日常のかけら
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◇虹◇

晴れてました。
ええ、そりゃぁもうこれでもかってくらいの青空と日差しだったのに…

水音がするからと音のする方を見れば、スコールのように雨が降っているではありませんか。
大慌てで洗濯物を取り込んだのですが、気付くのが遅くてもう一度洗うことになってしまいました。

洗濯場で気落ちして洗っていましたら、悟空がひょこっと顔を見せてくれました。
そして、

「虹が出てる!」

そう言って、手を引っ張るので一緒に物干し場に行けば、それは大きな虹が雨に洗われた空にかかっていました。

「すごい虹ですねえ
「うん、三蔵に教えてもらった――ほらっ」

と、指さす先に、三蔵様が立っていらっしゃいました。

(笙玄)

2012年07月21日(土)


◇暑いね◇

梅雨が明けた途端、溶けるほどに暑い。
ホント、暑い。
お陰で三蔵がまた、すんごい格好で仕事してる。

ランニングで首にタオル巻いて…

美しい三蔵法師様なんてどこにもいない。
オヤジだもんね。
タライに氷水はって足をつけてないだけまし。
まあ、執務室は風が通るといっても暑いから、わからなくもないけどさ。

ほら、氷水持ってきた笙玄にまた、怒られてる。
だって、威厳もなんもないし。

でも、暑いもんは暑いって。

(悟空)

2012年07月18日(水)


◇大丈夫だよ◇

雨、止まないなぁ…
せっかく気持ちよく晴れたと思ったのに…
また、三蔵の機嫌が暗くなる。

え?悪くなるんじゃないのかって?
うぅん…悪くなるって悟浄とか八戒とかは言うけど、どっちかというと纏う気配が重たくて暗くなるって感じ。

自分の殻に閉じこもっちゃうっていうのが正しい気がする。

だから、機嫌が悪いんじゃなくて暗いの。

でもね、一緒にいるようになった頃よりはずっと穏やかだよ。
前はね、話しかけるのはもちろん、近寄るのも怖い感じだった。
今は…うん、大丈夫だよ。

俺もいるし、笙玄もいるし。
うん、大丈夫。

(悟空)

2012年07月12日(木)