日常のかけら
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◇予行演習?◇

「何、作ってるんですか?」

と、訊いても生返事が返ってくるばかり。
調理台の端を陣取って、一生懸命。
たどたどしい手つきは、見ているこっちがハラハラするけれど、本人は真剣なわけで。

「こうやって…そんでぇ…───」

お菓子を作っている風には見えるんですが、その手つきはどう見ても粘土を捏ねているようにしか見えない。
それでも、当日のための練習なんだと笑っていたのは今月の初め。

「上手くできますように」

祈ることしか出来ないけれど、その一生懸命な気持ちはきっと、あの方に届くはずだから。
そう、きっと、必ず。

(笙玄)

2009年11月20日(金)