけて
もフワフワの抜け毛が取れないことにアキコが逆上したからなのだ。
最初は優しくブラシをかけてくれていたアキコが「あー、取れない」と言
った後、家の中からガムテープというものを持ってきてボクをミイラにし
たのである。

ガムテープを体に貼られた時ボクは楽しかった。
アキコが「イイコだね〜」と言ってくれたので、ボクはおとなしくテープ
を貼られていた。
しかしテープをはがす時になって、ボクはアキコのなすがままにされてい
たことを深く後悔した。

ビリビリとテープをはがす時、ちょっぴり気持ち良かったのは確かだが、
抜け毛と一緒に抜けていない毛まで引っ張られてとても痛かったのだ。
はがしたガムテープを見てみたら、毛がたくさん生えてボクによく似たガ
ムテープがたくさんできあがっていた。
アキコは「取れた取れた」と満足そうであったが、ぼくはもう懲り懲りで
ある。
次にガムテープを見かけたらボクは一目散に逃げることにしよう。


2006年08月04日(金)  オリコウ顔計画 

暑い、暑い。とにかく暑い。
昨日から突然ボクの庭に真夏がやって来たようである。

こんな暑い日、ボクは日が沈むまで日陰でお昼寝をすることにしている。
つめたい地面に体をくっつけてお昼寝をしているのが一番涼しい。

普段ならアキコの姿がガラス戸のところに見えたらすぐさま起きあがって
挨拶するボクなのだが、今日は一歩も動きたくない。
何かあったらオリコウ顔をしてアキコのところへ一目散に駆け寄ろうとい
う計画を心の中で練りつつ、今日は何か良いことがあるまではゴロンと転
がっていることにした。

こんな日にボクがとびきりのオリコウ顔をするためには、やはりそれなり
の報酬が欲しいものである。
ギュウニュウ1リットル。
ビスケット10個。
茹でて冷やしたおいしいキャベツとジャガイモの盛り合わせ・・・
こんなことがあったら、とびきりのオリコウ顔をしてしまおう、シッポは
秒速4回のスピードで振ってしまおう、とお昼寝をしながら計画を立てて
いたのだが、計画は無駄に終わってしまった。

明日は何か良いことがあってとびきりのオリコウ顔をした、という日記を
書きたいものである。


2006年08月02日(水)  ヤマノイモ 

今日、ボクはアキコと一緒に家の裏側へ行った時に、ヤマノイモの花を見
つけた。
散歩道にもたくさん生えているヤマノイモだが、花をつけているのはこの
ヤマノイモだけである。
白い水玉がついた茎が空に向かってぐいと伸びていて、なかなか素敵な形
をしていた。

ヤマノイモを教えてやったら、アキコはとても嬉しそうだった。
何やらこのヤマノイモ、根っこは山芋のように食べられるし、冬になると
ムカゴというおいしいものが茎にポツポツできるらしい。
ムカゴはご飯と一緒に炊いて食べるとおいしいらしいので、アキコは一度
食べてみたかったのだそうだ。

ムカゴの説明をしてくれたアキコはヤマノイモの花を観賞しているような
フリをしていたが、心は遙か冬のムカゴへと飛んでいるようであった。
やはり植物の美しさがわかるのはボクだけなのだ。

そんなことをしているうちに、蚊がたくさん集まってきたので、ヤマノイ
モ鑑賞も終わりである。
アキコは「おいしいムカゴをたくさんつけてね」、ボクは「お花がとても
きれいだね」と言ってヤマノイモとお別れしてきた。


2006年08月01日(火)  観察 

最近アキコは早朝の散歩に凝っている。
今日もカメラを持ってボクの散歩のお伴である。

ボスと一緒に散歩に出る時、ボスはボクが脇道にそれたり道草をくったり
するのを少しも許さない。
アキコと違って走ってくれるのは楽しいのだが、ボクが何かを見ようとし
たり何かのニオイを嗅ごうとしたりしたとたんにヒモをぐいと引っ張られ
てしまうのだ。

アキコを連れて散歩に出た時、ボクは遊び放題なのでとても楽しい。
今日も草むらに入っていろいろな草のニオイを嗅いだり、ひんやりした草
の感触を楽しんだりした。

下の写真はボクがアザミを観察しているところである。
アザミの葉っぱはチクチク尖っているので、あまり顔を近づけないように
気を付けて観察するのが良いのだ。
今朝は面白いものを見つけなかったが、また早朝散歩に出かけて、面白い
ものを見つけたら日記に書こうと思う。


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